
マクロ要因がもたらす影響とは
中国政府が5日、年間国内総生産(GDP)成長率5%を目標に掲げ、財政・金融政策の大幅な緩和の可能性を示唆した。このような中央銀行の景気刺激策は、仮想通貨を含むリスク資産への資金流動性に大きな影響を与える可能性がある。
過去の研究によると、主要経済国における大規模な金融緩和政策は、仮想通貨市場の強気相場と強い相関関係を持つことが明らかになっている。実際、2024年9月にはビットコインが12.3%上昇し、中国の金利引き下げや銀行の準備金要件緩和と軌を一にする結果となった。
仮想通貨取引プラットフォーム「ネクソ」の代表はThe Blockの取材で、2015年や2020年の過去の事例と同様に、過剰の流動性が代替資産に流れ込む可能性を指摘しつつ、中国の厳格な規制により仮想通貨市場への直接的な参入は限定的であると指摘した。
一方、ブロックチェーン分析企業ナンセンの主任研究アナリストは、中国の経済モメンタムは緩やかな上昇にとどまり、仮想通貨市場への影響は限定的だと分析。また、ビットワイズのリサーチ責任者は、ビットコインのパフォーマンスはグローバル成長予測に大きく左右されると指摘した。
中国政府は5日の全国人民代表大会で5%のGDP成長目標と、4%の財政赤字目標を設定。トランプ大統領による対中関税引き上げの影響を見据え、民間消費を刺激するための様々な施策を打ち出す構えだ。
専門家の間では、米国の関税政策と中国の金融対応が仮想通貨市場に与える影響について、意見が分かれている。現時点で、中国の金融緩和が仮想通貨市場に与える影響は流動的だが、過去の事例から見れば、大規模な金融刺激策は代替資産への資金流入を促進する可能性が高い。投資家らは、米国の金融政策や中国の経済対応を慎重に注視する必要があるだろう。
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