CoinPostで今最も読まれています

局面を迎えるビットコイン、2週間の値動きと今後の展望を考察|仮想通貨市況(クリプトキツネ)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

局面を迎えるビットコイン、2週間の値動きと今後の展望を考察
反転上昇シナリオ通り、4400ドル(48.9 万円)付近のレジスタンス領域で頭を押さえられたビットコインは、今後の値動きを左右する大きな局面にあるといえる。過去の値動きを参照しつつ、今後期待される複数シナリオをインジケーターから紐解き考察する。

この2週間のビットコイン相場のテクニカル分析総括と来週以降の展望

BitfinexのBTCUSD4時間足チャートでの値動き

さて、この二週間の値動きは前回記事時点でお伝えした反転上昇シナリオの想定通りであったと言えそうである。まだ、前回記事をご覧になっていない方は2週間前に書いた考察記事をご参照いただきたい。

反転上昇シナリオでは直近高値の4400ドル(当時価格約49万6000円)付近の抵抗帯がレジスタンス領域になる可能性があるとお伝えしたが、まさにその価格帯付近で一旦上昇が頭打ちしていることが伺える。

まずは、この二週間の値動きをインジケーターを紐解きながら見ていこう。

ここ二週間の値動き

オシレーター系インジケーターであるRSI、そして混合系ともいえるMACDを確認してみよう。MACDでは前回記事時点からダイバージェンスが発生しており、ある意味不健全な売りによる下落が続いていた。

RSI(相対力指数)

投資家の心理状況を表す為に考案されたテクニカル指標。このRSIの数字が高いと「買われ過ぎ」、低いと「売られ過ぎ」となり、相場の強弱を教えてくれるテクニカル指標で、株式の世界では一般的には70%以上だと買われ過ぎ、30%以下になると売られ過ぎであると一般的には言われている。

しかし、実践的には30%70%ライン自体はあまり重要ではない。RSIとは、「値動きに対する上昇幅の比率」である。従って、50%ラインを基準に上下の推移でトレンド判断が可能である。

読者の皆さんも一度計算式を見て、インジケータが実際何を表しているのか、ということを自分なりに解釈してみて欲しい。

MACDダイバージェンス

ダイバージェンス(Divergence)とは、「相違、乖離、逸脱」の意味で、値動きとMACDラインの推移が逆行している現象のことを指す。この場合は、値動きの底値が切り下がっているにもかかわらずMACDの底が切り上がっていることから、反転上昇を示唆している。

さらに、12月17日18時頃にOBVレジスタンスラインを明確にブレイクしたことで反転上昇への足並みがそろったと解釈できる。

それ以降RSIも50ライン以上で推移しており、安定した上昇トレンドであることがわかる。LS比を見てみるとショートが水色レンジ内で推移していることから売り方が方向性を探っている状態といえるが、依然として絶対数はショート玉の方が多いため、レジスタンス領域を突破した場合は売り方のロスカットによってかなり上値が伸びやすい状態であるといえる。

ロングポジションもいったん解消していることから、新規の買い方も入りやすいフェーズではあるだろう。

OBV(オンバランスボリューム)

出来高系インジケーターのひとつ。出来高を指数化して、その方向性と資金の流れを捉えるための指標。

LS(ロング・ショート)比率

“比率”と銘打っているが、その実買いポジションと売りポジションの数量の絶対値である。マーケットに入っているロングとショートのポジション数を比較することで、大口の動向やトレンドの先読みをある程度推測することができる。

現在の値動き(2018年12月23日16:00執筆時点)

さて、現在の値動きの解釈だが、まず200日SMAが水平に這っており、下位SMAも収束してきていることから調整局面ではないかという想定ができる。過去のマーケット参加者の損益分岐価格の収束によりレンジを形成していく際によくみられる状態である。

同じく損益分岐系の一目雲を見てみても、4時間上昇雲が上位下落雲に突入していることから、一旦の調整局面が訪れていると結論付けられそうである。

来週の展望

レンジ(揉み合い)シナリオ

直近高値の4400ドル(約49万円)付近のレジスタンス領域、さらに2017年12月16日(BTC過去最高値)と2018年10月15日の上髭を結んだレジスタンスライン~2018年3月5日や2018年9月1日の高値を結んだレジスタンスラインにより形成されるレジスタンス領域(赤い三角の領域)によりかなり上値が重くなっているため、この付近で値動きが跳ね返された場合は、OBVのサポート水準と一致する3750ドル(約41万7000円)付近のサポート上でレンジが形成される可能性がある。

レンジが形成された場合は、単純移動平均線が足並みをそろえてどちらに方向付けされるか、といったことや4時間雲が上位下落雲とどういう関係性を構築するのか、といったことに注意したい。

上昇継続シナリオ

LS比でショートポジションが解消されながらレジスタンス領域を突破した場合は、かなり信頼度の高い上昇シナリオが予想できる。上昇シナリオが継続する場合は、RSIが50ライン以上に推移しているか、200SMAが上向きに推移しているか、OBVがサポートを割っていないか、ということから総合的に判断されなければならない。

OBVと値動きの乖離や、MACDのダイバージェンスなどが観測された場合は騙し上げの可能性が高いといえるだろう。

下落再開シナリオ

レジスタンス領域に値動きの上昇が阻まれ、ロングポジションが消化されながら、OBVがサポートを明確に割り、SMAが下落基調になった場合はかなり強い下落再開シグナルと解釈できるだろう。このシナリオの場合はレンジシナリオで想定される3750ドル(約41万7000円)サポートを明確に割り込み、再び2980ドル(約33万2000円)サポート付近を目指すと考えられる。

そこから更に2980ドル(約33万2000円)サポートを割った場合は、2017年5月25日の高値による2660ドル(約29万6000円)付近がターゲットになると考えられる。割らない場合は、4400ドル(約49万円)付近のレジスタンス領域~2980ドル(約33万2000円)付近のサポート領域を天底とする大きなレンジパターンの形成も考えられるであろう。

総括

現在ビットコインは今後数週間の値動きを決める重要な局面にあると考えられる。レジスタンスやサポートを割ったからと言って、その方向に飛びつくのは些か早計である。今後の値動きの方向性が定まってから、自身の資金管理に基づいたロスカットラインを設定したうえで、今後の値動きの推移を追っていただきたい。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者8,000名突破。

CoinPostの関連記事

下降トレンド継続のビットコイン、今週の値動きと来週の展望を考察|仮想通貨市況(クリプトキツネ)
今週、堅調な下降トレンドが継続した仮想通貨ビットコインに対し、ロングとショートの比率は乖離の一途を辿った。オシレーター系インジケータが軒並み下落継続を示唆する中、ビットコインは上昇反転の足掛かりを探している。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/05 土曜日
14:30
Ubisoft新作「Captain Laserhawk: The G.A.M.E.」、アービトラムでNFTリリースへ
新ゲーム「Captain Laserhawk」 フランスの大手ゲーム会社Ubisoftは、近日中にイーサリアムレイヤー2のアービトラム上で1万体のNFTコレクションを発売する計…
13:00
26000以上のBTC保有 米マラソン、ビットコインHODL戦略を継続
米マイニング大手マラソンがビットコインHODL戦略を継続。9月に売却を行わず26,842BTCを保有している。9月の採掘実績も発表した。
11:30
ビットワイズ、ビットコインとイーサリアム先物ETFで戦略変更 米国債ローテーションを採用
ビットワイズが3つの仮想通貨先物ETFの戦略変更をSECに申請。独自の「トレンドワイズ」戦略で市場下落時に米国債へローテーション。
10:45
EigenLayer、8億円の仮想通貨EIGENが不正売却 公式側が調査
イーサリアムのリステーキングプロジェクトEigenLayerで約8億円相当のEIGENトークンが不正売却。投資家のメールが侵害され、攻撃者がトークンを売却。
07:40
IMF「エルサルバドルはBTC投資に制限を」
仮想通貨ビットコインへの公的な投資に制限を課すことなどをIMFはエルサルバドルに勧告。IMFの報道官が会見で、同国のビットコイン政策に言及した。
07:15
コインベース、欧州でUSDTなどのステーブルコイン廃止へ MiCA法準拠で
大手仮想通貨取引所コインベースは10月4日、年末までに欧州連合(EU)域内で規制に準拠していない「ステーブルコイン」の上場廃止を行うと発表した。
06:45
ビットコインクジラ、2009年採掘のBTCを5億円分取引所へ送金
古参のビットコインクジラが5日、5億円相当のビットコインを米仮想通貨取引所クラーケンに送金したことが明らかになった。
10/04 金曜日
23:26
Sanctum(サンクタム)でソラナのステーキング利益最大化
仮想通貨ソラナ(SOL)のブロックチェーン上のDeFiプロトコル「Sanctum(サンクタム)」を詳しく解説。LSTの仕組みやCLOUDトークン、具体的な使用方法、将来展望まで。SOLのステーキングなど、投資利益を最適化したい方向け。
17:30
Bunzz Audit、AI搭載監査でWeb3事業のセキュリティを強化【独自取材】
Web3時代のセキュリティ課題に挑むAI駆動スマートコントラクト監査サービス「Bunzz Audit」を解説。従来の監査の問題点と革新的解決策を探る。DeFi、NFT事業者向け。
16:38
バイナンス、4種類の仮想通貨取引ペアを取扱い中止
海外の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは4種類の現物通貨ペアの取扱いを中止した。流動性向上を目的とした戦略の一環で、他の通貨ペアは引き続き利用可能。
15:00
ソラナの猫系ミームコイン「MEW」、米クラーケンに新規上場
米大手仮想通貨取引所クラーケンは8日にソラナ(SOL)基盤の猫をモチーフにしたミームコイン「MEW」を新規上場する予定だ。
14:30
リップル社、ラテンアメリカ大手仮想通貨取引所と協業
仮想通貨を活用した国際送金を変革するため、リップル社がラテンアメリカ大手取引所Mercado Bitcoinと協業。今後のユースケースなどを発表した。
13:00
ビットコイン発明者「サトシ・ナカモト」の正体に迫るHBOドキュメンタリー公開へ
ビットコイン考案者サトシ・ナカモトの正体を追うドキュメンタリーが近日公開。関係者へのインタビューなどで開発状況に迫る。
12:29
ビットコイン6万ドルの節目で下げ渋る、SEC控訴でXRPは急落
暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインが6万ドルの節目で下げ渋り反発した。SECのリップル控訴を受け、XRPは急落している。
12:00
おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング
コインチェック、bitFlyer、bitbank、GMOコインなど、国内大手のおすすめ暗号資産(仮想通貨)取引所のメリット・デメリットについて個人投資家の口コミ評価を集め、比較ランキングにしたページです。優先して口座開設すべき取引所探しに役立てて下さい。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア