
BybitとUSDC収益分配
米国上場のステーブルコイン発行企業サークルが、大手仮想通貨取引所バイビットと収益分配契約を締結したことがCoinDeskに報じられた。関係者2名が明らかにした情報によると、サークルはUSDCステーブルコインの普及拡大を目的とした戦略的提携を進めている。
サークルは最大手テザーとの競争に加え、RLUSDといった新興ステーブルコイン勢力の台頭に直面している。同社は以前よりUSDCの準備金利回りを仮想通貨取引所コインベースと50%ずつ分配する長期契約を締結し、業界全体でのUSDC普及を促進してきた。
バイビットとの契約詳細は不明だが、コインベースやバイナンスとの類似契約では、米国債準備金利息の一部分配やワンタイム支払いでUSDC採用を奨励している。以前公開されたサークルのIPO書類によると、バイナンスはサークルから6,000万ドル以上の前払い手数料を受け取り、月次インセンティブも継続受領している。
また、9日にはサークルが仮想通貨取引所OKXとも提携を発表した。OKXの売買ポータルを通じてUSDCアクセスを大幅に簡素化し、デジタルドルへのグローバルアクセスを向上させる。
サークル共同創設者兼CEOのジェレミー・アレール氏は「高い実用性とインターネットベースの新しい形態のマネーを求める企業や個人からのUSDC需要が続いている」と述べた。両社はステーブルコインに関する共同教育キャンペーンも実施予定だ。
提携により開発者、トレーダー、一般ユーザーを対象とした教育活動を展開し、仮想通貨プラットフォームへのサークルステーブルコインの統合をさらに進める計画だ。サークルは複数の取引所との戦略的提携を通じてUSDCの市場シェア拡大を目指している。
一方、サークルの株価は9日夜一時215.3ドルまで急騰したが、その後反落し最終的に2%の下落幅を記録した。
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