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リップル公式ブログで仮想通貨ステーブルコインの問題点をトム・リー氏が指摘、「アジア通貨危機」などから考察

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リー氏「ステーブルコインの今後について」
著名アナリストであるトム・リー氏が、法定通貨と紐付けられているステーブルコインの問題点について、「アジア通貨危機」など過去の歴史の教訓から分析。今後、価格を安定させるために必要な要素にも言及した。

トム・リー氏「今後のステーブルコインについて」

ステーブルコインは、安定性に欠ける仮想通貨への解決策の一つとして提案され、テザーなどには大きな需要が存在している。

そんなステーブルコインが、今後抱えると予想される問題について、著名アナリストであるトム・リー氏が分析し、その内容を寄稿した。

リー氏は、その記事内の冒頭で「ボラティリティの高い仮想通貨において、ステーブルコインなど、色々なことを試みることは大変良いことであり、投資家達にも魅力を与えられる。しかしながら、歴史を振り返って見ると、ステーブルコインが仮想通貨の安定性を担保することは厳しい。」との見方を示した。

また、仮想通貨の安定性に必要な要素についても言及している。

リー氏は、ステーブルコインが失敗に終わりうる理由として、以下の2つを上げた。

  • (1)ペッグ通貨失敗の歴史
  • (2)人々の市場心理

(1)ペッグ通貨失敗の歴史

ナイジェリア

ナイジェリアの法廷通貨であるナイラは、一定の輸出額を維持するため、アメリカドルと紐づけられていた。

2010年半ば、石油価格が下落した際、ナイジェリア政府がペッグ制を維持するため、同国の20%に当たる外貨準備を投入したにも関わらず、ナイラも共に下落し続けた

ナイラは闇市場へと流れ、同政府は、そのペッグ通貨の使用を取り止めなければならない状況に追い込まれた。

結果として、ナイラの価格は30%下落し、深刻のインフレを引き起こした。

タイ

さらに深刻な失敗事例として、1990年代のタイで起きた出来事も挙げられる。

当時、タイの成長速度は著しく、東南アジア諸国の中でも群を抜いていた。

しかし、その成長ペースが緩やかになった際、投資家らは空売りを始め、アメリカドルと連動していたバーツの価格は急落した。

1997年、ナイジェリア政府と同様に、タイ政府は数十億ドルもの資金を投入したが、最終的には、ペッグ通貨の維持に失敗している

この影響はタイ国内だけには止まらず周辺地域にまで及び、「アジア通貨危機」へと発展した。

(2)人々の市場心理

リー氏は、ペッグ通貨の問題として、市場において、人間は必ずしも合理的には行動しないということを指摘し、以下のように続けた。

ペッグ通貨を見ると、そのほとんどがアメリカドルだ。スイス・フランやシンガポールドルと紐付けた方が、より高い安定性をもたらす可能性もあるが、それでも人々はアメリカドルと連動させている。

これは、決して論理的に決めたものではなく、「大国アメリカがバックにある」という心理的な部分から来ているのだ。

(中略)

テザーにも言えることだが、様々な疑惑があるにも関わらず、テザーを信用する人は十分存在する。

このように、ステーブルコインの価格が、曖昧な市場心理に支えられている部分が大きい点を問題として、捉えているようだ。

仮想通貨の安定性を高める要素とは

仮想通貨市場は新しく生まれたもので、将来の予測を立てることは難しいとした上で、同氏は以下の要素が価格安定の鍵を握るとした。

  • 確固たる信用
  • 仮想通貨の明確な利用例

アメリカドルのように、その資産性に確固とした信用を得られることが、より強固な安定性をもたらす方法の一つだとした。

また、国際送金システム、決済手段、あるいは価値の貯蔵など、明確な利用例を示すことが、信用の向上につながり、結果として価格が安定するとした。

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