CoinPostで今最も読まれています

英調査機関、世界各国の仮想通貨取引所の「規制リスク」を格付け|日本の評価は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

主要仮想通貨取引所の規制リスク調査
英仮想通貨調査企業は27日、各国の主要取引所を216箇所を対象に規制リスクを調査した。規制ライセンスの取得率が14%にとどまる中、日本が評価されるなど、興味深い結果が明らかとなっている。

主要仮想通貨取引所、規制遵守は14%のみ

イギリスのブロックチェーン・仮想通貨専門の調査企業Coinfirm社は27日、バイナンスやPoloniexを含む主要な216の仮想通貨取引所を対象に行なった規制面のリスクアセスメントを発表した。

先日BitWiseが公開した「仮想通貨取引所が報告する取引量の95%が水増しされている」などと指摘するレポートが公開されたほか、DragonEXやBiki.comなどの出来高上位の取引所が相次いで、仮想通貨取引所の信頼性が再び問われ始めていると言えるだろう。

Coinfirm社が規制面におけるリスク体制の調査を主要な216の仮想通貨取引所に行ない、リスクの高低によって振り分けたところ、以下のような結果が見られた。

同社のリスク調査は、以下の項目における取引所を評価しており、下記7項目のうち5項目において「高リスク」が最も多く見られている。

  1. 規制当局からライセンス・認定の有無
  2. 資金洗浄対策(AML)に関する規定・体制
  3. KYC体制
  4. 取引監視体制
  5. 顧客の適格審査
  6. 高リスク地域の管轄下にいた経歴
  7. メディア報道

32ページにも及ぶレポートの中で、以下の3点に関する内容が際立っていたため、それぞれ紹介する。

  • 規制当局からライセンス・認定の有無
  • KYC体制完備の割合
  • 世界各国の取引所リスク比較チャート

規制当局からライセンス・認定の有無

Coinfirm社の調査によると、調査対象となった216の取引所の内、実際に金融規制当局からライセンスなどを取得して運営している取引所は全体の30%(14の取引所)にとどまっていることが判明した。

また規制当局に認定されている取引所の大半は、アメリカのFinCEN(金融犯罪捜査網)、日本の金融庁、または香港のHKMA(香港金融管理局)に登録している模様だ。

大半の取引所はFinCENにマネーサービス事業、または金融庁に仮想通貨交換業者として登録される。

日本でも今週25日、楽天ウォレット株式会社と株式会社ディーカレットを正式に仮想通貨交換業者として登録が報道され、大きな反響を呼んだ。

CoinPost関連記事

【速報】金融庁、楽天とディーカレットの「仮想通貨取引所」を認可|今年2例目で登録を本格化
日本金融庁は25日、新たに「楽天ウォレット株式会社」と「株式会社ディーカレット」仮想通貨取引所2社を正式に仮想通貨交換業者に登録したことを発表した。本格的に新たな日本の仮想通貨取引所が動き出す。

KYC体制

また、調査対象の69%に相当する149の取引所においてKYC、および顧客管理体制が完備されていない事も明らかとなっていた。

この中で法定通貨建の取引ペアを扱っている取引所も約60%あり、KYCや顧客管理体制が整っていて法定通貨取引を提供している取引所は全体の約23%(49の取引所)のみという結果が出ている。

日本のKYC状況は

レポートには、日本の仮想通貨取引所も規制リスクアセスメントに含まれており、計6つの取引所の評価が下されていた。

Coinfirmの結果によると日本の取引所は上述の「規制当局からのライセンス」と「KYC体制」においていずれも100%の取引所が低リスクという結果が出ている。

その他にも「顧客の適格審査」と「高リスク地域の管轄下にいた経歴」の2項目でも、全ての取引所が低リスクの評価を受けていた。

2016年から改正資金決済法を表明し、世界でも早期から仮想通貨の法整備を整えていた日本において、仮想通貨取引所は世界でも最も規制を遵守していると言えるだろう。

世界各国の取引所リスクは

また、Coinfirm社は、それぞれの取引所が登録されている地域・国家を基に、国別のリスク度格付けも発表した。

下記の図を参照すると、日本の取引所は、規制面において「違反リスクが低い」と評価されていることが分かる。

各評価の主な結果を以下にまとめた。

低リスク

  • 日本
  • オーストラリア
  • スイス
  • ドイツ
  • フィンランド
  • ノルウェー
  • スウェーデン

高リスク

  • ロシア
  • ウクライナ
  • イラン
  • アフガニスタン
  • ベラルーシ
  • エジプト
  • ジンバブエ
  • コンゴ
  • ソマリア

またアメリカ、中国、イギリス、カナダ、インド、トルコ、サウジアラビアなどの国々は「中リスク」の判定を受けている。

日本関連の動き

軒並み高い評価を受けた日本の仮想通貨所は、全て日本の金融庁を主体とした規制に遵守している。

日本の取引所におけるリスクは多くの項目で低リスクの評価を受けている一方、日本の金融業界は今秋10月から11月頃に予定されている金融活動作業部会(FATF)の第4次対日審査に向けて、AML対策強化に努めていることがダイヤモンドオンラインの報道で明らかとなっていた

世界基準では、仮想通貨取引所で「規制ライセンス」を取得している業者が14%にとどまる中、日本で運営を続ける取引所は、全て金融庁と連携していることを踏まえると、日本の仮想通貨業界は世界基準では、先行する分野だいう声もある。

特に、機関投資家参入や仮想通貨市場への信頼度向上における面では、日本の規制が主導となっているとも言えるだろう。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ビットコイン取引高の95%に水増し疑惑、ETF申請企業が米SECに報告
Bitwise社はビットコイン取引量の95%が偽装であると米SECへ報告。その他にも取引所の取引量操作などにも言及した。一方で、ビットコイン市場の健全性も主張した。
米国におけるブロックチェーン支出、2025年までに13倍拡大か|市場調査企業が予想
世界最大級の市場調査企業Research and Marketsは25日、今後6年間で米国11の業界におけるブロックチェーン支出が年間約1818億円まで拡大するという市場レポートを発表した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧