マネータップは米リップル社の出資受入検討、法改正後に大きく動く仮想通貨ファンド事業とは|SBI決算説明会

SBI決算説明会
SBI代表の北尾氏は、今夏に本格始動予定のSBIVCや新役員になった米リップル社およびXRPの展望のほか、法改正後にSBI証券などで検討する「STO」を通じた大規模資金調達や仮想通貨ファンド事業についても説明した。

SBI決算説明会

SBIホールディングスは26日、都内で決算説明会を開催した。

本記事では、決算資料(2019年3月期)の内容を元に、北尾社長の事業説明内容を抜粋して紹介する。

決算内容

19年3月期の売上高(収益)は前期比4.3%増、連結税引き前利益は、前期比15.6%増の830億円と6期連続増収となった。

SBIホールディングスはネット証券の中でも群を抜いた成長率を誇っており、リーマン・ショック以来の通期赤字(1000億円)に転落した野村証券など、大型証券会社の凋落ぶりとは対照的だ。

この点について、質問を受けたSBIの担当役員は、

トラディショナルな大手証券は、リテールの営業力に支えられてきた側面があるが、移り変わりの早い現代において、昔の成功体験に基づく(旧態依然のやり方)では限界もある。

証券だけではなく銀行でも同じことが言える。IFAビジネス金融商品仲介業)では、有力な若手の独立・起業という形で人材流出もあるようだ。

などと分析。

時代に即応した変化が求められるとした。

住信SBIネット銀行における顧客の預金残高推移も好調で、3年まえの3.4兆円から大きく伸ばし、現在では4.8兆円。356万口座にも及ぶ。

また、SBIグループ全体の運用資産は、2018年9月に1兆円を突破。2〜3年以内の運用資産5兆円水準を目指すとしている。

グループシナジーの追求

SBIホールディングスは4月10日、若年層・投資初心者をターゲットとし、Tポイントとスマートフォンという身近なツールを活用した金融サービスを提供する「ネオモバイル証券」を開業。

ネオモバイル証券を起点に、暗号資産取引のSBIVCとの相互シナジーも追求しつつ、投資初心者や若年層ユーザーの獲得を推進することを目指す。

北尾社長は決算説明会で、ネオモバイル証券とSBI FXトレードの顧客属性にも言及。「約40%が20〜30代だ。将来の金融資産が増えていく世代であり、若年層をしっかり取り込んでいく。」と強調した。

SBIVCについて

また、昨年夏にローンチした「SBIバーチャルカレンシーズ」では、グループシナジーの徹底活用により、初年度から黒字化を実現(税引き前利益 約3.6億円)している。

現在は「販売所」形式のみで、様子見しつつ運用しているが、スプレッドが狭く、個人投資家間で板売買可能な「取引所」形式のローンチについては、新法案による各種規制に対応するとともに、安全性強化のためのプライベートクラウドの導入を図るため、2019年3月→7月に変更している。

この点について北尾氏は、「現時点では、レバレッジ倍率などが定まっておらず、対応を見極める必要がある」と述べた。

なお、取扱い通貨に関しては、以下の条件を明示している。

  • 原則、時価総額5000億円以上(51%攻撃リスクの回避のため)
  • 不健全なハードフォーク見通しがないこと
  • 流動性、安全性、収益性

仮想通貨ファンド事業について

北尾氏は、今後の展望として「仮想通貨ファンド」事業にも言及。現在の改正案など法的な問題がクリアになれば、いち早く開始すべく準備を進める新事業に位置付けている。

従来のICOではなく、新法(金商法改正案)に則った金融商品である「STO(セキュリティ・トークン・オファリング)」を通じた、大規模な資金調達を検討中だと明言した。

米CoVenture社との合弁会社における「暗号資産ファンド」の設立について、すでに金融庁と交渉しており、実現する見通しだ。販売委託先は、SBI証券やSBIマネープラザになるという。

暗号資産の実需拡大に向けた取り組みとしては、出資先である、米企業店頭デリバティブの電子取引サービスである「クリアマーケッツ」とともに、スワップ市場の創設も準備中だと言及した。実現すれば、機関投資家による暗号資産および暗号資産デリバティブの利用・流動性向上が期待される。

マイニングチップ製造会社について

先日IRを出したマイニングの製造、ならびにマイニングシステムの開発を行うSBIマインニングチップ社を設立した件については、本格的な暗号資産マイニング体制の構築を完了(米国の大手半導体素子メーカーと連携)したと報告。

ロケーション、電力確保しており、今後の5G、IoTの普及拡大に伴う、データ送受信量の飛躍的増加による需要を見込むほか、健全な暗号資産市場の発展のため、公立的で信頼性が高く、持続可能なマイニング事業を通じて、世界シェア3割のハッシュレート獲得を目指すとした。

マイニング事業については、アーリーステージの投資を含めて、3Qに23億円の減損を出しているが、「来期は、ビットコイン価格が多少低迷しても、来期はトントンか黒字化を目指せるのではないか」とした。

マネータップについて

マネータップについては、「米Rippleに株主になってもらいたい」と言及。

出来るだけ多くの金融機関へ安価にマネータップのソリューションを提供することで、利用者の顧客便益性の飛躍的向上を図るとともに、国内金融機関からの出資受け入れがひと段落した段階で、技術連携の強化や国際送金に関する取り組み推進のため、米Ripple社からの出資受入も検討するとした。

マネータップは、キャッシュレス社会促進のため、低コストな決済ネットワークを24時間365日提供できることで、これまでの現金のやり取りは大幅削減され、ATMも今のような数が必要なくなることから銀行のコスト削減に貢献するサービスで、少額送金に関しては手数料ゼロの方針を掲げている。

QRコード加盟店決済サービスを2019年度より開始予定で、初期導入コスト0円とするほか、最短で決済日翌日の自動入金が可能(クレカは月2回入金が一般的)。 決済手数料0.5%〜(クレカは3〜5%が一般的)となる。

マネータップは、加盟店にとっての三重苦を解消し、地域の中小・零細事業者もキャッシュレスの恩恵を享受できるものになるという。

XRPおよびRipple社について

関心度の高い、仮想通貨XRP(リップル)に関しては、Cordaネットワークが2019年ローンチされることで、接続する銀行やフィンテック企業などがよりデータやデジタルアセットを簡単に移動することが可能になると言及。

新たに米Ripple社の役員となったばかりの北尾氏は、「今ある構想をRipple本体の役員会にぶつけていく」「R3社との橋渡し役としても貢献する」と意気込んだ。

さらに北尾氏は、決算説明会後の質疑応答で、リップル社の国際送金手段をグローバル・スタンダードとして普及させていくための役員としての目標として「世界中のコネクションを最大限活かして、銀行より先に”大手資金移動業者”との提携を目指す」と言及。

現在の200や300という単位に留まらず、10,000単位という規模の提携で、デジタルアセット版の「SWIFT」を作り上げると抱負を語った。

米Rippleは、アラブ諸国の銀行との提携を積極的に目指しているが、原油に関する多額の資金移動をXRPを利用して貰うようにするものだが、実際に成功している。

米リップル社が開発するXRPは、グローバル決済アプリCorda Settlerでサポートされる最初の暗号資産として、Cordaとの親和性が高い。

SコインプラットフォームでCorda Settlerを活用することで、より利便性の高いグローバルな決済プラットフォームへの移行を準備中としており、活用範囲の拡大を推進し、2025年開催の「大阪万博」での採用を目指す。

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