CoinPostで今最も読まれています

アフリカ・ジンバブエでビットコイン価格が一時800万円を超える | その理由と影響は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アフリカ・ジンバブエでビットコイン(BTC)価格が800万円超
ジンバブエにおけるP2P仮想通貨交換プラットフォームにおいて、一時ビットコイン価格が800万円の値を付け、580%の上昇を記録した。同国におけるハイパーインフレや外貨流出制限など原因を考察。

ジンバブエでビットコイン価格が一時800万円に達する

アフリカ・ジンバブエにおいて同国政府による外貨の締め出しを受け、P2P仮想通貨交換プラットフォームLocalbitcoinsにおけるビットコイン(BTC)価格が一時800万円に達したことが明らかになった。

その時点でのBTC/USDの価格が11,000ドル(約120万円)で推移していたため、580%のプレミアムがついたことになる。

出典:Bitcoinist

価格がここまで上昇した背景

アフリカの政治不安から仮想通貨、主にビットコインへの資金流入が観測されているが、価格がここまで大幅上昇したのはなぜだろうか。また、これは今後のマーケットにどの様な示唆を与えるのだろうか。

ビットコイン(BTC)需要がナイジェリアで急増する理由と、アフリカが仮想通貨市場に与える影響
今アフリカ・ナイジェリアでビットコインの需要が急増している。単純な価格変動の大きさだけでないその理由は何なのか。そしてそれが今後のビットコイン全体の市場にどう影響するのか。

上記記事より、アフリカ地域においてビットコインの需要が高まっている大きな理由は以下の2つである。


  1. インフレ下でボラティリティの高い自国通貨よりも安定性のあるビットコインへの資産避難
  2. 外貨規制後の外貨調達ブラックマーケットにて高レートで外貨を調達するコストを回避

以下の図より、ジンバブエは昨年よりインフレ率が急激に上昇している(IMFデータベース

一般的にインフレ率が2桁台に入ると「高い」と判断されるが、昨年のジンバブエのインフレ率は10.6%であった。

またそれに加え、ジンバブエ政府は暫定通貨RTGSドルを国の唯一の法定通貨(ジンバブエドル除く)として宣言したことが、現地時間6月24日同国政府の公式発表によって明らかになった

ジンバブエの取引において、英ポンド、米ドル、南アフリカ通貨ボツワナプラなど全ての外貨は今後、ジンバブエドルを除いて法定通貨ではなくなります。

RTGS(Real Time Gross Settlement)ドルは、2月22日に同国政府によって導入されたものの、その後米ドル建でのRTGSドル安が加速し、外貨制限を発表した前週までに60%も下落した。

これに対して、送金サービスを提供するSureRemit社のOlaoluwa Samuel-Biyi氏は、湾岸戦争時代に経済制裁下にあったイラクにおいて自国通貨のイラクディナールと外貨であったスイスディナールの関係と比較して以下の様に述べている。

仮想通貨は旧スイスディナールのデジタルバージョンであり、政府の同意なく歯止めが効かない状態で循環しているお金だ。ビットコインの利用とジンバブエでの価格上昇を見て欲しい。いたるところで言われている様に、「政府への完全な信仰」はもはやただの経済の専門用語でしかない。

外貨の制限がビットコインの利用を掻き立てる

外貨の制限はインフレを招くことは歴史が語っているが、それはミクロに見ると国民がどの通貨を利用したいのかという選択の問題が関わってくる。

政府は通貨をトップダウンで規制することができても、エンドユーザーたる国民が利用する際の利便性を考えると、価値交換性や価値保存性が確保できていなければその価値は下がり、自国通貨安になる。

その時、出口戦略となるのがビットコインの様な政府の規制を比較的受けず、国外とのやりとりが可能な通貨である。対外的にビジネスを行う事業者を中心にニーズが高まるためその価値は増加するのだ。

分散型取引所ビットスクエアにおける週間の取引出来高は6月29日にかけて1,070万ドル(約11.6億円)を記録し、これは前週の610万ドル(約6.6億円)から大きく上昇している。

ジンバブエでは昨年5月より仮想通貨の交換事業を行っている事業者がなく、仮想通貨との交換は基本的にLocalbitcoinsなどのP2Pプラットフォームを通して行われるOTC取引となる。

今回の異常なまでの局地的な高騰は、上記のようなベースの理由がありつつ、OTC取引のみしか存在しない同国の交換業の特性も相まって引き起こされた。

IMFデータベースによると2019年の年平均インフレ率は73.4%と推定されている。今後インフレがさらに加速すると、資金の仮想通貨への流入はさらに加速するだろう。

CoinPostの関連記事

ビットコイン(BTC)のハッシュレートが過去最高、bitFlyer新規登録再開を受け一時急反発|仮想通貨市況
仮想通貨BTCは1万ドル割れまで続落するも、bitFlyerの新規登録再開も材料視されて急反発。ハッシュレートが過去最高値の6900万TH/sを記録するなど、マイナーの増加と共に上昇傾向も見られた。
ビットコイン(BTC)急落で再び1万ドル割り込む 1億ドル相当のUSDT新規発行も影響は?|仮想通貨昼市況
ビットコインが二日連続の続落、一時1万ドルを割り込んだ。金融市場全体がリスク資産買いに再び動いたことが、BTC売りのタイミングと見られた。1億ドル相当のUSDT新規発行の影響も掲載。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
16:25
エルサルバドルのブケレ大統領、2024年再選を見据え職務離脱へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン支持者で知られる、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領が総選挙キャンペーンのため職を離れる。再選を目指す中で、国内政治のチェック・アンド・バランスの弱体化と、国際関係への影響を探る。
14:00
2024年に半減期を迎えるビットコインは1835万円到達、Matrixport分析
Matrixportによる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格予測を深掘り。2024年に1835万円到達の可能性、歴史的なデータ分析、マクロ経済要因と地政学的影響を詳細に解説。ビットコイン投資の未来を探る。
13:00
米サークル社、「テロ資金調達への関与はない」
ステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社は、公開書簡を米議員らに提出。テロ資金など不正金融への関与はないと強調した。
12:00
イーサリアム運用で高利回りを実現、Cegaのデュアルカレンシー戦略とは?
セガ・ファイナンスが新しいオプション戦略「デュアルカレンシー」を発表。暗号資産(仮想通貨)イーサリアム、stETH、USDCホルダーに向けて、年利22%以上の収益を提供。この戦略は、リスクを最小限に抑えつつ、市場での高い固定利回りを実現する。
10:45
コインベースCEOがBaseトークン発行を否定 ソラナなどの統合計画も
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、イーサリアムL2「Base」に関する展望について話した。独自トークンや取引高速化について説明している。
09:55
コインベース・マイニング株大幅高、ビットコイン年初来高値更新|2日金融短観
本日のNYダウは+294.6ドルと続伸し、債券市場は反発した。この日にパウエル連邦準備制度理事会議長の発言からトーンダウンが示唆され2024年にFRBが利下げに動くとの観測がますます広がった格好だ。
08:30
Starknet独自通貨の無料配布、スナップショット実施済み
仮想通貨イーサリアムのL2「Starknet」は今週SNSで出回っていたSTRKトークンのエアドロップのスクリーンショットの真贋を確認し権利獲得にあたるスナップショットはすでに実施されたことを明かした。
07:20
ビットコイン価格は24年に上昇加速か=グレースケールレポート
仮想通貨運用会社グレースケールは、2023年11月版の市況レポートを公開。2024年は複数の条件が重なることによって、ビットコインの価格に上昇圧力がかかる可能性があるとの見解を示している。
06:50
ビットコインETFの上場申請めぐり今週3社目のSEC面談、専門家が承認楽観視
米SECは、GBTCから現物型ビットコインETFへの転換申請について、今週29日に申請側のグレースケール(2度目)と会議を行ったことが判明した。仮想通貨ビットコインは年初来高値を更新した。
06:00
ソラナDEX「Jupiter」、仮想通貨JUP無料配布の事前確認ページ公開
ソラナ基盤の分散型取引所アグリゲーター「Jupiter Exchange」は独自トークン「JUP」の無料配布(エアドロップ)計画について、事前確認の公式ページを公開した。
12/01 金曜日
17:41
「暗号資産の投資状況と確定申告」に関する調査、年内取引で約7割が利益
Aerial Partnersが2023年の暗号資産取引調査結果を公開。ビットコインなどの現物取引だけでなく、PoS銘柄のステーキング利用度が高まりつつあり、利益を出している投資家増加に伴い「確定申告」の必要性も上がっている。
16:03
米投資会社タイガー・グローバル、BAYCやOpenSea投資の評価額を大幅下方修正
タイガー・グローバル・マネジメントが、有名なNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」(BAYC)と主要なNFTマーケットプレイスであるOpenSeaへの投資により、大幅な含み損を抱えていると報じられた。同社の直近の投資動向と報告内容についてまとめる。
16:00
「ビットコインがもたらす革命をSNSへ」Nostrasia特集を配信
第10回のGM Radio:Beyond The Priceは11月22日に公開。今回は11月に東京などで開催されたイベントNostrasiaを特集した。
14:00
「イルビウム」、eスポーツチームTeam Liquidと提携
Web3ゲームIlluviumは、世界最大級のeスポーツチーム「Team Liquid」と提携すると発表した。独自NFTのリリースやトーナメント開催を予定している。
13:21
4年越しの復帰、bitFlyerの加納CEOが“世界と戦う”ために求める人材は?
国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するbitFlyer HD加納裕三CEOに独占インタビュー。bitFlyerの強みや求める人材、ビットコインETFの影響について注目される暗号資産市場の展望について伺った。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア