はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

Intmaxメインネット始動 手数料ほぼゼロでプライバシー保護するETH決済レイヤー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

5バイトで実現する次世代決済

Ryodan Systems AGは6月26日、ステートレス設計を採用したEthereumレイヤー「Intmax」のメインネットローンチを発表した。

同プロトコルは、オンチェーンデータを極限まで削減することで、ネットワークの混雑時においても超低コストかつプライバシーを保護した決済を実現する。

Intmaxの技術的基盤には、2017年に理想的なスケーリング解として注目された「Plasma構想」がある。当時、最も本質的なLayer2アーキテクチャとされながらも、技術的課題により実用化が困難とされていたPlasmaの理念を、Intmaxは現実的な形で初めて実装することに成功した。

Plasma(プラズマ)とは

Plasma(プラズマ)とは 2017年8月にVitalik Buterin氏とJoseph Poon氏によって考案されたEthereumのスケーリング手法。スマートコントラクトの計算をメインチェーンではなく子チェーンで実行することで、処理速度の向上を図る技術である。

▶️仮想通貨用語集

トランザクションあたり約5バイトの革新的設計

Intmaxの最大の特徴は、トランザクションごとに必要なオンチェーンデータがわずか約5バイトという点にある。一般的なLayer2ソリューションがオフチェーン処理や圧縮によってスケーラビリティを追求するのとは根本的に異なるアプローチである。

この約5バイトのデータのみで動作するステートレス設計により、ネットワークの混雑や高額なガス代から解放されながらも、Ethereumのセキュリティモデルと完全に連動する。さらに、送金履歴やアカウント残高といった個人情報がチェーン上に露出することなく処理され、決済に求められるプライバシー保護が実現される。

また、ユーザーがプライバシーを守る活動に貢献することで報酬を得られる「Privacy Mining」メカニズムも導入。匿名性と報酬を両立させ、分散型ネットワークの健全な成長を促進する。

技術評価と決済市場での展望

Ethereum Foundationの研究者Justin Drake氏は、「ある意味では、ZKロールアップよりも効率的である」と評価。同氏は特に、「チェーンが実際には、資金を引き出すときの最後のタイミングまでSNARK(ゼロ知識証明)を検証していない」点を画期的な特徴として挙げている。

ゼロ知識証明とは

証明(Proof)プロトコルの一種。証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズムのこと。

▶️仮想通貨用語集

Ethereumの共同創設者Vitalik Buterin氏も、Intmaxを「ハイブリッド型のPlasma/Rollup」の一例として言及。「ユーザーごとにごくわずかなデータ(例えば5バイト)だけをオンチェーンに載せることで、PlasmaとRollupの中間のような特性を得ることができる」と説明している。

日置玲於奈氏は「プライバシーもO(1)に近いスケーリングも欲しいという貪欲な姿勢が、このIntmaxの新しいアドレス空間を作り出した」とコメント。藤本真衣氏は「ブロックチェーンは本来、誰もが自由に使えるものであるべき。プライバシーは『自分の身を守るために不可欠なもの』だと考えている」と述べた。

関連:INTMAX、イーサリアム上で世界初のステートレスL2決済ソリューションをテストネットでローンチ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入量24万BTC超えも、価格には反映されず その理由は?
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧