はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

金融庁、仮想通貨交換業者に対する「コールドウォレット」管理を厳格化へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融庁がコールドウォレットの徹底を求める
金融庁は、国内で昨年発生した巨額の仮想通貨不正流出事件でホットウォレット管理だった教訓を踏まえ、コールドウォレットでの仮想通貨管理を徹底するよう求めた。

金融庁がコールドウォレットの徹底を求める

ロイターの報道によれば、金融庁は仮想通貨交換業者に対し、インターネットに接続しない「コールドウォレット」での仮想通貨管理を徹底するよう求めたことがわかった。

国内の仮想通貨流出リスク対応としては、昨年末の自主規制団体「JVCEA」の設立に始まり、顧客の返還請求権を『優先弁済対象』にする案が、内閣府副大臣らを招いて開催された金融庁の「金融審議会」で提起されるなど、利用者保護の強化を最優先に掲げている。

ネット上に接続されたホットウォレットは、利用客の引き出し依頼に即応できるなど利便性のメリットがある一方で、サイバー上の通帳を管理する”実印”としての役目を持つ、「秘密鍵」の不正流出によるハッキング被害に遭うリスクが生じる。

2018年1月と9月に、大量の仮想通貨が不正流出したコインチェック事件も、Zaif事件も、ホットウォレット上で管理していた仮想通貨が狙われた。

これらの事件を踏まえ、日本政府および金融庁は、仮想通貨を管理する際の社内規則の厳格化を図るとともに、先日閣議決定された「資金決済法」や「金融商品取引法」の改正案などで法整備を進めている。

コールドウォレットは万能ではない

一方で、コールドウォレットによる管理も、全てにおいて万能なものではない。

例えば、顧客の出金依頼に応じる際、コールドウォレットからホットウォレットに移す際の目視確認など対応するためのプロセスが増えることで、迅速な対応ができず利便性を損ねるなど、トレードオフの関係にある。

外部からのサイバー攻撃に強いものの、内部犯によるセキュリティリスクも内在しており、金融庁はこの点においてもセキュリティー対策を徹底するよう通達している。

また、福田委員(東京大学大学院経済学研究科教授)は、金融庁の「金融審議会」における金融の新しい流れに言及する過程で、以下のように述べている。

海外(カナダの大手仮想通貨取引所QuadrigaCX)では、コールドウォレットで保管していた仮想通貨(1.5億ドル相当の仮想通貨)が引き出せなくなった事例も確認されている。コールドウォレットから引き出すための「秘密鍵」を知っていた唯一の管理者が急死してしまったことが原因だ。

このような想定外も起こり得るため、頭をフレキシブルに持ち、対応策に関しては不断に見直していく必要性がある。

とは言え、国内でもホットウォレットからの大規模不正流出事件が立て続けに発生した以上は、サービスの利便性よりも取引の安全性確保は最優先課題だ。今後は、コールドウォレット運用の徹底を図りつつ、いかに競合他社より快適なサービスを顧客に提供できるかも重要となりそうだ。

取引所側も独自の対策

仮想通貨交換業者も、金融庁の指示をただ待っているだけではない、豊富な金融ノウハウを有する大手企業を中心に独自の対策を施している。

国内No.1ネット証券を抱えるSBIホールディングスは1月下旬、100%子会社の「SBIクリプトインベストメント」を通じて、安価で強固な仮想通貨コールドウォレットを開発する、スイスのツークに本社を置く「Smart Cash AG」への出資を発表した。

スイスのSmart Cash社は、ブロックチェーン技術アプリの開発企業で、同社が開発する「Tangem Notes」は、低価格での生産が見込まれている薄型コールドウォレットだ。

出典:tangem.com

交通インフラの土台作りも、まずは信号機やガードレールの設置、道路の舗装などの交通整備から始まる。債務超過が懸念される日本の将来における税収増など、国益につながるイノベーションの健全な発展を目指すためにも、迅速かつ適切なルール作りは欠かせない。

CoinPostの関連記事

レジャーナノ(Ledger Nano S)の使い方|仮想通貨を安全に管理する方法
仮想通貨取引所のハッキングリスクが問題になる中、仮想通貨資産を安全に保管できるコールドウォレット『Ledger Nano S(レジャーナノS)』の購入方法や初期設定方法、リップル(XRP)の送金・入金方法など使い方を詳しく解説。26種類の対応仮想通貨一覧もあるので、参考にどうぞ。
世界初のブロックチェーン・スマホ「FINNEY」レビュー|仮想通貨コールドウォレットの利便性が大幅向上
ベンチャー「Sirin Labs」が発売した、世界初となるブロックチェーン・スマートフォン「FINNEY」。気になるスペックや特徴など、それら詳細をレビューした。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/28 月曜日
14:00
ステーブルコインの未来はオムニチェーン アジアの金融革命を加速させる相互運用性の必然|Four Pillars
ステーブルコインの総供給量は2025年2月に2250億ドルに到達し、前年比63%の急成長を遂げる中、相互運用性が次なる進化の鍵となっている。LayerZeroのOFT標準を採用したTether、PayPal、Ondoなどの先進事例を参考に、アジア市場は単なる発行にとどまらない相互運用性戦略の構築が不可欠な段階に。
13:51
デロイト「トークン化不動産市場は10年後までに4兆ドル規模に急成長し得る」
デロイトの最新レポートによると、ブロックチェーン技術を活用したトークン化不動産市場は年平均27%で成長し、2035年には575兆円規模に達する見込みだ。私募ファンド、証券化ローン、不動産開発の3領域での展開事例を紹介している。
13:40
コインチェック、X不正ログインによりサービス全停止の緊急対応
暗号資産取引所コインチェックが公式Xアカウントへの不正アクセスを受け、フィッシング被害防止のため全サービスを一時停止。再開時期は未定で、顧客に不審URLのクリック回避を呼びかけている。
12:10
米ProShares、XRP先物ETF3種を上場へ レバレッジ型とインバース型を提供
米ProSharesが新たに仮想通貨XRPの先物ETF3銘柄を上場予定だ。2倍レバレッジ型、ショート型などを提供する。現物ETF承認への期待も高まる中、市場への影響が注目される。
11:50
ビットコイン93000ドル台で高止まり、チャイナマネーなど相場転換の主要因は?
週明けのビットコイン市場は9万3000ドル台で高値維持。世界の流動性増加、金と仮想通貨の相関性、米中貿易戦争に伴う中国マネーのシフトがアルトコイン弱気相場からの転換要因に。専門家は市場の「デジタルゴールド」としての性質に注目される。
04/27 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、米CMEのXRP先物提供やSOLの企業購入事例など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン10万ドルも視野、貿易摩擦懸念緩和が支援材料に|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏によるビットコイン週次レポート。ドル安進行と米中関係改善期待を背景にビットコインは200日線を突破し三役好天を形成した。今後の重要経済指標と共に注目される節目の10万ドル到達の可能性を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金の最高値とBTC上昇の関係に高い関心
今週は、金の最高値更新と仮想通貨ビットコインの価格上昇の関係分析、ビットコイン価格とM2マネーサプライの相関関係、42,000BTC保有予定の21キャピタル設立に関するニュースが最も関心を集めた。
10:00
Sui(スイ)ブロックチェーンのDEX「Cetus AMM」の使い方、ウォレット準備から取引まで
Suiブロックチェーン上の主要DEX「Cetus AMM」の使い方を解説。OKJでのSUI購入からウォレット設定、Walrus(WAL)を想定した、トークンスワップの使い方まで初心者にもわかりやすく紹介します。
04/26 土曜日
13:20
米ナスダック、SECの仮想通貨規制緩和を歓迎も有価証券分類の明確化求める
米ナスダックがSECに対し、仮想通貨が「実質的に株式」である場合は同等の規制を適用すべきとのコメントレターを提出した。
11:40
世界初のXRP現物ETF、ブラジルで先行取引開始 米国承認前に実現
ブラジル証券取引所B3で世界初のXRP現物ETF「XRPH11」の取引が4月25日に開始。Hashdexが運用する本ファンドはナスダックのXRP指数に連動する。
11:25
スイス中銀総裁がビットコイン準備金提案に反対表明、国民投票イニシアチブの行方は
スイス国立銀行総裁が、ビットコインは準備金として不適合だとの見解を示した。一方で国民投票を目指す「ビットコイン・イニシアチブ」は署名活動を継続中だ。
11:15
オソフ上院議員が批判 トランプ大統領のミームコイン晩餐会は「弾劾されるべき違反」
ジョージア州代表のオソフ上院議員がトランプ大統領のTRUMPコイン保有者向け晩餐会を「弾劾に値する犯罪」と批判。上位220名の保有者を招待する計画に対し、民主党議員からは利益相反の懸念が高まり、SECへの調査要請も行われている。
10:45
「1000万BTC保有でも問題なし」─アモウズ氏、ストラテジー社のビットコイン寡占懸念を一蹴
サイフェディアン・アモウズ氏が、企業によるビットコイン寡占リスクについて見解を示した。トランプ関税政策を批判し、ビットコインによる米国債務問題の解決策についても言及している。
10:15
世界経済の不確実性はビットコインにとって追い風=ブラックロック幹部
ブラックロックの幹部が世界経済の不確実性がビットコインの価値上昇につながると指摘。フィンクCEOは先月、米国の債務管理失敗によりドルの準備通貨地位がビットコインに奪われる可能性を警告。市場の地政学的分断が進む中、低相関資産としてのビットコインの役割が注目される。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧