Optimism(OP)とは?
Optimism(OP)はイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するレイヤー2ソリューション。2022年6月1日に独自トークン(OP)を正式にローンチした。
オプティミスティック・ロールアップ技術を採用している。オフチェーンでの取引結果をイーサリアムに送信する際に楽観的に(不正がないとして)メインネットにまとめてデータを送り、メインネットへのデータ送信後に不正証明で悪意のあるノードによる不正がないか検証することで、セキュリティ性を高めている。
Optimismはイーサリアムメインネットの混雑を避けるのと同時にガス代を安くすることに成功している。
価格
- 現在価格(2025年1月20日時点):1.68ドル(約260円)
- 昨年年初来高値(2024年3月):4.86ドル(約760円)
- 年初来騰落率(YTD):-7.69%
- 過去最高値(2024年3月):4.86ドル(約760円)
価格予測
24年9月:グレースケールが10〜12月に期待する仮想通貨トップ20 新たにSuiやOptimismなど6銘柄がランクイン
時価総額|関連銘柄
Optimism(OP)の時価総額は2025年1月時点で約22億ドル、「レイヤー2」セクターの中では4位に位置する。同セクターで1位のポリゴン(ex-MATIC)の時価総額は約37億ドル。2位のマントル(MNT)の時価総額は約32億ドル。Optimism以降は、ブロックスタック(STX):約21億ドルが追従する。
主な出来事
- 2022年6月:イーサリアムL2「Optimism」、OPトークンをローンチ
- 2022年6月:イーサリアムL2「Optimism」のOPトークン、23億円相当が不正取得の被害に
- 2023年4月:大手VCのa16z、イーサリアムL2「Optimism」のクライアントを開発へ
- 2023年5月:大型トークンアンロック OptimismとSui Networkの流通量が急増する見込み
- 2023年6月:Optimismの大型アップグレード「Bedrock」、実装完了
- 2023年10月:OptimismがFault Proof機能をテストネットにローンチ セキュリティ向上へ
- 2024年1月:オプティミズム財団、モジュラーL2「Mode」を200万OPトークン付与で支援
- 2024年8月:オプティミズム、9月にハードフォーク予定
エコシステム支援組織
Optimism財団: Optimismのプロジェクトを主導する非営利組織。オンチェーンでの投票を通して意思決定がされるため透明性が非常に高い。ガバナンス指導などOptimism Collectiveに対して多様なサポートをしている。
Optimism Collective: 企業やコミュニティ、個人の集まりでOptimismプロジェクトを支援する。ガバナンスは二院制を採用し、ガバナンスシステムの抑制と均衡を保っているため高い民主性でガバナンス統治が行われている。
トークンアロケーション

出典: OPTIMISM GOV
初期供給量は4,294,967,296OP。その内の64%がコミュニティに配布されている。
OPのトークンアロケーションは以下の項目で分配されている。
- エコシステム基金25%: プロジェクトやコミュニティへの資金提供でエコシステムの発展を目的としている。
- Retroactive Public Goods Funding(RetroPGF)20%: 公共財への新しい資金提供方法で、将来の貢献ではなく過去の実績に基づいて報酬を与えるメカニズムが採用されている。
- ユーザーエアドロップ19%: ユーザーに対する報酬を複数回に分けて割り当てられる。
- Core Contributors19%: Optimism Collectiveの設立に尽力した創設メンバーに割り当てられる。
- Sugar Xaddies17%: Optimismへ資金提供をした投資家。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2025年1月時点、OptimismのTVLは、5.9億ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- AAVE V3(1.8億ドル):レンディングプラットフォーム。第三者の仲介なしで仮想通貨の貸し借りをすることが可能。フラッシュローンや信用委託制度など資産運用で便利なシステムが多く導入されている。
- Synthetix(1.1億ドル):分散型デリバティブ。暗号資産取引ツールのSynthetix Exchangeを活用することで最大50倍のレバレッジ取引をすることができる。
- Velodrome(0.7億ドル):DEX(分散型取引所)。Uniswapなど主要な分散型取引所の長所を組み合わせて設計されたAMM(自動マーケットメイカー)が魅力。
出資している主なVC
- 資金調達総額: 約2.7億ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2022年3月、1.5億ドルのシリーズBラウンド)
- 投資家: Andreessen Horowitz(a16z)、Paradigm
Optimismの将来性
ロードマップ
2025年に向けたOptimismの動向でガバナンスに関してはこちらのフォーラム、スーパーチェーン構想に関してはこちらのフォーラムから確認できる。
助成金プログラム(RetroPGF)の2025年に向けた目標
- クロスチェーンでの資産転送の推進とスーパーチェーンのエコシステム、相互運用性を強化するプロジェクトへ報酬を分配。
- オンチェーンアプリ開発の基盤となる開発ツールなどソフトウェア開発へ報酬を分配。
スーパーチェーン構想に対するOptimism財団のビジョン
- チェーンを標準化し、大規模な分散化と高い拡張性を可能にする
- 1000以上のチェーン数まで拡大し、トランザクション速度を高速かつガス代を安くする。
- ガバナンスでスーパーチェーンのセキュリティを保証する
- ガバナンスによる持続可能な成長と発展のためのサポートを強化する
2025年に向けてOptimismはスーパーチェーンをDeFi(分散型金融)における最適なネットワークとするために、アプリケーションの簡単な構築ができる開発ツールとブートストラップ、スーパーチェーンの相互運用性の向上を目指している。
期待される今後の動向
スーパーチェーン構想
「Optimism Superchain」とは、Optimismをレイヤー2ソリューションからプラットフォームへ変化させる構想。ユーザーがイーサリアム上で安く取引でき、レイヤー2エコシステムにおける相互運用性をアップグレードすることを目的としている。
Optimismが提供するレイヤー2構築ソフトウェアの「OP Stack」はOptimismロールアップと呼ばれるロールアップ技術を活用したレイヤー2ブロックチェーンをユーザー自身で開発することができる。この「OP Stack」を採用したブロックチェーン群をまとめてスーパーチェーンと呼ぶ。
各チェーンはセキュリティや技術スタックが共有され、Optimistic Collectiveによって管理される巨大なエコシステムが構築される。
すでにBaseやWorldcoinの参加が発表されており、今後の動向が期待されている。
投資リスク、懸念材料
イーサリアムのスケーラビリティ改善を目的としたレイヤー2ソリューションが多く誕生し、競合が増加している。
中には、ゼロ知識証明技術を採用し、高速な取引速度と非常に高いセキュリティを実現しているプロジェクトやWASM(ウェブアセンブリ)でコンパイルでき、開発サポートが強化されているプロジェクトなど今後も競合が増加することが予想されている。
これら競合に対してOptimismがどのようにエコシステムを拡大させていくのか、注目する必要がある。