レンダー(RNDR)とは
レンダー(RNDR)はユーザーにGPU計算能力の貸し出しをするレンダーネットワークが発行するユーティリティトークン。AIやメタバースなどに関連して近年のGPU市場の拡大で急速に需要を伸ばしている。
レンダリングとはデータを処理もしくは演算することで、レンダーネットワークではユーザーがレンダリングを実行する際に決済通貨としてRNDRが使用される。
レンダーネットワークでは独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of Render」を採用している。ネットワーク参加者がレンダリング作業を実行し、チェーンの検証と報酬を獲得することができる。
ネットワークの特徴は、GPUオーナーがGPU計算能力をネットワークに提供し、クリエイターなど高性能なGPUを必要とするユーザーがその計算能力を借りてレンダリングできる。レンダリングサービスにブロックチェーンを活用することでセキュリティ性が非常に高く、耐障害性、コストの削減など多くのメリットがある。
価格
- 現在価格(2024年11月15日時点):6.6ドル(約1030円)
- 年初来高値(2024年3月):13.6ドル(約2130円)
- 年初来騰落率(YTD):+81.54%
- 過去最高値(2024年3月):13.6ドル(約2130円)
価格予測
24年2月:分散型GPU・AIのRender Network フレーム数とRNDR使用量が前年比倍増
時価総額|関連銘柄
レンダー(RNDR)の時価総額は2024年11月時点で約26億ドル、「人工知能(AI)」セクターの中では5位に位置する。同セクターで1位のNEAR Protocol(NEAR)の時価総額は約66億ドル。レンダー以降は、The Graph(GRT):約16億ドルが追従する。
主な出来事
- 2023年9月:bitbank、国内初となるレンダートークン(RNDR)上場を発表
- 2024年2月:分散型GPU・AIのRender Network フレーム数とRNDR使用量が前年比倍増
- 2024年7月:グレースケール、仮想通貨NEARやRNDRなどに投資する分散型AI関連ファンドを販売開始
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エコシステム支援組織
レンダー財団: レンダーネットワークの運営を行う非営利団体。レンダー財団の親会社はOTOY社。コミュニティの成長に力を入れており、助成金の提供を行っている。
運営やガバナンスはレンダートークンを保有するコミュニティメンバーも参加することが可能で、独自のガバナンスシステムのRNP(Render Network Proposal)システムが導入されている。RNPはレンダーネットワークで具体的な変更が行われる仕組みでコミュニティがレンダーネットワークの方向性について意見やフィードバックを提供するのに使用できる形式。
OTOY社:レンダリングソフトの開発会社。2008年に設立され、米カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置く。OTOY社が提供するOctaneRenderの強化のためにレンダーネットワークを開発した。
投資家にはソフトウェア会社のオートデスク社や物理学者兼投資家のユーリ・ミルナー氏がいる。
アドバイザーにはGoogle元CEOのエリック・シュミット氏やプログラミング言語JavaScriptの生みの親であるブレンダン・アイク氏、元IBMのCEOサミュエル・J・パルミサーノ氏、実業家のアリ・エマニュエル氏などがいる。
トークンアロケーション
出典:ICODROPS
出典:ICODROPS
レンダーの初期トークン配分は、財団65%、トークンセール21.1%、チームとアドバイザーに10%、プライベートラウンド3%、パブリックセール0.9%の比率となっている。
65%のエスクロートークンはサードパーティのアカウントにて保管される。初期のパブリックセールやプライベートセールではほとんどのトークンが会社やチームには発行されなかった。
トークンセールはイーサリアムブロックチェーン上で2017年の10月から開始され、イーサリアムスマートコントラクトで発行された。その後数ヶ月間、非公開セールが行われた。
CoinMarketCapによると、レンダーの最大供給量は6億4417万トークンで総供給量は5億3245万トークン、循環供給量は5億1769万トークンとなっている。
- 資金調達総額:約4700万ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2021年12月、3000万ドルの戦略的資金調達ラウンド)
- リードインベスター:Multicoin Capital
- フォロー投資家:Solana Ventures、Sfermion、Vinny Lingham、Bill Lee、Alameda Research
レンダーの将来性
ロードマップ
レンダー財団の公式サイトにロードマップが掲載されている。
コミュニティの意見とガバナンスプロセスに沿って、ロードマップはフィードバックなどが随時組み込まれ、必要に応じて更新される。
- バーン・アンド・ミント均衡(BME)の実装とソラナチェーンへの移行(2023年11月に移行済み)
コミュニティのフォーラムで承認されたBMEモデルの採用などを行う。BMEモデルとはユーザーがノードオペレーターを通じてネイティブトークンのRNDRを初定量バーンされる経済モデル。トークンの供給を動的に調整し、トークン価値の安定化を図ることが可能。2023年11月にイーサリアムチェーンからソラナチェーンへ移行し、BMEモデルの実装がサポートされる。 - コミュニティ参加の改善
コミュニティのディスカッションプラットフォームをDiscordからDiscourseへ移行する。DiscourseはRNP(Render Network Proposal)システムのディスカッションに適した設計がされており、UX(ユーザー体験)の向上が期待される。
助成金システムがアップデートされ、コミュニティの提案やプロジェクトにレンダー財団から助成金が部分的に提供される。
期待される今後の動向
GPUを活用する分野の発展
現在、GPU処理能力を必要とする分野が急速に発展している。AI(人工知能)の計算処理やブロックチェーンのマイニング、動画編集や3Dアート、NFTの作成などのグラフィカルな作業など、GPUを必要とする領域の市場が急速に拡大している。
レンダリングサービス自体は急増しているが、ブロックチェーンを活用してGPU性能を借りることができたり、レンダリングを活用した独自のコンセンサスアルゴリズムを採用するなど特異性のあるレンダーの需要が高まることが期待される。