CoinPostで今最も読まれています

GPUリソースを効率活用するRender Network、仮想通貨レンダートークン(RNDR)とは? 9月7日、bitbankに国内初上場予定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Render Network(RNDR)の概要

Render Networkは、分散型のクラウドレンダリングプラットフォームであり、GPU(Graphics Processing Unit)の余剰計算能力を持つ人々と、その力を求めるクリエイターをマッチングする市場を形成している。

自動化された評価(レピュテーション)システムとタスク割り当てメカニズムを採用しており、急増しているGPUリソースの需要に応える形で効率的な運用が可能となっている。

GPUの所有者はRender Networkを通じて、クリエイターにその計算能力を貸し出し報酬を得る。クリエイターは、必要なレンダリング能力を手軽に確保できる。Render Networkによれば、従来のレンダリング手法に比べて、映画クオリティの作品を数分の一の時間で生み出せるという。

レンダリングとは

レンダリング(rendering)とは、コンピューターがデータを処理して物体の形状や質感、光源などを高品質な画像や映像、音声として再現する技術。3Dアニメーション、ゲーム・メタバース開発、動画制作、ウェブサイトのデザインなど、多くのクリエイティブ分野で用いられている。

▶️仮想通貨用語集

新たなテクノロジーの進展、例えば高性能コンピューティング、AI(人工知能)、機械学習、ブロックチェーン、仮想通貨マイニング、自動運転などが、GPUの需要を急速に高めている。市場調査会社Mordor Intelligenceによると、GPU市場は2023年の約4168億ドルから、2028年には1兆7208億ドルへと大きく成長する見込みで、年平均成長率(CAGR)は32.70%にも達するという。

このような状況下で、GPUリソースを効率的に活用し、分散させるソリューションとして、Render Networkの存在意義と関心は高まっている。

仮想通貨レンダートークン(RNDR)

暗号資産(仮想通貨)レンダートークン(RNDR)は、Render Networkのユーティリティトークンとして、イーサリアムのERC-20規格で発行された。このトークンは、サービスの利用料金の支払いや、プラットフォームの運営方針に対する投票(ガバナンス)に使用される。また、GPU所有者は、Render Networkのノードオペレーターとして活動し、計算リソースを提供することで、RNDRトークンを報酬として獲得する。

大手仮想通貨取引所bitbankは2023年9月4日、レンダートークン(RNDR)の取り扱い計画を発表した。RNDRトークンの国内での取り扱いはこれが初めて。9月7日より取引所および販売所で売買可能となり、取引手数料無料キャンペーンも開催する。

OTOY, Inc.と「OctaneRender」

Render Networkは、クラウドグラフィックスの先駆者である米国企業OTOY, Inc.の支援を受けているWeb3プロジェクトだ。Jules Urbach(ジュール・アーバック)氏はOTOYだけでなく、Render Networkの創業者兼CEOでもある。

OTOYのフラッグシップ製品である「OctaneRender」は、GPUを活用した高性能なレンダリングエンジンとして広く知られている。このエンジンは、ビジュアルエフェクトスタジオ、アーティスト、アニメーター、デザイナー、建築家、エンジニアなど、多くのプロフェッショナルに信頼されて使用されている。

2017年に設立されたRender Networkは、OctaneRenderをさらに強化する目的で生まれた。具体的には、イーサリアム・ブロックチェーンで発行されたユーティリティトークン「RNDR」を用い、OctaneRenderのレンダリング能力を拡張し、点在するGPUリソースを取り込むねらい。

プロジェクト全体のデータ検証と支払い処理はイーサリアム・ブロックチェーンに依存しており、これによって透明性とセキュリティが確保されている。さらに、3Dレンダリング作業では、オープンソースのORBXメディア・ストリーミング・フレームワークと連携することで、効率的なレンダリングが可能となる。

Render Networkは、2017年から2018年にかけてのパブリックセールとプライベートセールでの成功を受け、2020年4月に正式に公開された。さらに、2021年12月には、Multicoin Capitalが主導する投資ラウンドで3000万ドル(当時約35億円)を調達した。

Render Networkのアドバイザリーボードには、グーグルの前CEOであるエリック・シュミット氏をはじめ、Basic Attention Token (BAT)を擁する次世代ブラウザ「Brave」、及びMozillaの共同創設者であるブレンダン・アイク氏も名を連ねている。

サービス設計

GPU所有者は、特定のノードソフトウェアを自身のマシンにインストールすることでRender Networkに参加できる。タスクが市場に送信されると、独自のマッチメイキングアルゴリズムが、GPUのスペックや地理的位置、所有者の評価などを考慮して最適なプロバイダーに割り当てる。ここで、RNDRトークンがレンダリング作業の報酬として用いられる。

Render Networkは、ネットワークの信頼性を保証するために独自の「Proof of Render」を構築。ベンチマークテストや自動スコアリングなどを通じて各ノードの性能を評価する。低品質な成果物や、不正な行為が疑われる場合、該当ノードはフラグ付けされる。

Render Networkでは、タスクの複雑性や緊急性、利用可能なリソース量などを考慮した、動的な価格設定モデル(ダイナミック・プライシング)を採用している。さらに、多層価格(MTP)プロトコルが設けられ、クリエイターは、信頼性や優先度に応じてティア1(信頼できるパートナー)、ティア2(優先)、ティア3(エコノミー)から選択できる。

このような設計により、Render Networkはクリエイターに適正価格で高品質なレンダリングサービスを提供し、同時にGPU提供者にもその貢献に見合った報酬を保証している。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧