チェーンリンク(LINK)とは
チェーンリンク(LINK)のプロジェクトは、ブロックチェーンのスマートコントラクトと外部データをつなぐことに取り組んでいる。ブロックチェーンは、単体ではネットワークの外にある情報にアクセスできないため、チェーンリンクのようなプロジェクトが必要になる。
この分散型エコシステムのネイティブトークンが「LINK」で、発行主体は「チェーンリンクラボ(旧スマートコントラクト社)」。発行が開始されたのは17年9月で、LINKはノードの報酬や担保に使われている。チェーンリンクの魅力の1つが大手の企業や金融機関に技術が採用されていることだ。
価格
- 現在価格(2024年8月16日時点):10.28ドル(約1,530円)
- 年初来高値(2024年3月):21.74ドル(約3,240円)
- 年初来騰落率(YTD):-33.96%
- 過去最高値(2021年5月):52.88ドル(約7,880円)
価格動向
23年7月:ビットコインの取引所クジラ比率が警戒水準に、チェーンリンクは前日比20%高
24年2月:チェーンリンク続伸で時価総額トップ10入り RWAトークン化のトレンド
時価総額
チェーンリンク(LINK)の時価総額は2024年8月時点で約63億ドル、「オラクル」セクターの中ではトップに位置する。同セクターで2位のPyth Network(PYTH)の時価総額は約10億ドル。以降は、UMA(UMA):約1.6億ドルが追従する。
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主な出来事
- 2022年5月:米グレースケール、5つの仮想通貨投資信託がOTC新規上場
- 2022年9月:チェーンリンク(LINK)、SWIFTの実証実験に参画
- 2022年12月:仮想通貨チェーンリンク(LINK)、ステーキング機能実装へ
- AAVE(100億ドル):融資プロトコル。ERC20トークンを担保として預け入れることで、保証金の一定割合を借り入れできる。または保有資産を貸し出すことで金利を稼げる。
- Spark(26億ドル):融資プロトコル。MakerDAOコミュニティの一部として運営され、DAIのためのDeFiインフラであることが大きな特徴。ユーザーはDAIを提供して金利を稼いだり、イーサリアムなどを保証金にして一定割合のDAIを借りたりすることができる。
- Venus Core Pool(14億ドル):融資プロトコル。「Venus Protocol」のプロジェクト名で知られ、2020年にBNBチェーンにローンチし、イーサリアムなどのブロックチェーンにも対応している。Venus Core PoolはVenus Protocolのプールの1つ。
- ICO資金調達総額:3,200万ドル
- ICOの時期:(2017年9月にプライベートセールとパブリックセールを実施)
- 主な投資家:Framework Ventures、Hashed Fund、Fundamental Labs
エコシステム支援組織
チェーンリンクラボ:2014年に設立された企業で、旧名はスマートコントラクト社。チェーンリンクのプロトコルは、チェーンリンクラボが17年9月に開発した。世界的に分散されたチームから成り、資本市場やWeb2、Web3などの出身者で構成される。リサーチを行ったり、ブログを定期的に公開したりして、教育活動にも取り組む。
チェーンリンク財団:あまり情報が公開されていないが、チェーンリンク財団もエコシステムを支援している。23年8月には株式会社フィナンシェが、チェーンリンク財団と技術提携したことを発表した。
トークンアロケーション
チェーンリンクは、2017年9月19日から行われたICOで、総供給量10億LINKの35%に相当する3.5億LINKが初期投資家に販売された。残りの発行分は30%が開発・運営企業に、35%がノード運営者に配分されてる。
2017年以降は周期的に市場にリリースされ、24年8月現在でおよそ60%が循環している。
Total Value Secured(TVS)
DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つにTotal Value Locked(TVL)があるが、チェーンリンクはオラクルであるため、その特性上ネットワークの価値を測るためにはTotal Value Secured(TVS)が使われる。意味はTLVに似ていて、チェーンリンクに関連したプロジェクトへの預け入れ資産の合計である。
2024年8月時点で、チェーンリンクのTVSは約200億ドル。プロトコル別のTVSトップ3は以下の通り。
出資している主なVC
チェーンリンクの将来性
ロードマップ
24年3Q(7月から9月)現在、チェーンリンクのプロジェクトはユースケースを増やそうと取り組んでいる。金融機関が資産をトークン化したり、他の金融サービスをブロックチェーン上で行ったりできるようにするために、複数のソリューションの開発や採用が進行中だ。
細かいロードマップを公開しているわけではないが、四半期ごとにプロダクトの最新情報を伝える中で、その後に何を計画しているのかを公表している。例えば、プロジェクトが注力していることの1つが、現実資産(RWA)をトークン化するユースケースを増やすことだ。
チェーンリンクの技術は大手の企業や金融機関に採用される事例が続いている。
期待される今後の動向
RWAのトークン化はブロックチェーンのユースケースとして注目度が高い。特に2024年はトレンドの1つに挙げられており、今後もチェーンリンクの採用事例が増加する可能性がある。
また、22年12月に実装されたステーキング機能にも注目が必要だ。ステーキング機能の実装は、経済システムを強化する戦略「Economics 2.0」の一環。一般投資家のステーキング参加を含め、より多様なサービスプロバイダーがエコシステムに参加できるようにすることを目標にしている。
投資リスク、懸念材料
一方、チェーンリンクの技術が採用される事例が続いているといっても、まだ普及の範囲は限定的。そのため、投資を行う際は実状を広く正確に把握する必要がある。
また、米証券取引委員会(SEC)がチェーンリンクを有価証券とみなしているかは不明確だが、他社の訴訟ではステーキングを投資契約とみなしている。そのため、規制面でのリスクが生じる可能性も警戒しておきたい。