
LINKの準備金創設
ブロックチェーンのインフラを開発するチェーンリンク(LINK)のプロジェクトは7日、暗号資産(仮想通貨)LINKの戦略的準備金を創設したことを発表した。
創設の目的は、チェーンリンクネットワークの長期的な成長と持続可能性をサポートすること。オンチェーンのサービス使用料と、チェーンリンクを採用する大手企業らからのオフチェーン収入でLINKを購入していくと述べている。
今回の発表では、チェーンリンクの需要はすでに数億ドル(数百億円)規模の収益を生み出していると説明。そして、その収益の多くが、チェーンリンクのプラットフォームにアクセスするためにオフチェーンで支払いを行う大手企業から生み出されているとした。
オラクルなど複数のプロダクトを提供するチェーンリンクは、DeFi(分散型金融)や資産のトークン化などユースケースが幅広い。信頼性も高く、大手企業や金融機関らによる採用が進んでいる。
オラクルとは
ブロックチェーンにおけるオラクルとは、オフチェーンのデータを入手するための機能やサービスのこと。ブロックチェーンは単体では、ネットワーク外部の情報を入手することができない。
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発表では、まずは準備金創設の初期段階として、100万ドル(約1.5億円)相当のLINKを購入済みであると説明。これからより多くの収益がLINKに替えられて、数カ月を経て段階的に準備金の額が増えていくだろうと述べている。また、これから複数年は準備金を出金する予定はないとも説明した。
今回の発表でチェーンリンクのセルゲイ・ナザロフ共同創設者は以下のようにコメントしている。
準備金の創設はチェーンリンクにおいて、非常に重要な進化だ。
この準備金は、オフチェーンの収益と大規模な機関による採用が、チェーンリンクの成長、セキュリティ、持続可能性にどのようにつながるかについて、明確な答えを提供する。
なお、準備金についてはウェブサイトで情報を公開。LINKの価格は、本記事執筆時点で18ドルを超えて推移しており、前日比10%超上昇している。
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Payment Abstractionを活用
LINKの準備金には、今年3月にメインネットでのローンチを正式発表した「Payment Abstraction」のインフラを活用すると説明した。
このインフラは、クロスチェーン決済を抽象化するために開発されている。ユーザーがステーブルコインなどLINK以外の通貨でチェーンリンクの料金を支払えるようにするためのインフラだ。
ユーザーから支払われた通貨は、チェーンリンクのサービスとDEX(分散型取引所)を介して、プログラムでLINKに両替される仕組みになっている。
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