はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

スイスフィンテック企業Taurus、DeFi(分散型金融)のAaveと提携

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

TaurusとAave提携

スイスのジュネーブに本拠を置くフィンテック企業Taurusは3月8日、DeFi(分散型金融)レンディング・プロトコルのAave(アーべ)と戦略的提携を結んだと発表した。Aaveプロトコルを自社のデジタル資産インフラに統合することで、顧客である銀行や取引所が直接、暗号資産(仮想通貨)の預け入れや借入、貸出を行えるようになった。

Taurusの公式発表によると、DeFi分野との架け橋を築く決断を後押ししたのは、「リスク調整されたリターンの新たな供給源」を求める銀行や機関投資家から需要の高まりだったという。

統合内容

Taurusは、同社のカストディ製品である「Taurus-PROTECT」、およびスマートコントラクト発行・運用プラットフォーム「Taurus-CAPITAL」に、Aaveプロトコルのバージョン1と2を統合し、機関投資家がAaveプロトコルの機能にアクセスできるようにしたという。

Aaveプロトコルでは、仲介業者なしに流動性プール内の仮想通貨の借入と貸出が可能。金利は流動性の供給と借入需要に基づいて決定されるが、一般の預金金利より高く設定されている。個人投資家だけではなく機関投資家にも利用されており、Taurusに統合されることで分散型のバックエンドインフラを提供する。

今回のシステム統合により、Taurusの顧客は、仮想通貨の入出金をはじめ、幅広い資産の借入や、Aaveトークンの取得などが円滑に行えるようになる。

Taurusのマネージング・パートナーLamine Brahimi氏は、Aaveプロトコルを「確かな実績と堅牢なリスク管理を備えた、世界をリードするプロトコル」と高く評価。顧客の要望を受け、DeFi分野に参入するにあたり、自然な選択だったと述べている。

Taurusについて

2018年に設立されたTaurusは、金融機関や企業向けに、総合的なデジタル資産のインフラを提供している。カストディをはじめ、トークン化された証券や仮想通貨の発行や管理、10以上のブロックチェーンに対応したノード&インデックスSaaS、機関投資家向けの仮想通貨取引サービスなどのインフラソリューションを提供している。

スイスにおいて仮想通貨分野に参入した銀行の半数は、Taurusのシステムを採用しているという。同社の顧客には、仮想通貨銀行のSygnum BankとSEBA Bank(両行とも金融市場監督機構から銀行業の認可を取得)をはじめ、Arab Bank Switzerland、投資企業Vontobelなどが名を連ねる。

Aaveについて

Aaveプラットフォームにロックされている仮想通貨は、執筆時現在54.2億ドル(約5,900億円)の規模で、DeFiプラットフォーム別の預け入れ金額ランキング(TVL)では、Maker、Compoundに次いで3位となっている。

直近では、米仮想通貨取引所最大手のコインベースが発表した、ニューヨーク州居住者向けに取引を提供する13のDeFi銘柄にAaveが含まれている。

また、米仮想通貨投資企業Bitwiseが、先月、新たにローンチしたDeFiインデックスファンド(適格投資家対象)にも、UNI(25.14%)に次いで23.37%の比率で組み入れられている。インデックスに組み入れられる条件としては、出来高やカストディのサポート、プロトコルの脆弱性などが考慮されており、月ごとに組成銘柄調整が行われる。

同インデックスファンドはローンチ後2週間で、機関投資家から約35億円の投資資金を集めるなど、好調な滑り出しを見せており、DeFi分野への投資に大きな関心が集まっていることがわかる。

関連:DeFi(分散型金融)指数ファンドに機関投資家集まる 2週間で約35億円の流入

さらに米大手仮想通貨投資企業のグレースケールも、新規の仮想通貨投資信託を検討しているが、その23の銘柄の中に、Aaveが含まれていることがわかった。

Aaveは昨年8月、英国金融行動監視機構(FCA)より、DeFiプロトコルとして初めて「電子マネー機関」としての運営ライセンスを取得。イギリスで法定通貨から、直接、仮想通貨そしてDeFiへアクセスできる仕組みが整うことになった。

関連:DeFiサービスへ法定通貨の流動性を 英FCAがAaveに電子マネー機関ライセンスを付与

数多いDeFiプロジェクトの中でも有望視されているAaveプロトコルが、スイスの金融機関から信頼されるTaurusとの提携で、今後どのように成長していくのか注視していきたい。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧