はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

上場企業のビットコイン購入量24万BTC超えも、価格には反映されず その理由は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ストラテジー戦略が拡散

2025年上半期に世界の上場企業が購入した仮想通貨ビットコイン(BTC)は24万5,510 BTCに達し、同期間のETF購入量11万8,424BTCの2倍超となったことが7月1日に明らかになった。企業による購入量は前年同期の5万1,653BTCから375%増加し、3四半期連続でETFを上回る結果となった。

CNBCの報道によると、第2四半期(4〜6月)単体では上場企業が約13万1,000BTCを取得し、保有残高を18%増加させている。同期間のETF購入量は約11万1,000BTCで8%の増加にとどまり、企業による戦略的ビットコイン準備金構築の動きが加速していることが浮き彫りになった。

調査会社Bitcoin Treasuriesのデータでは、現在全てのビットコインETFが約140万BTC(供給上限2100万BTCの6.8%)を保有する最大保有主体となっている。上場企業の保有量は約85万5,000BTC(4%)で、ストラテジー社が約59万7,000BTCを保有し、マイニング企業Mara Holdingsが約5万BTCで続いている。

関連:メタプラネット、1,005BTC追加購入 ビットコイン保有量は上場企業5位に

Ecoinometricsのニック・マリー調査責任者は「ETFを通じてビットコインエクスポージャーを得る機関投資家と、株主価値向上のためビットコイン蓄積を図る上場企業では購入理由が異なる」と分析している。企業は価格の高低に関係なく、プロキシ購入者により魅力的に映るよう準備金拡大を重視する傾向があると指摘した。

2025年上半期のストラテジー購入量は13万5,600BTCで企業全体の55%を占めたが、前年同期の72%から低下している。Swan Bitcoinのベン・ワークマンCIOは「ストラテジーの規模に追いつくのは困難だが、小規模企業は初期成長段階での高いリターンを求める個人投資家や小規模機関にとって魅力的な選択肢となる」と評価した。

CoinPost

関連:ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析

トランプ政権下での規制緩和が企業の仮想通貨採用を後押ししており、3月の米国ビットコイン準備金設立に関する大統領令も追い風となっている。第2四半期にはGameStop(ゲームストップ)がビットコイン購入を開始し、KindlyMDがビットコイン投資会社Nakamotoと合併するなど、多様な業界で準備金戦略の採用が広がった。

ただし一部アナリストは、多くの企業が転換社債などのハイ・レバレッジを活用した購入を行っており、ビットコイン価格急落時のバランスシート悪化や希薄化リスクを警告している。マリー氏は「10年後にはビットコイン準備金戦略にコミットする企業数は減少する可能性がある」と長期的な持続性に疑問を呈している。

関連:『ビットコイン財務戦略の成功は少数企業に限られる』Breedレポート、ストラテジー社の先行事例に注目

ビットコイン価格が高騰しない理由

これほどのビットコイン購入にも関わらず、ビットコイン価格の年初来上昇率は14%にとどまり、企業の購入が価格上昇の要因として十分に機能していないとの見解が浮上している。一方、BTCを買い続けるメタプラネットのような企業の株価は年初来4倍以上上昇した。

1日のProtos報道によると、上場企業の保有量が急増する一方で、非上場企業の保有量は約30%減少している点が注目される。BitMEXやStone Ridge Holdingsなど、従来の保有者が売却を進める中で、テザーやBitfinexのような企業が既存の保有分を上場関連会社に移管するケースも確認されている。この非上場から上場企業への資金移動は、実質的な新規需要を生み出していないと分析されている。

また、現物ビットコインETFへの資金流入やビットコインを財務資産として採用している企業の上場株購入により、投資家が現物ビットコインを売却しつつビットコイン関連証券を購入する動きが拡大しており、売買における価格影響の相殺効果や割高評価による需給バランスの歪みが生じているとの指摘がある。

関連:ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧