- BTC価格暴落、100万円台を割る国内取引所も
- 下落原因として、マウントゴックスの約429億円の仮想通貨売却、中国の規制強化、Binanceフィッシング疑惑、米証券取引委員会(SEC)の発表、北朝鮮の親書の内容、の5つが挙げられます。
ビットコインの価格は、2月6日に今年の最安値67万円台を記録した後、堅調に推移したが、6日時点で125万円と最安値から約2倍の価格に到達後反落し、JPY/BTCを扱う日本取引所の中でも100万円を切る取引所も確認されました。
ビットコイン価格下落の原因では、いくつかの可能性が浮上しているため、状況整理とした下落原因を簡単にまとめます。
マウントゴックス、約429億円の仮想通貨を売却
日本では、仮想通貨市場に投資を行なっていない人でも名を知るほどの事件であったマウントゴックス社。
東京地方裁判所に対し、破産者(MTGOX)についての民事再生手続開始の申し立てを発表しました。
この 公式文書にて、BTC及びBCHの売却したことを発表、売却量及び破産管財人口座への入金額を公表しました。
ここで記載されていた額は以下の通りです。
仮想通貨の種類 | 売却数量 | 破産管財人口座への入金額 |
---|---|---|
BTC | 35,841.00701BTC | 382億3138万9537円 |
BCC | 34,008.00701BCC | 47億5665万4806円 |
合計入金額 | 429億8804万4343円 |
売却額は合計で約429億円に上ります。
この大量の売却が、市場の売り圧力に加担した可能性は否めないでしょう。
最大の問題は、残りのBTC管理状況の報告にあり、3月5日時点での破産財団が保有するBTC量は約16万5千BTCにも及び、1BTC=100万円の計算でも1650億円に相当します。
市場はこの額が大きな売り圧力となることを警戒していると考えられ、大きな懸念点となっています。
Mt.Goxとは
ピーク時には世界のビットコイン取引量の70%を占めていた仮想通貨取引所。
2014年の3月、管理していた計85万BTC(当時レート:約480億円)と顧客の預かり金28億円が消失したことで債務超過に陥り、事実上の経営破綻に追い込まれた。この事件がきっかけとなり、取引所がハッキングされて仮想通貨が不正流出することに対して、「Goxされる」というネットスラングが生まれた。
中国の規制強化
中国の規制当局は6日、WeChat上の複数仮想通貨取引所のアカウントをブロックしたことを発表しました。
中国では、以前の中国ショックがあった様に、取引所での取引は禁止されていましたが、国内でのOTC(店頭)取引は盛んに行われており、中国のOTC取引高は、世界でも群を抜いて多いとされています。
また中国国内での禁止措置が取られた後、中国人の国外取引所での継続した取引が確認されていますが、インターネットでのアクセス禁止措置など、更なる規制強化による取引高の低下が懸念された形となります。
※追記
CoinPostの中国スタッフに確認したところ、3/9 14:50時点で、中国からBinance、Bitmex、Bitfinexへのアクセスが遮断されていることが分かりました。
今後アクセスが再開されるかどうかは不明です。
詳細はこちら↓
OTC取引とは
over the counterの略。
証券会社や銀行など、金融機関等の「店頭カウンター越し」に取引を行うこと、もしくは取引所を介さない相対取引のこと。
CoinPost参考記事
Binanceフィッシング疑惑の浮上
日本時間7日から8日に変わった深夜、BTCの暴落が確認されました。
その時刻辺りで、大手取引所Binanceで異常な取引が検知されました。
異常が検知された取引ペアはVIA/BTCで、異常検知後すぐにBinance側の自動セキュリティシステムが発動し、全通貨の出金停止が行われました。
この状況を受け、市場が取引所での問題が起きた可能性を警戒し、暴落へと繋がった可能性があります。
このBinanceの自動システム作動などで、ハッカーの引き出しは成功せず、アカウント凍結や該当通貨の差し押さえも行ったことを 報告しています。
その後、徹底したセキュリティチェック後に、一般の引き出し再開を行なっています。
米証券取引委員会(SEC):未登録の仮想通貨取引所は違法
米証券取引委員会(SEC)は、アメリカ国内の仮想通貨取引所ではSECの登録なしでの運営は違法状態である、との公式声明を発表し、SECへの登録を求めていく姿勢を示しました。
アメリカでは国と州で法律が異なるため、仮想通貨に関する規制制度も各々が検討している状況にありました。
アメリカ仮想通貨市場は、現在日本や韓国と並ぶほど巨大であり、規制不安が8日木曜日での市場後退を後押ししたと考えられます。
CoinPost参考記事
北朝鮮の金正恩委員長、非核化を意思表明
韓国大統領府の鄭義溶国家安保室長は8日、トランプ米大統領に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の親書を手渡した、と報じられました。
親書の内容には、北朝鮮の非核化、核やミサイル実験の中止、トランプ大統領との会談に関する内容が綴られていたと発表されました。
今回の北朝鮮意思表明の前までは、北朝鮮の核・ミサイル問題にて不透明感が増していた状況が続いていたため、典型的なリスクオフな状況であったと言えます。
仮想通貨はリスク資産でありながらも、国際的な経済状況の悪化に伴うリスクオフの状況で買われている動きも確認されており、リスクオフ時に注目された仮想通貨市場から資金が流れた可能性があります。
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