- リップルラボとR3社が和解
- 全ての未解決訴訟の和解に達したとの声明を発表した。二社間の争いは2016年に締結したパートナーシップが起因となり、さまざまな問題が発生したが、合意に至った。
- R3とは
- 分散型データベースを扱う技術系企業で200以上の企業と連携し、また金融システムや、その他商業の分野での分散型台帳サービスの開発をしている。SBIから出資を受けている。
リップルラボとR3社が和解
企業向けに決済システムやXRP II、LLCなどのブロックチェーンソリューションを提供をするリップルラボ(Ripple Labs Inc.)は、以下の声明を9月11日に発表しました。
R3 HoldCo LLC, R3 LLC, Ripple Labs Inc. and XRP II, LLC announce that they have reached a settlement of all outstanding litigation between the parties. The terms of the agreement will remain confidential and both sides look forward to putting these disputes behind them.
R3とリップルラボは、二社間における全ての未解決訴訟が和解に達したことを発表する。 この合意事項は、機密文書であり公開されることはない。
この様に、情報開示こそされなかったものの、両企業ともに、長く続いた訴訟の末、和解に達したことが明らかになっています。
(今回の内容では直接的な関係はありませんが、仮想通貨事業を推進するSBIホールディングスは、Ripple社との動きは周知されていますが、R3社にも出資をしています。)
訴訟に至った経緯
この二社間の法的小競り合いの発端は、2016年の夏に遡り、リップルの前CEOクリス・ラーセン氏が銀行コンソーシウムR3と締結したパートナーシップに起因します。
その同意書には、2019年末までR3コンソーシウムが50億XRPまで、1単位$0.0085の価格で購入できるといった内容のオプション契約が含まれていました。50億XRP全額購入した場合は、約4,250万ドルです。
2017年9月、R3コンソーシアムはリップルラボに対してニューヨークのデラウェア州で訴訟を起こしました。その際のR3の主張は、リップルラボが上述したXRPの事前購入契約を破ったというものです。
つまり、2017年に入りXRPの価格が3,000%上昇し、単位あたりのXRP価格が$0.21となったことで、その価格で契約に沿って購入した場合1億ドル以上払うことなど、状況の変化が急速であったことなどが一つの要因となり、それに不服を抱いたR3が訴訟を起こしたという形になります。
それに対しリップルラボでも、以前コインポストでも報道したように、幾度も同意書の契約事項に違約したとして、カリフォルニアで反訴を行っていましたが、2018年3月には、「リップルのR3に対する控訴棄却の件」について、サンフランシスコの控訴裁判所に控訴しましたが、棄却されたことで、その後2社の動向に注目が集まっていました。