はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SECの仮想通貨締め付けを痛烈批判、『クリプト・ママ』が考える規制当局のあり方とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

『過保護』になっているSEC
SECコミッショナーの1人で仮想通貨のママとも称されるPeirce氏が、Fintech Unbound Conferenceに登壇し、仮想通貨業界に対するSECの対応について言及。SECが仮想通貨業界に対し、過保護になっており、ある程度のリスクは許容すべきであると指摘した。
Peirce氏が学んだ5つの事
Peirce氏は、仮想通貨市場に対するSECの取り組みにおいて様々な気づきがあったことを語り、不透明性の払拭や、イノベーションを阻害しないこと、規制局に技術者や起業家が少ない事を自覚すべきことなどに言及。

『過保護』になっているSEC

リバタリアニズム(完全自由主義)を掲げるシンクタンク、ケイトー研究所(CATO Institute)によってサンフランシスコで開催されたFintech Unbound Conferenceで、「クリプト・ママ」(Crypto Mom)とも称されるSECコミッショナーのHester Peirce氏が登壇し、仮想通貨業界の現状について触れました。

Peirce氏は、ビットコインや仮想通貨、そして、その新しい技術を取り巻く規制環境に着目し、以下のように主張しました。

私は、(非公式だが)クリプトママと呼ばれており、それは、私の想像していた『ママ』とは違った形だが、以前から母親になりたいと思っていたことから、このような名前をつけてもらえた事は喜ばしく思っている。

もし私がママになるとしたら、過保護な母親ではなく、過度に干渉しない母親になりたいと思っている。

過保護な親は、子供を成功に導きたいが故に干渉し過ぎるが、実際その手法は裏目に出てしまうことが多いが、過度に干渉しないママはある程度のリスクを許容した上で、最低限の干渉で子供を支えていくのだ。

日本には”はじめてのおつかい”という番組があるが、その番組は笑いや感動を与えるだけでなく、リスクをとるということが本質的に悪いことではないと教えてくれる。そして、特定の成功は、リスクの上に成り立っているのだ。

彼女は、同機関をこの過保護な母親に見立て、アメリカ証券取引委員会(SEC)が仮想通貨業界を過度に規制していると指摘しました。

またPeirce氏は、投資家からの関心の高まりを受け、イノベーター達が、その関心に応えるように、ビットコインETFなど、様々な商品を提案してきている一方で、SECがそのような商品の流通を全て差し止めてきていることを挙げました。

Peirce氏は、以前にも「SECは投資家の保護も考慮しつつ、彼らの資本形成を推し進め、フェアで秩序のある効率性を高めた市場を促進して行くことを役割とすべきであり、イノベーションの門番となるべきではない」と発言しており、SECが仮想通貨市場に過度に干渉していることを疑問視していました。

Peirce氏が学んだ5つの事

そして、彼女は、ここ数ヶ月におけるSECの対応に対し、5つの学んだ事をそのスピーチで明らかにしています。

  • 1.規制局員は技術者や起業家ではない事を覚え、革新的な技術を金融業界に組み入れていきたいという試みの提案において、謙虚さを持つべき。
  • 2.革新的な技術が有するリスクから投資家を守るために規制したからと言って、人々の関心が消える訳ではない。それならば、関心を消そうとせず、適度に規制された市場を提供するべき。
  • 3.金融分野でイノベーションを促進するためには、企業との対話の中で、規制に関する不透明な言動や威圧的な言動を払拭するべき。
  • 4.投資家保護の役割は、新技術を採用して金融市場へのアクセス手段を増やすべき。
  • 5.規制側は、金融市場にその革新的な技術をどのように許容して行くか決める役割を担うべき。リスクをある程度許容せずに、過保護な干渉を行えば、フィンテック業界でのイノベーションを阻害する恐れがある。
  • 今回の発言は、あくまでも彼女自身の見解であり、SECの主張ではありません。

    しかし、このように、SECコミッショナーの1人であるPeirce氏が、仮想通貨業界に対する現在のSECの対応への慎重な姿勢や、規制面での不透明性を払拭した上で、ある程度のリスクを許容して行くべきであるという彼女の主張は、仮想通貨市場にとって大きな追風になると考えられます。

    CoinPost App DL
    厳選・注目記事
    注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
    11/08 土曜日
    07:20
    片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
    片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
    07:10
    米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
    米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
    06:20
    コインベース、Asterなど上場検討
    米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
    05:55
    ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
    プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。
    05:35
    リップルのロング社長、IPOの予定なしと再度表明
    リップル社のモニカ・ロング社長が株式公開の計画はないと再び明言した。同社は企業価値400億ドルで5億ドルの資金調達を完了し、十分な資本があると説明している。
    11/07 金曜日
    18:34
    金融審議会・第5回会合、暗号資産レンディングの規制強化について議論 金商法適用案も
    金融庁は7日の第5回金融審議会で、暗号資産レンディング事業を金商法の規制対象とする方針を示した。年利10%台のサービスで利用者がリスクを負う一方、事業者に管理義務がない点が問題視された。
    18:16
    米証券大手チャールズ・シュワブ、2026年に仮想通貨取引開始へ
    米証券大手チャールズ・シュワブが2026年上半期にビットコインとイーサリアムの現物取引を開始。顧客資産約1800兆円を持つ同社の参入で仮想通貨市場の主流化が加速へ。
    18:00
    Polymarket(ポリマーケット)とは?仕組みや将来性をわかりやすく解説
    Polymarket(ポリマーケット)とは、未来の確率をUSDCで売買する分散型予測市場。米大統領選で注目を集め、Google Financeにも統合。仕組み、特徴、課題、今後の展望をわかりやすく解説。
    16:18
    ロビンフッド幹部、ビットコイン財務戦略は「検討中」
    米ロビンフッドがビットコイン財務戦略導入を検討。第3四半期の仮想通貨収益は300%超急増の約413億円を記録。上場企業のBTC保有トレンドが加速する可能性。
    14:05
    著名投資家ダリオ、FRBの量的緩和再開はバブル加速への引き金 更なるインフレリスクを警告
    ブリッジウォーター創設者レイ・ダリオ氏が、FRBの量的緩和再開は従来と異なり「バブルへの刺激」になると警告している。現在の状況下でのQE拡大は、実質金利の低下や株価収益率の上昇につながり、テック/AI/グロース株や、金などの価格を押し上げる可能性がある。
    13:35
    ビットワイズ、ドージコインETFの20日以内上場を目指す動き=ETF専門家
    ビットワイズがドージコインETFで「8(a)手続き」を採用。ブルームバーグアナリストによると、11月6日の予備目論見書提出から20日後の11月26日頃に自動承認される可能性。SECの介入がなければ上場実現へ。
    13:10
    サークルとコインベース、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」施行で重要な提言
    サークル社とコインベースが米財務省にジーニアス法施行に関する提言を提出した。ステーブルコインの公平な競争条件の確保や利回りをめぐる過剰規制の回避などを求めている。
    13:01
    日本3メガバンク共同でステーブルコイン発行へ、金融庁が「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト」を支援 
    金融庁が決済分野に特化したプロジェクトを新設し、みずほ・三菱UFJ・三井住友の3メガバンクによる共同ステーブルコイン発行を初の支援案件として承認した。信託型の枠組みで100万円の送金上限が撤廃され、円建てに加え米ドル建ても視野に。片山財務相も支援を表明し、国を挙げた金融イノベーション推進が本格始動する。
    11:41
    仮想通貨市場の投資家心理は最低水準、10万ドル節目の攻防続く
    ビットコインが6月以来初めて10万ドルを割り込み、10月高値から20%超の急落。長期保有者による416億ドルの大量売却と、ETFからの9億ドル流出で市場は動揺している。個人投資家のセンチメントは過去最悪レベルに落ち込む一方、Bitwise幹部は機関投資家の投資意欲は旺盛で、年末の最高値更新もあり得ると指摘した。
    11:05
    テザー、新たな提携でトークン化証券市場を加速
    ステーブルコイン大手テザーが資産運用会社クレインシェアーズ、ビットフィネックス・セキュリティーズと戦略提携。トークン化証券市場は2030年に約1500兆円規模へ急拡大の見込み。

    通貨データ

    グローバル情報
    一覧
    プロジェクト
    アナウンス
    上場/ペア
    重要指標
    一覧
    新着指標
    一覧