はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

最大手取引所バイナンスCEO:仮想通貨市場の「価格操作」に斬り込む

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

問題視される価格操作
多くのビットコインETFの不許可または、延期の理由としてSECは、仮想通貨市場の価格操作や詐欺行為への対策が欠如していることを挙げた。しかし、仮想通貨取引所BinanceのCZ氏は既存金融市場の方が、価格操作が多く行われていると指摘した。

問題視される価格操作

市場操作は、あらゆる市場において重大な問題であり、健全な市場の成長を阻害する恐れがあります。

仮想通貨市場も例外ではなく、2017年に大きな成長を遂げ、数多くの新規参入者が流入した一方、例外なく”市場操作疑惑”に苛まれてきました。

アメリカ証券取引委員会(SEC)も、ウィンクルボス兄弟によって申請された「ビットコインETF」を始めとする多くの仮想通貨ETFの申請を受けてきましたが、現時点で、全ての申請が、価格操作や詐欺対策の欠如を理由に延期、または、不許可とされてきました。

複数の仮想通貨プロジェクトに投資しているDovey Wan氏は、自身のTwitter(@DoveyWan)で以下のようにツイート、問題提起を行いました。

(仮想通貨)価格は、大衆の行動を反映するが、私たちは完全な情報を得ることはできない。

特に仮想通貨市場は、価格操作が極めて行われやすく、TAシグナルも人工的である可能性もあり、ショート取引も”非常に”リスクが高い。

そして、EOSの取引偽装などファンダメンタル情報でさえ、恣意的なフェイクニュースである可能性がある。一体私たちは何を信じれば良いのだろうか。

このツイートに対し、世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスのCEO「CZ」氏は、以下のようにコメントしました。

このツイートから”仮想通貨”という言葉を抜くべきだ。

既存金融市場の方が価格操作は頻繁に行われており、インサイダー情報やメディアと密接な関係を持つ、影響力の強いマーケットメーカーが存在する中で、ほとんどの金融商品が単一の市場で取引されている。

このようにCZ氏は、価格操作が仮想通貨市場だけの問題ではなく、既存の伝統金融市場にも存在していると指摘しました。

仮想通貨市場における価格操作問題

もちろん、最も歴史が浅く、規制の未成熟な仮想通貨市場で、価格操作などが行われていること自体は否定できません。

特に懸念されているのが、仮想通貨取引所の「取引高詐称」問題です。

過去に、トレーダーのSylvain Ribes氏は、仮想通貨取引所OKExやHuobiが、日間取引高を詐称していると指摘しました。

さらに先月8月末にも、ブロックチェーンの研究者たちによって組織されたBlockchain Transparency Instituteが、「Bibox、Huobi、 OKEx、UpBitなどの仮想通貨取引所の取引高が捏造されている」と名指しで指摘。

逆に、Binance、Bitfinex、Coinbaseの取引高は、公正である可能性が高いと主張しています。

対策は困難か

多くの仮想通貨取引所において、取引高の捏造が疑われる中、CZ氏は以下のように語りました。

例えば、バイナンスでビットコイン価格が6300ドルだったとする。

そして、ある男がバイナンスにおけるビットコイン価格が7000ドルに釣り上がるまで買いを続けていくとしよう。

しかし彼は、単に多額の資金を有し、ただビットコインを購入したいだけだった。このケースは価格操作に該当するだろうか。これは大変難しい問題だ。

このように、価格操作の線引きが難しいことを指摘し、その明確な線引きができないことで、対策も難しいことを強調しています。

さらにCZ氏は、 仮装売買(wash trading)に関しても言及。同一人物が自動売買し、取引高のカサ増しや価格釣り上げを行なったとした場合、「どのラインから仮装売買とみなすのか」の判断が極めて難しいことを指摘しました。

仮に「5分間で10万ドルの過剰な仮装売買を行なったアカウントを停止させるという処置をとった場合、人々はアカウント停止を避けるために、5分間で9.9万ドルの取引を始めることになり、イタチごっこになってしまうと見解を述べました。

既述の通り、SECが仮想通貨ETFを不許可または延期した理由として、価格操作や詐欺対策の欠如を挙げていることから、仮想通貨市場における価格操作の解決が求められていますが、一筋縄では行かないと考えられています。

CoinPostの関連記事

DPレーティングが仮想通貨取引所の格付けを発表:最高評価はA+のバイナンス、bitFlyerはB+評価
格付け企業のDPレーティングが、独自の分析に基づいた、仮想通貨取引所の世界ランキングを発表した。最高評価「A+」を得たのはBinance。日本の取引所では、bitFlyerが「B+」、QUOINEが「B」評価でランクインしている。
世界をリードするバイナンスが発表した「ビッグニュース」3選|1000億円規模の仮想通貨ファンド、ほか
仮想通貨業界をリードする世界最大手取引所「バイナンス」は、Binance Labs開催のカンファレンスにて、10億ドル(1,000億円)規模のファンド設立や支援プロジェクト「Dache Chain」など、3つのビッグニュースを発表した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧