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株式反落にビットコインが同調、韓国は年末前にアルト出来高が大幅急増|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場
ビットコイン相場と株式市場の価格相関性が高まっている。貿易問題に関する中国の強硬姿勢を保つ見方も強まり反落した株式に同調する形でBTC価格も反落した。BCHの動きや韓国出来高急増の背景にも迫り、アルトコイン相場の注目点も探った。

仮想通貨市場

仮想通貨市場は11月9日、ビットコインが断続的な下落を記録、右肩上がりに引かれたトレンドラインを割ったのち、主要サポートライン(緑)まで下落、中間選挙の結果を受けリスクオンムードが見え始めた6日時点の価格まで値を戻している。

この様な動きを踏まえ、直近のビットコイン価格推移を追っていく上で、注目したいのは日米株式市場であり、下のチャートを見る限り、ビットコインの他の金融マーケットへの相関性はかなり高まっている様に感じる。

特に急落した10月終わりや、米中間選挙の結果を受け一時いけいけドンドンのリスクオフムードになった相場の動きには大きな相関性が見られている。

中間選挙の結果トランプ大統領が通過したものの、貿易問題に対する強硬姿勢を貫く見方が強まり下落した中国株の影響が波及し、大幅上昇した相場は反落、本日のビットコイン相場に陰りが見え始めた時点も株式市場との相関が見られている。

多くのメディアの報道によって、各市場の相関性の高まりはより投資家を意識付けさせる行動へと繋がり、機械トレードの普及などを含め、徐々にその相関率は高まっているのではないだろうか。

アルトコインはBCHやXRPが主導

一方で直近一週間好調相場を維持したアルトコインの値動きを見ていくと、よりハイボラティリティの相場になった上で、ビットコインとの相関性より、ビットコインキャッシュ(チャート:赤)やXRP(リップル)といった通貨の大幅上昇に影響され、市場内資金が移っていた様に思える。

しかし、この主要アルトの勢いは買いムードにこそ思われたが、仮想通貨市場全体の相場の勢いにまでは結びついていない。

ドミナンスの推移で見ていくと、ビットコインのドミナンスを押し下げる形で主要アルトの健闘は見られているが、時価総額20位以下の通貨の価格推移は依然消極的であり、年末にかけての上昇ムードにまでは至らなかった。

相場を先導したビットコインキャッシュのハードフォーク(コミュニティ分裂)の動きは、より各コミュニティの牽制が行われる形で激化しており、フォーク後のハッシュ戦争を不安視する声もで始めている。

BitcoinSVもかなり高い比率のハッシュレートを持つという見解もあり、状況を見極める動きに移っている可能性は高いだろう。

またBCH相場において重要視されていた通貨付与恩恵を期待する投資家も、ポロニエックスでプレフォーク取引(先物取引)の開始で判明した、BitcoinSVの価格の著しい下落を受け、消極的になっている見方も強い。

直近一週間続いたアルトコインの上昇相場を支えたBCHの価格の一時的な下落は、相場全体に影響しているといっても過言ではないだろう。

しかし、アルトコイン取引において、注目すべき韓国の動きがあるのは忘れてはいけない。

韓国取引所Bithumb:取引高ダントツ1位に

本日、韓国大手仮想通貨取引所Bithumbの取引高が、BitMEXやBinanceを抑え、堂々の1位を記録、Binanceとは3倍差をつけた。

Binanceは世界的に出来高が高く、主要取引所として受け入れ始められており、BitMEXも下落時でも大きな出来高を記録するなど、2社の勢いは、出来高減少に悩まされる仮想通貨市場において高い出来高を維持していた取引所だ。

韓国の仮想通貨取引に関する税制が施行される前の駆け込み需要との見方もあるが、これらの取引所に大差をつける出来高の状況は、昨年末のアルトバブルを支えた韓国の投機熱を彷彿とさせる。

出典:CoinMarketCap

今回の韓国内で仮想通貨市場が盛り上がっている背景には複数の要因があると考えられる。

取引手数料払い戻しキャンペーン

出典:Bithumb

10月22日に発表された内容で、Bithumbは、プロモーション期間中(2018年10月22日〜2018年11月21日)に10億 KRW以上(約1億円)の取引を行った大口海外ユーザーに対し、取引手数料の70%を払い戻しするイベントが行われている。

この取引手数料の払い戻し日時は、2018年12月10日から12月14日までに順次返還される予定だ。

Bithumb公式ページ

2019年まで仮想通貨での利益課税無し

出典:Coinlib

先ほども述べた様に、2019年まで仮想通貨での利益が無税のため、駆け込み需要で投資意欲は旺盛となっている可能性も考えられる。

出典:Coinlib

仮想通貨市場への法定通貨流入で見ていくと、大部分が韓国ウォンが占めていることが上記の画像で確認できる。

韓国税務当局は、国税行政改革委員会において「仮想通貨課税基準」を定め、2019年から、仮想通貨課税が実施される予定であるが、逆にこの税制施行に伴い、年末の売り圧力にも直結するとの見解もあり、年末付近に注意したい動きでもある。

本日韓国で人気の通貨は?

Bithumb内での取引高銘柄上位は、以下の通りとなっている。

出典:CoinMarketCap

仮想通貨取引所Upbitの現状

出典:CoinMarketCap

韓国ウォン(KRW)建ての仮想通貨取引所で、Bithumbと並んで大きい取引所Upbitでは、上記の画像で分かるようにビットコイン、ビットコインキャッシュを抜き、XRPが断トツで取引高が1位を記録、韓国内でも状況が大きく異なることがわかる。

その一つの要因として、Bithumbがハッキング後停止した特定通貨の入出金停止が、今でも複数の通貨で継続して行われており、他マーケットから隔離される形で、アービットラージが効かない独自相場を形成、Bithumbの取引所内特有の相場を形成していることが挙げられるだろう。

いずれにせよ、年末からの下落相場の流れを汲む形で韓国の出来高も減少傾向にあったことから、直近での跳ね上がるとの表現ができる出来高上昇の傾向は、出来高先行の上昇トレンドにも繋がる期待感はあるのは間違いない。

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