はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム共同設立者ギャビン・ウッド氏を取材|今の仮想通貨イーサリアムをどう見るか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアム共同設立者ギャビン・ウッド氏に取材
コインポストは先週行われたミートアップ「Polkadot Meetup in Tokyo #1」にメディアパートナーとして参加し、イーサリアムの共同設立者であるキャビン・ウッド氏に取材を行なった。イーサリアム・プロジェクトを離れた今、同氏は現在のイーサリアムを見て何を思うのか。彼の本心に迫った。

イーサリアム共同設立者ギャビン・ウッド氏に取材

コインポストは先週行われたミートアップ「Polkadot Meetup in Tokyo #1」にメディアパートナーとして参加し、イーサリアムの共同設立者であるキャビン・ウッド氏にインタビューを行った

ギャビン・ウッド氏は2013年頃からイーサリアムプロジェクトに参加し、ヴィタリック・ブテリン氏らと共にイーサリアムを設立し、以前はCTOを務めていた。

ギャビン・ウッド氏は、どのようにブロックチェーン業界に携わるようになったのだろうか。

2013年にビットコインについて調べ始め、ビットコイン開発者のAmir Taaki氏と連絡を取り合うようになりました。その後、彼と親しくなり、彼と関わり合う中で、ブロックチェーン業界のコミュニティに加わるようになったんです。

もちろん、それだけではなく技術的な面にも惹かれました。

例えば普通インターネット上で送金をする際には、銀行など第三者機関などを通さなければなりません。

けれどもビットコインであれば、厳しく規制された巨大組織を通さずに個人間送金ができます

これは私にとって、非常に衝撃的なことでした。我々社会が信じ込んでいた常識が覆されたからです。

この技術により、我々が今まで手にしたことのなかった、さらなる自由を得られるようになりました。

私は、このブロックチェーン技術が、どこまで深く、広く使われるようになるのか大変興味を持つようになりました

同氏は、イーサリアム・プロジェクトに参加した経緯についても語ってくれた。

実はイーサリアム・プロジェクトに参加する数ヶ月ほど前は、ビットコインのエコシステムに関して調べていたんですが、あまり私を魅了するプロジェクトに出会えないでいました。

そうした中、Amir Taaki氏の友達を通じてヴィタリック氏と連絡を取り合うようになりました。

ヴィタリック氏から、イーサリアムのアイデアについて聴いたときに、すごく面白いプロジェクトだと思いました

それから、私はすぐにイーサリアムのプロジェクトに携わり始めました。

出典:CoinPost

イーサリアムの現状をどう思うか

先日からコインポストでも度々報道しているように、イーサリアムのアップグレードなどが大きな話題となっている。

例えば、ずっと延期されていたコンスタンティノープルの実施予定日が1月16日と公表されたことや、2019年6月を予定しているアップデート「Ethereum 1.x」の計画が公になったことなどが挙げられる。

一見、イーサリアムの開発は順調に進んでいるように思われるが、問題も抱えている。

実際、コンスタンティノープルの当初の実施予定日は11月であり、大幅に遅れをとっている。

また、10月末に行われたDevcon4にて「Ethereum 1.x」の計画について内密的に議論が行われたことから、一部では、プロジェクトの進め方に不快感を示すメンバーもいたという。

イーサリアムプロジェクトを離れた今、その内情をよく知るギャビン・ウッド氏は、イーサリアムのプロジェクトに関して、こう言及した。

「Polkadot」という新たなプロジェクトに移った理由は、いくつかあります。

そのうちの一つは、イーサリアムのエコシステムにあります。

現在イーサリアムのエコシステムは内省的で、確実性や細かなところに捉われすぎていて、イノベーションを前に進めるという考えが欠けています。

本当に達成すべき目標を見失っているため、無意味な議論が多く行われています。

また、多くのステークホルダーや大量の意見が存在する中で、プロジェクトを推し進めるための、中央集権性があまりにも欠けている

イーサリアムには、技術的な発展を進めるためのガバナンスがありません。

これでは、技術的リーダーシップを発揮することは厳しいと感じています。

持続的にイノベーションを進めるためには、どのようにアップグレードを実施するかなど、技術的な面で決断を下すことのできる組織を構築する必要性があると考えています。

上述したように、Devcon4で内密に議論が進められたことにより、一部メンバーは不快感をあらわにした。

その際、ParityのリリースマネジャーSchoedon氏は「コミュニティのステークホルダー全体で、最終的に論争が巻き起こらないように、全ての案を出し合い語り尽くすことが肝要だ」と発言している。

また、「広い合意がコミュニティ内で得られない限り、アップデートは行わない」とも語っている。

このように、DAO(分散自律組織)的な考え方で、プロジェクトを進めるべきだとの声は少なくない。

しかし、今回の取材で以前CTOを務めていたギャビン・ウッド氏が正反対の考えを述べたことは、大変意義深く、傾聴すべき反駁であろう。

Gavin James Wood

1980年生まれ、英ヨーク大学卒。イギリス出身のプログラマー。

イーサリアムの共同設立者であり、イーサリアム元CTO。

スマートコントラクト向けのプログラミング言語「Solidity」の開発者でもある。

現在は異なったブロックチェーン間で情報を交換するためのプロトコル開発を目指すプロジェクト「Polkadot」に取り組んでいる。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

2019年6月に大型アップグレード、『イーサリアム 1.x』の進捗状況まとめ
イーサリアム・バーチャルマシンからeWASMへの移行が予定される「イーサリアム 1.x」の開発が加速している。2019年6月を予定している大型アップデートに向け、4つのチームが問題解決を試みている。
仮想通貨イーサリアム、来月大型アップグレード実装 コア開発者会議で実行ブロックが決定
延期されていたイーサリアムの大型アップグレード【コンスタンティノープル】の実施予定日が明らかとなった。予定日は2019年1月16日水曜日、#7,080,000ブロックがアクティベイション・ポイントと決定。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
06:45
米バンガードが仮想通貨ETF取引を解禁、5000万人超の顧客にアクセス提供へ
ブルームバーグが報じたところによると、世界第2位の資産運用会社バンガードは12月3日から仮想通貨を主に保有するETFとミューチュアルファンドの取引を許可。遂に長年の保守的姿勢から転換。
06:25
米下院共和党が仮想通貨の「ディバンキング問題」を追及、チョークポイント2.0報告書を公開
下院金融サービス委員会の共和党議員が12月2日、バイデン前政権による仮想通貨業界への組織的な銀行サービス拒否を批判する53ページの報告書を公表した。ストライクCEOの口座閉鎖事例なども議論を呼んでいる。
05:55
ビットコイン8.5万ドル割れ、個人買い増しとクジラ失速が鮮明に=アナリスト指摘
ビットコインは12月1日深夜8.4万台まで続落した。大口保有者の購入鈍化と日銀の植田総裁によるタカ派発言が圧力となり、4億ドル以上の清算が発生。
12/01 月曜日
18:34
日経グループQUICK、ビットコイン指数の算出開始
QUICKは12月1日、円建てビットコイン指数の本格公表を開始した。試験運用から更新頻度を毎日に引き上げ、12月22日からはリアルタイム指数も提供する。暗号資産ETFなどでの利用を想定。
17:07
イーロン・マスク氏「エネルギーこそ真の通貨」、ビットコインは基づくと主張
テスラCEOのイーロン・マスク氏が「エネルギーこそ真の通貨」と主張し、ビットコインはエネルギーに基づいていると説明。一方、著名経済学者やピーター・シフ氏は「本質的価値がない」と批判を続けている。
17:01
政府・与党、暗号資産の分離課税導入を検討へ 調整開始─NHKなど報道
政府・与党が暗号資産投資の分離課税化を巡り調整に入ったとNHKが報道。現行は最大55%の総合課税で、制度見直し議論が年末の税制大綱へ進む見通し。
16:26
「チェーンリンク」の将来性は?トークン化市場に必須インフラ
チェーンリンク(LINK)の将来性を解説。2030年に16兆ドル規模が予測されるトークン化市場で、既存金融とブロックチェーンを接続するオラクルとして80%超のシェアを獲得。SWIFT・J.P.Morganとの提携事例も紹介。
16:00
スイ(SUI)のステーキングで高利率なのは?自分で行う方法と取引所比較
SUIのステーキング方法を徹底解説。取引所(年利最大4.28%)、ウォレット、リキッドステーキングの3つの運用方法を比較表付きで紹介。初心者向けのOKCoin Japanから、Slushウォレットでの自己管理、Haedalでの高度な運用まで、リスクと利回りを考慮した最適な選択をサポート。
15:55
ワールドコインの本人認証方法|マイナンバーカードでWLDを受け取る手順を解説
ワールドコイン(WLD)がマイナンバーカードでの本人確認に対応。World Appでの認証手順を画像付きで解説。所要時間約5分で完了し、Orb認証済みの方も追加のWLDを獲得可能。受け取ったWLDの現金化・運用方法も紹介。
15:43
ソニー銀行、米ステーブルコイン事業化に向けBastionと業務提携 子会社設立も視野に
ソニー銀行が米Bastionと業務提携し、米ドル建てステーブルコインの事業化を推進。日経報道によると2026年度の発行を計画し、ソニーグループの「経済圏」での決済活用を目指す。米国子会社設立とOCC銀行免許取得も視野に。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧