はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

中国政府、ブロックチェーン企業対象の検閲法案を公布|「分散型」の発展とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン上の匿名性と言論の自由は、絵に描いた餅と化すのだろうか
昨年10月に素案が発表され、中国のブロックチェーン規制強化の一環として、政府による検閲と、ユーザーデータ収集および情報提供が求められる可能性が懸念され、注目を集めていた「ブロックチェーン情報サービス管理規則 」が、1月10日、公布された。

中国のブロックチェーン業界に検閲制度

2018年10月に素案が発表され、中国のブロックチェーン規制強化の一環として、政府による検閲と、ユーザーデータ収集および情報提供が求められる可能性が懸念され、注目を集めていた『ブロックチェーン情報サービス管理規則』が、1月10日、公布された。

出典:http://www.cac.gov.cn

中国政府のインターネットに関する規制当局である、中国サイバースペース管理局(Cyberspace Administration of China, 以下CACと表記)は、来月15日から施行されるこの法律により、「業界の健全で秩序ある発展を促進する」と述べている。

CACは、ブロックチェーン情報サービスを「ブロックチェーン技術またはシステムに基づくインターネットサイトおよびアプリケーションを介した公衆(パブリック)への情報サービスの提供」と定義している。

新たな【検閲】規則に関して

この規則は、24か条から成り、その内容は、中国政府によるブロックチェーンサービス提供者に対する、管理強化が色濃くなっているだけではなく、そのサービスの利用者である一般ユーザーの本人確認情報(KYC)、並びにコンテンツ、ログなどの収集及び保存、管理を義務付け、当局の要請があれば情報提供を課すことも可能となっている。 利用者の本人確認は、「中華人民共和国ネットワークセキュリティ法」の規定により、組織コード、身分証明書番号や携帯電話の番号に基づき、実施されるという。

さらに、ブロックチェーン情報サービス提供者および利用者は、「国家安全保障を脅かし、社会秩序を乱し、他人の合法的権利および利益を侵害する法律および行政規則により禁止される行為に従事してはならない。」という条項もあり、その行為には、「法律および行政規制により禁止されている情報コンテンツをコピー・公開、および頒布すること」が含まれる。

この条例は、これまで中国のインターネット検閲を回避するために、ブロックチェーン技術が使われた事例などを考慮したものと推測できる。(例えば、昨年、北京大学の女子学生のセクハラ告発の手紙がイーサリアム・ブロックチェーン上に永久的に記録されたなど)

ブロックチェーンは、情報の改ざんを防ぐ技術として設計、開発されたものだが、その情報そのものが検閲されることにつながる。

これらの規則に違反していることが判明した企業は、罰金または起訴の対象となる可能性があると思われる。

これまで中国政府は、仮想通貨に対しては、厳しく規制してきた。2017年9月には、ICOを禁止、10月には国内の仮想通貨取引所を全面閉鎖、さらに2018年には海外取引所へのアクセス封鎖や、北京と広州における仮想通貨のイベントの開催禁止を行なっている。

一方、ブロックチェーン技術に関しては、国を挙げて奨励してきており、上海、広州、深圳などの主要都市では多くのブロックチェーンプロジェクトが支援されている。また、中国ネット大手アリババは、ブロックチェーン技術開発を積極的に展開しており、米IBMに並び、ブロックチェーン関連の特許提出では世界トップとなっている。

さらに、中国IT業界のBATと呼ばれる巨大企業3社、百度(バイドゥ)、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント) は、世界中でブロックチェーンスタートアップ企業へ巨額の投資を行っていることでも知られている。

【分散】がコンセプトのブロックチェーン技術を、中央集権的に管理、統制しようとする中国政府の挑戦とも読み取れる「ブロックチェーン情報サービス管理規則 」の公布だが、果たして軍配はどちらに上がるのだろうか、これからの展開が注目される。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

香港の金融規制当局が仮想通貨への規制を強化する姿勢を表明
香港の証券先物委員会(SFC)は、マネーロンダリング等仮想通貨関連の犯罪への懸念と投資家保護を背景に、現在の仮想通貨関連規制をさらに厳しくしていく方針を明らかにした。
中国・広東省のフィンテック特区が始動、ブロックチェーン技術に焦点
広東省のフィンテック特区が正式に始動することが、中国メディアにより報じられた。ブロックチェーンにも焦点をおいた「技術向上の適用と促進」といった目的の下に、行政による融資や政策ガイドラインの提供が実施される予定だという。一方では、香港での規制強化など中国全土の仮想通貨業界への厳しい姿勢も見られる。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/18 火曜日
18:06
トランプ一族、世界初のトークン化ホテル開発プロジェクト参画を発表
トランプ・オーガニゼーションとDAR Globalが世界初のトークン化ホテル開発をモルディブで発表。ブロックチェーン技術を活用した新たな不動産投資モデルとして注目される。
18:03
Aave、米国で高利回り貯蓄アプリ「Aave App」開始へ 銀行入金・残高保護に対応
DeFi大手Aaveが一般ユーザー向け貯蓄アプリ「Aave App」を米国で提供開始予定。最大100万ドルの残高保護、自動積立機能など、従来の銀行預金(平均0.4%)を上回る利便性を提供する。
17:00
金商法移行で暗号資産市場はどう変わる? JVCEA小田会長が業界の懸念に回答|独自取材
暗号資産の金商法移行が最終局面を迎える中、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の小田玄紀代表理事がCoinPostの独自取材に応じた。開示規制は分散性の高い銘柄を対象外とし、取扱銘柄の大幅減少は想定されていないと明言。規制の枠組みを理解した上での革新を呼びかけた。分離課税実現には金商法移行が必要条件の一つであり、多くの政党が前向きに検討していると認識を示した。
16:23
マウントゴックス、ビットコイン1万BTCを動かす 弁済に進展か
破綻した暗号資産取引所マウントゴックスが11月18日、約1万608BTC(約1,470億円相当)を移動した。過去の大規模移動が債権者返済に先立って実施されてきた経緯から、今回も返済準備の可能性が指摘されている。同社は2024年7月から返済を開始しており、現在も約3万4,689BTCが未配布となっている。
14:54
暗号学者アダム・バック、ビットコインの現実的な量子リスクは最短でも20年後 「備えは十分可能」
暗号学者アダム・バック氏が量子コンピュータによる脅威について「20-40年は安全」との見解を示した。一方、専門家の間では5-10年以内のリスクを指摘する声もある。
13:40
エルサルバドル、下落局面で約155億円相当のビットコイン押し目買い 保有高は7474BTC
エルサルバドル政府が市場下落局面で約155億円相当のビットコインを追加購入し、保有高は7474BTCに達した。2025年1月に法定通貨地位を撤廃したものの、ブケレ政権は戦略的準備資産としての蓄積を継続している。
13:25
ヴィタリック、イーサリアムのプライバシー保護ツール「Kohaku」を紹介
仮想通貨イーサリアムのブテリン共同創設者がプライバシー保護ツール「Kohaku」を新たに紹介した。Railgun連携やゼロ知識証明で匿名性を強化する開発ロードマップを解説する。
13:10
CZ氏、6650億円の罰金返還なら米国に再投資と言及
バイナンス創業者CZ氏が米司法省への約6650億円の罰金返還時に米国再投資を表明。トランプ大統領からの恩赦後、民主党議員からの腐敗疑惑批判に対し、感謝と慎重さのバランスを強調した発言として注目される。
11:25
伝説投資家ドラッケンミラー、ブロックチェーン融資企業フィギュアの株式を120億円相当取得
フィギュア株価上昇 米ウォール街の伝説的なヘッジファンドマネージャーであるスタンリー・ドラッケンミラー氏が運営するデュケイン・キャピタルは11月15日、第3四半期の13F報告書…
10:55
ソラナ保有企業フォワード、367億円相当SOLをコインベースへ入金 警戒高まる
仮想通貨ソラナを財務資産として保有するナスダック上場のフォワード・インダストリーズが約367億円相当のSOLをコインベース・プライムに移動させた。売却か社内再編成かは不明だ。
09:50
「ビットコイン下落の背景は米ドル流動性低下」アーサー・ヘイズが年末までの市場予想
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨ビットコイン下落の原因を米ドル流動性縮小と分析した。ETF資金流出の背景や今後の下落および急騰シナリオを解説している。
09:30
自称「IQ276」のキム・ヨンフン、BTCは今後45日間で22万ドルまで上昇すると予想
自称IQ276のキム・ヨンフン氏は、仮想通貨ビットコインの価格は今後45日間で22万ドルに到達すると予想。明確な根拠は示していないが、世界最高のIQ記録保持者として価格を予想すると主張した。
09:20
Cboeが無期限型ビットコイン・イーサリアム先物を12月15日に開始、米国規制下で提供
Cboeが仮想通貨ビットコインとイーサリアムの無期限先物取引を12月15日に開始する。米国規制下でポジションのロールオーバーを不要にする。
08:15
米政権、海外仮想通貨口座の税務報告規則を審査中
米ホワイトハウスが海外仮想通貨口座に関する税務報告規則案の審査を開始した。国際的な仮想通貨資産報告枠組みCARFへの参加を実現し、租税回避を取り締まる狙いだ。
07:45
グレースケールのドージコインETF、11月24日取引開始見通し 新たなソラナETFも上場
グレースケールのドージコインETFが11月24日にも取引開始となる見通しだ。ヴァンエックは17日にソラナETFの提供を開始した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧