はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、一般企業にブロックチェーンデータ提供の公募を開始|仮想通貨の規制に向けた動きでも注目

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米SEC、ブロックチェーンデータ提供する企業を公募
米証券取引委員会(SEC)がリスク監視やコンプライアンスの執行活動などの目的のためにブロックチェーンデータを提供できる企業の公募を開始した。データを通じて不正アカウントの追跡が容易になることが予想される。

米SECがブロックチェーンデータ提供企業を募集

米国証券取引委員会(SEC)がリスク監視やコンプライアンスの執行活動などのサポートを得る目的で、ブロックチェーンデータを提供できるベンダー(企業)を公募していることが、SECの告知から明らかになった。

公式サイトに掲載された「Sources Sought Announcement(要請告知)」によると、ベンダーを介し、「入手可能な情報の範囲や取引の詳細などを含む、最も広範囲で使用されているブロックチェーン元帳のデータを取得する」ことが目的だ。

出典:fbo.gov

SECが本要請通知を発行した目的は、大・小規模ビジネスの可用性と技術的能力を判断するための市場調査の実施である。ブロックチェーンデータを提供し、リスクの監視、コンプライアンスの向上、デジタル資産に関する委員会の方針の通知といったSECによる取り組みを支援できるベンダーを求めている。

具体的にはベンダーはブロックチェーンデータを抽出し、容易にレビュー可能な形式に解析する必要があるほか、それらのプロセスの概要を、データの完全性および正確性に損失がないことを保証するための検証手順とともに提示することが求められる。

主な条件

米SECが今回発表した文書の中でも、主な要請条件は以下の4点である。

  1. 取引量に基づき、最も広範囲で使用されているブロックチェーン台帳のデータ抽出を定期的に提供する
  2. 「レビューおよび調査を可能にするためにデータを整理・正規化する」
  3. 属性データ(例:暗号化アドレスの所有者の識別情報)等を含む利用可能なデータから、洞察を引き出すキャパシティを提供する
  4. 提供されたデータの正確性および完全性を立証するための手段を提供する

米SECに協力を申し出る企業は2月14日までに、簡潔なキャパシティー・ステイトメントを(最大5ページ)をメールで送信する必要がある。

SECの動向とその重要性

SECのコンプライアンス検査局(OCIE)は先月、仮想通貨が「2019年の監視活動の6大優先事項」であることを発表したばかりである。こちらは「デジタル資産の著しい成長と、それに伴うリスク」を考慮したもので、重点は「仮想通貨の有価証券化」に置かれていた。

CoinPost関連記事

米国証券取引委員会、『仮想通貨』を2019年の監視活動優先事項に
「仮想通貨の有価証券化」に重点を置く、SECのコンプライアンス検査局が、2019年の監視活動6大優先事項に”仮想通貨を含むデジタル資産”を加えた。米国内では直近、仮想通貨にポジティブな法案も活発化しつつある。

そのため、今回の発表の真の目的は仮想通貨の所有権の断定や有価証券化の判断にあるものかと推測される。

また不透明性を理由に申請を却下し続けているビットコインETFの承認問題に関しても、属性データを利用して特定のアドレスとアカウントを紐づけすることが可能になれば、不正なアカウントの追跡が容易になる。

SECの一連の活動を、「デジタル資産市場の成長やイノベーションを妨げる過干渉」と批判する声も聞かれるが、外部にリアルタイムな洞察の提供を求めるというアプローチからは、SECから新たな技術を丁寧に見極める姿勢が見られる。

実際、SECは昨年時点から仮想通貨コミュニティーから意見を募る「フィンテック・メールボックス」を設けているほか、10月にはDLT技術(デジタルアセット含む)等のフィンテック関連案件への窓口となる「FinHub」を開設している。

2018年8月には米国麻薬取締局(DEA)の代理人であるリリタ・インファンテ氏が、「プライバシーを重視した暗号はビットコイン(BTC)よりも匿名性が高いが、機関は追跡する方法を知っている」と述べている。

ブロックチェーンは実際に私たちが人々を識別できるようにするための、たくさんのツールを提供してくれる。私は実際に彼らに仮想通貨の利用を続けてほしい。

金融庁や米SECなど、政府機関が仮想通貨関連の規制に乗り出す背景には、決してネガティブな要素のみが潜んでいるわけではないと言えるだろう。

米国における仮想通貨関連の規制は連邦政府レベルでは未だに法案が通っていない状況だが、州政府レベルでは確実な動きが進んでいる。

最近では、米ワイオミング州で法案として提出されていたデジタル・アセットの法的定義・分類を明確化する法案が可決し、3月1日から施行することが判明している。

CoinPost関連記事

米ワイオミング州、仮想通貨を分類する法案が法律へ|3月1日より実施
米ワイオミング州は、仮想通貨・ブロックチェーン関連技術を積極的に推進していることで注目を浴びている中、先日提出されたデジタル・アセットの法的定義・分類を明文化する法案が、議会による投票で可決され正式に法律となり、3月1日より有効となる。

また1月にはニューハンプシャー州で仮想通貨での納税に関する法案が提出されたほか、先週行われたフロリダ州の裁判では仮想通貨が「決済手段」と「交換の媒介」と位置づけられた。

そのほかでも、コロラド州やワシントン州でも仮想通貨関連の法案が提出されており、アメリカの州単位での規制状況が着実に進んでいると言える。

CoinPostの関連記事

米CboeビットコインETF申請を再び提出|専門家が予想するSECの最終判断時期とは
Cboe(シカゴオプション取引所)とVanEck社、SolidX社が1月24日に取り下げされていたビットコインETFに関する申請を再度、米SECに提出したことが判明。米トランプ大統領が政府閉鎖を解除してから1週間後に再提出する形となった。
仮想通貨の有価証券問題を巡り米SECと初の裁判へ 企業の仮想通貨利用を左右する重要事例に|その重要性を解説
メッセージアプリ「Kik」を提供するKik社が独自発行した仮想通貨プロジェクトの有価証券性を巡って米SECと裁判での抗戦も辞さない姿勢を示した。本件の判断次第では、有価証券性に大きな前例ができる可能性があり、今後の仮想通貨市場に最注目の裁判となるだろう。
▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者11,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09:50
「ビットコイン下落の背景は米ドル流動性低下」アーサー・ヘイズが年末までの市場予想
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨ビットコイン下落の原因を米ドル流動性縮小と分析した。ETF資金流出の背景や今後の下落および急騰シナリオを解説している。
09:30
自称「IQ276」のキム・ヨンフン、BTCは今後45日間で22万ドルまで上昇すると予想
自称IQ276のキム・ヨンフン氏は、仮想通貨ビットコインの価格は今後45日間で22万ドルに到達すると予想。明確な根拠は示していないが、世界最高のIQ記録保持者として価格を予想すると主張した。
09:20
Cboeが無期限型ビットコイン・イーサリアム先物を12月15日に開始、米国規制下で提供
Cboeが仮想通貨ビットコインとイーサリアムの無期限先物取引を12月15日に開始する。米国規制下でポジションのロールオーバーを不要にする。
08:15
米政権、海外仮想通貨口座の税務報告規則を審査中
米ホワイトハウスが海外仮想通貨口座に関する税務報告規則案の審査を開始した。国際的な仮想通貨資産報告枠組みCARFへの参加を実現し、租税回避を取り締まる狙いだ。
07:45
グレースケールのドージコインETF、11月24日取引開始見通し 新たなソラナETFも上場
グレースケールのドージコインETFが11月24日にも取引開始となる見通しだ。ヴァンエックは17日にソラナETFの提供を開始した。
07:10
仮想通貨投資商品、先週の資金純流出額が2月以降最大規模
仮想通貨投資企業CoinSharesは、ETFなどのデジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約3,100億円超の純流出だったと報告。今回もビットコインとイーサリアムが流出を主導した。
06:55
ビットコインの25%下落は「浅い調整」と米投資銀行が分析、トム・リーはイーサリアムのスーパーサイクルを予測
投資銀行バーンスタインがビットコインの約25%下落は大幅な下落の始まりではなく短期的な調整だと分析した。ビットコインETFの機関投資家保有率は2024年末の20%から現在28%に上昇。
06:25
95%のビットコインが採掘済み、2140年に完全流通へ
ビットコインのマイニング済みコイン数が1,995万BTCを超え、固定上限2,100万BTCの95%に達した。残りの5%は極めてゆっくりと放出され、2140年頃に最後の端数が採掘される見込みだ。
06:00
ビットコインが今年の上昇分を帳消しに、新規投資家が14.8万BTC損切り 流動性悪化と日本債券ショックも影響か
ビットコインが約7カ月ぶりに9万3,000ドルを下回り、2025年の上昇分をすべて失った。新規投資家が14万8,000BTCを損切りし、流動性逼迫も下落要因となっている。
11/17 月曜日
20:08
暗号資産の金商法移行が本格化、分離課税実現へ最終局面=ブロックチェーン議連
金融庁が暗号資産を金商法に位置づけ、インサイダー取引規制を整備する方向を明示。業界団体は20%申告分離課税を要望。来年の通常国会での法整備を目指す。第31回ブロックチェーン推進議員連盟で議論。
17:41
IG証券、仮想通貨ETF CFD取引を終了へ 金融庁の新指針受け
IG証券が仮想通貨ETF CFD取引の終了を発表。金融庁が「望ましくない」との見解を示したことを受け、12月1日から新規建て停止、2026年1月末までに既存ポジションの決済が必要に。
16:43
ステーブルコイン取り付け発生ならECB金利再考も、オランダ中銀総裁が警告=FT報道
欧州中央銀行の政策委員がステーブルコインの取り付け騒ぎ発生時にはECBが金融政策見直しを迫られる可能性があると警告。米ドル建てステーブルコインの急拡大が欧州の金融主権に及ぼすリスクについて、ECB当局者や専門家の懸念が高まっている。
14:32
ハーバード大のビットコイン投資が急増 IBIT保有を前期比257%拡大
ハーバード大学がブラックロックのビットコイン現物ETF(IBIT)保有を257%増加し、685億円相当を保有していることが明らかになった。これによりIBITがポートフォリオ最大の銘柄となった。
12:15
金融庁、資金調達目的の暗号資産発行者への情報開示義務化へ=報道
金融庁は資金調達型暗号資産発行者に年1回の情報開示を義務化する方針。金融審議会では継続開示の必要性や頻度をめぐり議論が展開。ICO・IEOの構造的課題も指摘され、2026年の金商法改正案に盛り込まれる見通し。
11:40
デッドクロス形成のビットコイン、市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」水準で推移
ビットコイン急落に伴いテクニカル指標は弱気のデッドクロスを形成している。FRB利下げ期待の後退を受け、投資家がリスク資産から安全資産へシフト。市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」を示す水準まで悪化した。デリバティブ清算が連鎖しETF大規模償還につながったが、専門家は感謝祭後の回復を予測している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧