はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

機関投資家向け「秘密鍵」不要の仮想通貨ウォレット公開へ|ビットコイン保有リスクに係る重要事例に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

秘密鍵なしのウォレット
米デジタルアセット・セキュリティ関連企業Curvは、機関向け仮想通貨ウォレットサービスローンチのため、マネックスなどから資金調達に成功した。提供するサービスは秘密鍵を必要としない。

秘密鍵なしのウォレット

米ニューヨークに拠点を置く、デジタルアセット・セキュリティ関連スタートアップ「Curv」は、機関向け仮想通貨ウォレットサービスをローンチするための資金650万ドル(約7億1900万円)の調達に成功したことを、プレスリリースで公表した。

出資者には、マネックスグループや、Team8、Digital Currency Groupなどが含まれている。

機関投資家ウォレットとしてどのような特徴を持つか?

Curv社は、暗号文のままデータ処理を行うことができる「MPCプロトコル(multi-party computation protocols)」を用いることにより、暗号化されたデータに関する復合の必要性を排除、秘密鍵を必要としないサービスを提供するという。

従来のウォレットでは、ブロックチェーンのデータの取得側が暗号の解読に秘密鍵を利用して復号する仕組みをとるが、このプロトコルを利用すると、その復号の過程で秘密鍵を必要とせずに、直接(暗号化した状態で)データ処理が行えるようだ。 これまでこの秘密鍵の盗難事例が多く、その秘密鍵をどのような包括的セキュリティで管理するかが課題にあったため、この懸念点が払拭された状況でウォレットのプロダクトがローンチすれば、業界においても大きなニュースとなる。

なお、プレスリリースではより早く、安全で、分散化された取引が可能となり、サイバー攻撃や物理的ダメージ、内部操作を防ぐことができるとしている。

また、安全性・可用性を高めるため、クラウドサービスを基盤としたソフトウェアのみのサービスを提供、従業員、機器、ウォレットなど「コンプライアンスに関わるデジタルアセット」の組織方針をきめ細やかに管理ができるなど、柔軟な企業レベルでのポリシーエンジンを提供するとしている。

Curvの創設者でありCEOのItay Malinger氏は、以下のように語っている。

我々は、デジタルアセットのセキュリティに、先進的なアプローチをすることで、ブロックチェーンの秘めるポテンシャルを発揮させることを目標としている。

顧客が全てのデジタルアセットを安全に統合・管理できるサービスを提供することで、容易に取引が行えるようになり、この分野の成長が可能となる。

ウォレット管理の課題

以前、カナダの仮想通貨取引所QuadrigaCXが、顧客資産をすべて喪失し、破産による債権者保護を裁判所に申請した事件が発生した。

その際、同取引所は、資産喪失の理由として、取引を管理していた人物(同社CEO)が一人であり、その管理人が亡くなったため引き出しができないとの弁明を行なっており、仮想通貨資産へのアクセス権が争点となった。

これはほんの一例ではあるが、ウォレット管理には課題がまだまだ多い。Curvが提供するプロダクトにより、それら問題を解決できるかどうかは、仮想通貨投資に係る重大リスクに保有環境や喪失リスクを置く機関投資家への重要なアプローチになり、業界を好転させる材料となるだろう。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

125年の歴史を持つスイス大手銀行が仮想通貨業界参入を表明 ビットコインなどを持続性のある資産クラスと評価
スイスの大手銀行であるジュリアス・ベアが仮想通貨カストディなどを提供するSEBA社に出資し、提携を結んだことを発表。同国FINMAの登録が通り次第、機関投資家向けのカストディ事業者誕生となる見込みだ。
JPモルガンの独自仮想通貨を一般利用できる日が来る? ダイモンCEOが新たな可能性を示唆
ビットコイン懐疑派としても知られるJPモルガンCEOが、独自仮想通貨「JPMコイン」の商用目的や一般利用が行われる可能性を示唆する発言を行なった。大手顧客を対象とした大口決済や送金目的の通貨として、発表された同通貨の一般消費者の利用に言及するのは初となる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧