はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「米スタンフォード大学」講義に学生が猛反発、ビットコインの虚偽的説明疑惑|客員教授は米リップル社の取締役会役員を兼任

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

名門大学のビットコイン講義に学生が猛反発
スタンフォード大の学生は、教授の学術的立場と私的企業役員の利益相反を指摘、「ビットコインに対して不正確な情報を与えたと同時に、代替手段としてリップル社の技術を奨励した」と抗議した。

名門大学のビットコイン講義に学生が猛反発

世界大学ランキングで常に上位にランクインする、名門「米スタンフォード大学」。

スタンフォード大学院のビジネススクールで行なわれたブロックチェーンの講義に関して、一人の学生が抗議の声を上げ、注目を集めている。

同大学の学生Conner Brown氏は今年1月、同大学ビジネススクールのSusan Athey客員教授がゲスト講師として行った「ブロックチェーンと金融の未来」と題する講義に出席。

Brown氏は、米Ripple社の取締役会役員を兼任するAthey客員教授の講義内容(公開されているスライド)に対し、「ビットコインのプロトコルとネットワークに対して、不正確な情報を与えたと同時に、代替手段としてRipple社の技術を公然と奨励した」と抗議した。

講義内容に大きな疑念を抱いたBrown氏は、大学側に電子メールを送り、Athey客員教授の学術的立場と私的企業役員としての”利益相反の可能性”を指摘するとともに、「ビットコインに対する複数の虚偽的説明」と考えられる理由について、よく知られている研究内容や学術論文などのリンクも紹介しながら、詳細に説明している。

指摘内容

Brown氏の指摘内容の要旨は、以下の通りだ。

  • ビットコインは「中国の少数のマイナーグループによってコントロールされている」
  • =ビットコインネットワーク上のマイニングノードと完全検証ノードを混同している
  • ビットコインのアカウントは「暗号化ではなく、経済的に保護されされている」
  • 「ビットコインは無用な数学問題を解決するために、河川から奪い取ることで得られた電力を浪費する」
  • 昨今の技術の進歩に言及することなく、2013年頃のビットコインウォレットの事例を紹介
  • 誤ったビットコインアドレスを入力した場合、その資金は失われる
  • =最近のウォレットにはこのような事故を防ぐための「QRコード機能」があるが、それには言及なし
  • リップル社は、トークンを「定期的に分散」するだけであり、XRPを販売していない

SNS上で公開に踏み切る

しかし、1ヶ月が経っても大学側から明確な回答が得られなかったため、Brown氏はメール内容をSNSでの公開に踏み切った。

そんなBrown氏の行動と明瞭なメール内容に対し、ツイッター上で大きな支持を得ているようだ。これに対し、Athey客員教授はツイッター上で以下のように弁解した。

私は教授としてではなく、ゲスト講師という立場で講義を行い、リップル社での役割も公表している。コナーは私とコンタクトを取っておらず、この手紙もシェアしていない。私の講義に対する彼の説明はパロディであり、描写の仕方には賛同しかねる。」

これに対し、学生のBrown氏は謝辞を述べ、講義で用いたスライドを公表することを打診すると、Athey客員教授もこれに応じて公開に至った(上述)。

スタンフォード大学

スタンフォード大学は、カリフォルニア州シリコンバレーに位置することもあり、現地のテクノロジー関連企業とも強いつながりを持っている。リップル社のCEO、Chris Larsen氏もスタンフォード大学のビジネススクールにてMBAを修めており、Athey客員教授自身もスタンフォード大学で博士号を取得している。

Athey客員教授は、ハーバード大学で教鞭を取った経歴を持ち、数々の経済学関連協会の役員も務める定評のある経済学者であり、今後、スタンフォード大学で仮想通貨のコースを教えることになっているという。 

Brown氏は、この件について、仮想通貨メディアBitcoin Magazineのインタビューに応じ、次のように答えている。

私のクラスメートにとっての最初のビットコインとの出会いが、重大な事実上の誤りを含んだ、反ビットコイン的な発言であることに対して、懸念している。大学はマーケティングの場ではなく、概念を精査するためのもだ。教授が利益相反の可能性がある場合は、最高水準の精査と相互評価を受けるべきだと思う。」

「しかし、ビットコインはインターネットの生き物であり、学際的で進化する性質を持っているため学者がその特性を理解するのは、困難だと言える。学問分野の設計のサイロ化(*他分野との連携欠如を指す)と査読プロセスのペースが遅いため、カリキュラムの開発は困難だろう。」

世界の知の最高峰、スタンフォード大学はブロックチェーン技術研究に対しても、力を入れていることで知られているが、その進歩の速度を学問的に組み込んで行くのには、多大な努力を必要とするのかもしれない。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ビットコインの上位互換を目指す仮想通貨の開発へ MIT、スタンフォード大などの名門大学がプロジェクトとの提携を発表
多くの仮想通貨が、スケーラビリティ問題などの課題を抱える中、ブロックチェーン研究を行う非営利団体「DTR」に務めるアメリカ名門大学の教授らが共同で、決済に特化した新たな仮想通貨「Unit-e」の開発に乗り出すことが判明した。
スタンフォードビジネススクール:「仮想通貨コース」の提供拡大へ
ベンチャーキャピタルにおける”ブロックチェーンに精通した人材"の募集や、ビットコインなどの市場拡大を背景に、世界トップレベルのビジネススクールでも、仮想通貨コースのニーズが急激に高まっています。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者13,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧