- ビットメックス調査部門、イーサリアムのノード特化サイト開設
- 大手仮想通貨取引所ビットメックスの調査部門が、イーサリアム・ノードデータの統計サイトを開設した。レポート内では、パリティフルノードに「潜在的なバグ」が含まれている可能性を指摘している。
ビットメックス調査部門、イーサリアムのノード情報サイト開設
仮想通貨デリバティブ取引所最大手のビットメックス(BitMEX)の調査部門は、新たに五つのイーサリアムノードからの主要データ収集に特化したサイトNodestats.orgをオープンした。
イーサリアムネットワークのデータ分析を行うTokenAnalyst社と共同で立ち上げられたこのサイトでは、5秒毎(1時間に720回)にクエリを実行し、それぞれのノードが必要とする演算リソース関連の指標データを公開している。
Nodestats.orgでは、イーサイアムクライアントの中で最も代表的なGethとParityから提供された、CPU使用率、メモリ(RAM)、帯域幅及びストレージに関するデータを、フルノード、ファーストノード、アーカイブノードのパフォーマンスを比較する形で表示している。
同サイトは、3月1日からデータ収集を開始したばかりで、限られたデータからの分析から確固たる結論を引き出すのは時期尚早だとしながらも、3月12日時点で、パリティフルノードが、依然としてイーサリアムチェーンと完全に同期していないことから、ビットメックスリサーチ側は、パリティフルノードに「潜在的なバグ」が含まれている可能性があることを示唆している。
ビットメックスのレポートによると、クライアントは45万ブロックの後れを取っており、メインチェーンの先端に追いつくのには、2,3日かかるだろうと予測している。
「デュアルコア2.3GHz、14GBのRAM、SSDストレージ、10 Gbpsインターネット接続」 といった仕様のパリティフルノードマシーンにおいても、同期に12日以上かかっていることは、イーサリアムネットワークにとっては懸念となる可能性があると指摘する一方、現時点においては、同期の遅さはネットワークにとって問題にはならないだろうと次のように述べている。
初期同期の遅さは潜在的な問題だが、少なくともこのシステム設定では、同期がブロックチェーンの増殖より速いため、イーサリアムは、まだノードが追いつくことができないポイントには達していない。
しかしレポートでは、パリティフルノードは「チェーンの先端から数十万ブロック遅れているにもかかわらず、同期していると報告することがある」ことから「潜在的なバグ」が含まれている可能性を指摘した。
さらに、ビットメックスは、このバグを悪用した攻撃が起こる状況も考えられると予想しているが、同時にそれが成功する可能性は非常に低いとも説明している。
ビットメックスは、このバグにより、サイトの他のデータの正当性まで懸念が及ぶ可能性があることを認めながらも、今のところ、ノードから提供されたデータをそのまま使用するという。
Nodestats.orgのサイトは、現在構築途上にあり、TokenAnalystと連携しながら、ノードが報告するデータへの依存度を低くし、独自の計算方法を開発することによってデータの完全性を向上させると、ビットメックス側は述べている。
また今後数ヶ月〜数年の間に、下記のような機能を追加する予定だとしている。
- 長期トレンドを分析するためのチャートとツール
- データの精度向上
- フォーク検知システム
- 他のピア関連データ
イーサリアムは、3月初旬に大型アップデートを終えたばかりであるため、今回ビットメックスがイーサリアムのノードに特化したサイト開設に至ったものと考えられる。
仮想通貨商品取引所ビットメックスの調査部門である「BitMEX Research」は昨年11月、ビットコインキャッシュが大型アップデート(ハードフォーク)を行なった直後にも、同様にビットコインキャッシュのノードを監視するサイトを開設していた。
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