はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

CEO急死で160億円相当の資産消失の仮想通貨取引所「QuadrigaCX」、事件の新たな展開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

カナダ仮想通貨取引所「QuadrigaCX」の資産喪失事件の最新展開
唯一の秘密鍵管理者であったCEOの急死により、顧客資産が失われたカナダの取引所「QuadrigaCX」。本記事では、その事件の最新の動向を報告していく。

「QuadrigaCX」の資産喪失事件に進展

カナダ仮想通貨取引所「QuadrigaCX」のCEOであり、唯一の鍵管理者であったGerald Cotten氏が急死した結果、当時の価格で160億円相当の仮想通貨が引き出せなくなっている事件に関していくつかの進展があった。

本記事では、本件における最新の情報を以下の3点にまとめて伝える。

  • 裁判所によってQuadrigaCXの監査役として任命されたErnst & Young (EY)のレポートが資産管理の不可解な点を指摘。(3月1日)
  • QuadrigaCXに対する、失った資産を探すための猶予期間延長の裁判所による決定。(3月5日)
  • 故CEOの夫人による顧客資産引き出しに関する発言。(3月13日)

Ernst & Youngがレポートで資産管理の不可解な点を指摘

2月5日に、世界各国でプロフェッショナル・サービス事業を展開するロンドン拠点の企業Ernst & Young (EY)がQuadrigaCXの監査役を裁判所によって任命。同社が今月1日に公開したレポートで、同取引所のいくつかの不可解な点が指摘された。

その内容は以下のようになっている。

  • QuadrigaCXでビットコインの管理に使われていた主要な6つのウォレットを特定したが、1つを除いたすべてのウォレットが2018年4月からデポジットなし。1つには意図が不明な50万ドル相当の送金があった。
  • QuadrigaCXよって偽名を使った14のアカウントが作成されており、同取引所上でのデポジットやトレードがあった。

また、Ernst & Youngは、同取引所のクラウドにある取引保護やアカウントのバランスデータの取得を試みたが、Amazon Web Serviceからアクセスを拒否されたという。

同社は、ウォレットが機能していなかったのは他の取引所に資産がデポジットされていた可能性があるとしており、そのような取引所の1つとしてKrakenがある。

なお、Krakenはなくなった資産の発見に貢献する情報提供に対し10万ドル(約1,116万円)の報酬を与えるとしている。

カナダの裁判所がQuadrigaCXに45日間の猶予期間を与える

3月5日、カナダのNova Scotia最高裁はQuadrigaCXに、4月23日まで45日間の消失した資産を探す猶予を与えた。

なお、規定により、この猶予期間中は民事訴訟を起こされることはなくなる。

また同裁判所は、QuadrigaCX故CEOの夫人Robertson氏の「再生責任者(CRO)へのアポイントメント」の要求を許可。これにより、同取引所は必要最低限の資金での新たなCROの雇用が可能になった。

故CEOの夫人が顧客資産引き出しについて発言

QuadrigaCX故CEOの夫人Robertson氏が、同取引所の銀行口座が凍結されている中での資金の出処について、故CEOの自己資金であったとCoindeskに伝えた。

また現在は、同取引所の法的手続きを進める新たな企業を探しているという。

Ernst & Youngの報告によると、同取引所の法手続きを担当していた前任の企業Stewart McKelveyとは利害対立の問題で関係は解消されていたという。

様々な疑問を残したままの本件であるが、大量の顧客資産の行方について今後の展開が注目されている。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者13,000名突破。

CoinPostの関連記事

失われた秘密鍵:カナダ仮想通貨取引所「QuadrigaCX」事件再発をどう防ぐのか|LongHash考察
QuadrigaCXのCEO兼、唯一の鍵管理人 Cotten氏が急死した結果、1億ドルの価値に及ぶ仮想通貨を引き出すことが不可能となった。再発防止に求められることとは?
失われた110億円相当のイーサリアムが見つかる|秘密鍵喪失で顧客資産が凍結した仮想通貨取引所の事件に進展
唯一の鍵管理者であるCEOが急死したことで、1億ドル相当の仮想通貨が引き出し不可能となった仮想通貨取引所の事件に進展。失われていた仮想通貨の一部、約60万ETHが発見され、取り出せる可能性が出てきたことがわかった。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/21 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコインの2026年相場予測やブロックチェーン人気ランキングなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、流動性低下で来週も不安定な展開か|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインの今後の見通しをbitbankアナリストが解説。年末のホリデーシーズンで流動性が低下する中、来週にかけても方向感に欠ける展開が続く可能性。12月の米雇用・物価データが金利見通しの鍵を握る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|与党税制改正大綱の決定に高い関心
今週は、米SECのポール・アトキンス委員長の講演、ノルウェー政府系ファンドによるメタプラネットのビットコイン戦略に対する支持、政府・与党の2026年度税制改正大綱の決定に関する記事が関心を集めた。
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧