- 米財務省が北朝鮮のサイバー攻撃に対して声明を発表
- 米財務省が、北朝鮮の3つのハッカー集団を制裁対象にすることを発表。これらのハッカー集団は、従来の金融機関等に加え、仮想通貨を扱う企業も攻撃の対象にしており、そこで集めた資金は北朝鮮の武器やミサイル開発に充てられているという。
北朝鮮のハッカー集団を制裁対象に
米財務省が、北朝鮮国家が後援する3つのハッカー集団を制裁対象にすると発表した。
今回制裁対象となった集団は、ラザルス・グループと、その関連組織であるブルーノロフとアンダリエルだ。これらの集団は全て北朝鮮の情報機関の支配下にある。
今月、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは、北朝鮮が各国の金融機関へのサイバー攻撃などを通じて、最大20億ドル(約2160億円)の資金を違法に取得したと正式に発表した。報告書は2月から8月の制裁の履行状況をまとめたもので、仮想通貨取引所を含める金融機関へのサイバー攻撃や感染型ウイルスなど、具体的な状況や手法を明らかにしている。
米財務省は今回の発表で、従来の金融機関や各国政府などに加え、北朝鮮のサイバー攻撃は、仮想通貨取引所や仮想通貨プロバイダーも対象にしていると説明。制裁対象となった3集団は、2017年1月から2018年9月の期間にアジアの5箇所の取引所から、仮想通貨だけでおよそ5億7100万ドル(約617億円)を盗難したと報告している。
米財務省とは別に、米国土安全保障省らの別組織がマルウェアの調査を行い、北朝鮮のサーバー攻撃で利用されたものを複数特定している。これは米国の金融システムやその他の重要なインフラを保護する取り組みの1つだ。またグローバルなセキュリティを向上させることも目的としている。これは、米政府の北朝鮮からの攻撃に対抗する取り組みの一例として、米財務省が今回の発表の中で伝えた。
米財務省のテロ対策や金融情報を担当する部門の副長官であるSigal Mandelker氏は、今回の発表の中で、武器やミサイル開発の資金を確保するためにサイバー攻撃を行なった北朝鮮のハッカー集団に制裁を科す意思を明確に述べ、「我々は北朝鮮に対して米国や国連が行なっている制裁を継続し、金融ネットワークのセキュリティを向上させるために他国とも連携していく」と語っている。
参考資料 : 米財務省