はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

欧州中銀がR3、アクセンチュアと共同調査「中央銀行デジタル通貨における匿名性」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Cordaシステムを使用するECB

欧州中央銀行(ECB)がR3社などと調査を行い、中央銀行デジタル通貨(CBDC)による決済を、ユーザーのプライバシーを保護しつつ行うシステムを開発することが可能であると結論している。

「中央銀行デジタル通貨における匿名性の調査」と呼ばれる報告書によると、欧州中央銀行システム(ESCB)は、CBDCの匿名性に関する概念実証(PoC)を確立した。

CBDCとそのもたらす、一般大衆への潜在的な利益についての一連の調査研究の中で今回のデモンストレーションも行われた。実証はブロックチェーン企業のR3社、およびAccenture社との協力により実現したという。

実証では、R3社の開発提供するR3社のブロックチェーンプラットフォームCordaを使用して、2つの仲介業者、中央銀行、マネーロンダリング防止(AML)機関という4つの関係機関のやり取りを前提とされた。

各機関は、CorDappを運用するノードによってネットワーク内で表され、その間で資産を転送した。

デモンストレーションでは、AML/CFT(テロ資金調達対策)についての法的順守を行うソリューションが構築された。それと同時に、ユーザーの身元情報や取引履歴などプライバシーを匿名に保つことができた。

中央銀行も、取引仲介機関も、ユーザーの同意がなければ、そのプライベート情報を閲覧することはできない。

Cordaプラットフォームを使することで、低価格取引のユーザーのプライバシーを保護し、同時に高価格の取引がAML/CFT確認を受けることを保証する、CBDC支払いシステムを構築できることが示されたと報告書は説明している。

改善すべき点も

しかし改善点も挙げられる。

取引に関与していない関係者に見える情報の量を減らすことや、仲介機関を利用できない場合に、ユーザーが直接、CBDCの残高にアクセスする能力などが必要とされている。

また、スケーラビリティ問題についても、今回の実証実験ではテストされていないため、リアルタイム決済システムとの相互運用性についても調査する必要がある。

プライバシーの問題については、公開鍵のローテーション、ゼロ知識証明、エンクレーブコンピューティングなどの技術を適用することにより、さらに改善できるとも述べている。

12月前半に欧州連合は、「グローバルステーブルコイン」の採用に関するリスクを概説し、世界規模で採用された場合、それは通貨主権、プライバシー、サイバーセキュリティに対する脅威になると主張していた。

一方で、ECBのChristine Lagarde新総裁は、仮想通貨やブロックチェーンに好意的な姿勢を示している人物でもある。「ステーブルコインを初めとする技術革新は、効果的な規制や監督を通したリスク管理ができて初めて利用することができる」と、技術の発展と規制のバランスがとれたルールの策定を重要視する姿勢を示している。

またECBの最終的目標としては、より安全で技術力が高く、統一された決済手段をユーロで実現することだとも述べている。

今回の実証実験も、規制でコントロールしながら技術を発展させていこうという姿勢の一環であると見られる。

参考:ECB報告書

CoinPostの注目記事

仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
16:19
ソラナ公式が「XRP登場」を発表 wXRPが同日ローンチ
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表。ヘックス・トラストもwXRPのソラナローンチを同日発表し、1億ドル超のTVLを確保。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現へ。
15:10
Animoca Brands Japan、ビットコイン分散型金融「Solv Protocol」とMOU締結
アニモカジャパンはSolv ProtocolとMOUを締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT領域で協力を拡大。BTCFi活用による財務戦略の高度化を目指す。
14:57
米CFTC、ポリマーケットなど4社にデータ規制で柔軟対応
米CFTCが予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆2000億円)に達し、急成長が続いている。
13:55
コインベース、予測市場とトークン化株式ローンチ予定=ブルームバーグ
米最大手仮想通貨取引所コインベースが12月17日に予測市場とトークン化株式を発表予定。ジェミニのCFTCライセンス取得やDTCCのトークン化承認など、業界の競争激化と規制進展が加速している。
13:20
テラフォームラボのド・クォン創業者に懲役15年の判決 ステーブルコインUST崩壊背景に
テラフォームラボのド・クォン創業者に米国地裁で懲役15年の判決。2022年のアルゴリズム型ステーブルコインUST崩壊により数兆円の被害をもたらしていた。
13:10
YouTube、クリエイター報酬でペイパルのステーブルコイン支払いに対応
フォーチューン誌によると、ユーチューブが動画プラットフォームのクリエイターに対し、ペイパルのステーブルコインPYUSDでの報酬受け取りを選択できるようにした。現在は米国ユーザーのみに適用される。
11:53
ビットコイン9万ドル割れから反発、売り圧力後退も流入資金は半減
12日の暗号資産市場でビットコイン(BTC)はFOMC後に一時9万ドルを割り込んだが米国時間にかけて反発した。ただアナリストは売り圧力減少による反発と指摘し、ステーブルコイン流入が8月比50%減の760億ドルまで縮小した。新たな流動性回復まで上昇は限定的で、週足9万3000ドル確保が強気継続の条件に。
11:35
コインベース、ソラナ系トークンの直接取引を開始 上場審査不要で即時売買
米仮想通貨取引所大手コインベースが、アプリ内でソラナ系トークンをDEX経由で直接取引できる新機能を発表。従来の上場審査なしで数百万種類のトークンに即座にアクセス可能。1.2億ユーザーに順次展開予定。
11:04
国税庁が調査結果を発表、暗号資産取引の追徴税額46億円に
国税庁が令和6事務年度の調査結果を公表。暗号資産取引に対する追徴税額は46億円で前年比31%増、1件当たり745万円と全体平均の2.5倍に。政府は分離課税導入に向け調整を進めている。
10:02
米上院銀行委員会長、仮想通貨「クラリティ法案」で銀行幹部らと協議
米上院銀行委員長がビットコインなど仮想通貨の市場構造を定める法案で銀行業界と協議し、進展があったと報告した。ステーブルコイン利回りやDeFiが法案の争点となっている。
09:49
米CFTC、仮想通貨取引の引き渡し規則を撤廃 規制緩和へ
米CFTCが仮想通貨の「現物引き渡し」に関する2020年ガイダンスを撤回。ファム委員長代行は「時代遅れで過度に複雑」と指摘し、規制簡素化へ。12月には現物取引承認やパイロットプログラム開始など、トランプ政権下で仮想通貨規制の整備が加速。
09:35
コインベース、ラップドトークン向けにチェーンリンクのクロスチェーン技術を採用
仮想通貨取引所コインベースはチェーンリンクのクロスチェーン技術を採用。ビットコインのcbBTCやイーサリアムのcbETHなどラップドトークンの送金に活用する。
09:25
米決済機関DTCCがトークン化サービス開始へ、SECから許可
米預託信託決済機構DTCCの子会社DTCがSECから無措置書簡を取得し、DTC管理下の実世界資産をトークン化する新サービスの提供が承認された。2026年後半にサービス展開を開始する予定だ。
08:20
ビットコイン、年末サンタ・ラリーの可能性低下 FRB利下げ後=アナリスト分析
FRBが25ベーシスポイントの利下げを実施した後、ビットコインが約9万ドルまで下落した。アナリストは年末のサンタ・ラリーが起こりにくいと分析しており、強気の確信は2026年初頭に先送りされている。
07:35
ステート・ストリートとギャラクシー、トークン化キャッシュ運用ファンドをローンチへ
ステート・ストリートとギャラクシーは、トークン化したキャッシュ運用ファンドのローンチ計画を発表。まずは仮想通貨ソラナのブロックチェーンに対応し、将来的にはステラやイーサリアムなどにも拡大するとした。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧