レバノン経済危機
米CNNなどのメディアによると、レバノン(中東)で法定通貨の急落が止まらず、激怒している民衆は中央銀行に放火した。
レバノンの通貨はここ数日で急落しており、昨年10月以来約70%下落。食料品価格が急騰し、大量解雇や事業閉鎖も相次いでいる。レバノンの2020年の貧困率はおよそ50%に達する見通しを、世界銀行は立てている。
生活状況が深刻さを極める中で、政治エリートが経済対策を怠っていると批判する市民が首都ベイルートなど複数の大都市で反政府デモを起こし、銀行に投石や放火などしていた。
一方、レバノン人はオルタナティブ通貨としてビットコインなどの仮想通貨に注目。レバノン中銀が米ドルなど外貨の購入制限を課しているため、レバノン人は従来の金融システムの代替手段として仮想通貨を使い始めたようだ。(日経アジアレビュー参照)
レバノンの中央銀行はこれまで資本逃避を防ぐために、クレジットカードでのビットコイン購入を規制している。また、インターネットなどのインフレが不安定であるため、仮想通貨の普及が進んでいなかった。しかし、政府・銀行不信から、一部のレバノン人は主にOTC市場を通してビットコインを取引し始めているという。
レバノンだけでなく、アルゼンチンやベネズエラなど、通貨インフレが深刻化している国においてもビットコインへの資金流入が高まっており、先日Localbitcoinsで歴史的出来高を記録している。