はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨課税の国際指針──経済協力開発機構が日本含むG20に提案へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2021年を目指し、仮想通貨の課税枠組みを準備

経済協力開発機構(OECD)がG20の財務大臣に向けて税務レポートを発表、その中で、暗号資産(仮想通貨)の課税枠組みを準備していることを明らかにした。

OECDは、2021年に日本を含むG20(主要国首脳会議に参加する7か国、EU、ロシア、および新興国11か国の計20か国・地域からなるグループ)へ国際的な仮想通貨課税のガイドラインを提示することを視野に入れて、税務フレームワークの詳細な技術提案に取り組んでいくとしている。

これは仮想通貨に関する税の透明性を確保する税務報告の国際的な枠組みで、仮想通貨の「動的で移動性の高い性質」を反映することが目的。ウォレットプロバイダーや、ステーキング報酬などの問題の解決なども目指す。

OECDは別途、10月12日付けで「仮想通貨への課税」というタイトルのレポートも発行しており、50以上の国や地域に調査を実施して、仮想通貨の現時点での税務取扱方法や、課税する上で考慮すべき点などをまとめた。

レポートでは、既存の法律が不明確であったり、仮想通貨の特殊性を考慮して作成されていない場合には、より具体的なガイダンスの発行の検討を推奨すると述べた。

特に、所得税、付加価値税(VAT)、固定資産税や譲渡税などを巡って、仮想通貨の定義を明確にし、分かりやすく説明することが必要だとしている。

課税の仕組みをよりシンプルに

「仮想通貨への課税」レポートでは、幾つか具体的なアイデアも提案された。その中には、現在指摘されている税務報告上の手間や問題点を解決するものも挙げられている。

例えば、小規模な納税者のコンプライアンスを促進するために手続きをシンプルにすることがある。

具体的には、異なる種類の仮想通貨間の取引を所得税の対象から除外し、トークンを法定通貨に変換したり、商品やサービスの購入に使用した場合に、その利益に課税される仕組みに触れた。

また少額なものも含め、すべての取引にキャピタルゲイン課税を行うことを回避して、例えば外国為替に近い取扱基準を設けたり、小規模な個人取引には免除制度を設けたりするなど、簡素化されたシステムを検討することも可能だと指摘している。

環境汚染コストを考慮

さらに、PoWと(プルーフオブワーク)とPoS(プルーフオブステーク)を巡っては、大量の計算を必要とするPoWが多くの電力を消費し、国のエネルギー構成によっては環境に影響を及ぼす可能性があるため、汚染のコストを反映させ、より電力消費の少ないPoSメカニズムと税制上区別を付ける案も示唆した。

CBDCやステーブルコインなど新たなトークンの取扱い

中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)やステーブルコインについては、他の仮想通貨と異なる特徴を持っているため、既存ルールが適切かどうかを検討することが推奨されるという。

法定通貨(CBDCの場合)や有価証券(ステーブルコインの場合)として扱うことが税務上適切であるかどうかを検討することも可能だと述べる。

この他にも、PoSトークンや、仮想通貨を利子の付く資産として利用するなどの、新たな特性にも言及、こうした資産は、伝統的な資本や金融資産のようにリターンを生み出す資産とも捉えられるため、キャピタルゲインよりもキャピタルインカムに近い税制処理が適切かどうかを検討する必要があるとした。

また、贈与や相続による処分、紛失や盗難、ハードフォークの際に付与されるトークン等についても考慮対象として示している。

参考:OECDレポート

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/15 月曜日
17:40
Web3インフラの進化はグローバル取引を変える|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で「グローバル取引の絶対基盤: 世界を繋ぐインフラ戦略」をテーマとしたパネルセッションが開催され、Web3インフラの重要性と発展に向けた課題、そして10年後のグローバル取引の展望について活発な議論が交わされた。
15:00
人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。
12:25
イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団が包括的プライバシー構築のロードマップを発表。仮想通貨イーサリアムのネットワークが世界的な決済レイヤーになることを前提に3つの重点分野に取り組む。
10:00
アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制におけるアジア諸国の国際協力まで、活発な議論が展開された。
09:55
「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。
09/14 日曜日
16:00
DeFiが抱える最大の課題は? トークン化時代見据えソラナ財団らが議論|WebX2025
WebX2025でソラナ財団やBNBチェーンからDeFiの専門家が集いパネルセッションを行った。現在の課題やトークン化などの潮流、今後の各プロジェクトの展望を議論した。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのBTC年内20万ドル到達予測やDOGEのETF上場計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週FOMCの焦点は? テクニカル的な買いがビットコイン相場を押し上げる可能性|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏による今週のビットコイン週次レポート。米雇用統計の大幅下振れとインフレ鈍化を受けFRB利下げ期待が高まり、BTC円は8月23日ぶりに1700万円を回復した。来週のFOMCでは年内3回の利下げ織り込みと政策金利見通し下方修正が焦点。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|新経連の仮想通貨税制改正提言に高い関心
今週は、トークン化されたポケモンカードのブーム、ナスダックのトークン化株式の取引承認申請、一般社団法人新経済連盟の仮想通貨税制改正提言に関する記事が最も関心を集めた。
09/13 土曜日
15:00
日本のRWAトークン化の最前線、市場の特徴や展望は?|WebX2025
日本のRWAトークン化市場についてWebXでディスカッションが行われた。最前線にいるプレイヤーを招き、市場の特徴や展望、制度上の課題などについて話してもらった。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年9月最新】
2025年9月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年7月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
10:35
ビットコイン上昇鈍化、株との相関崩れる:トレジャリー企業動向と利下げ観測が焦点|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは上値の重い推移を続けている。米株価指数や金(ゴールド)が最高値圏に位置している一方で、ビットコインは上昇に伸び悩んでいる。その背景は?
10:00
コインベース、SECの文書破棄を問題視 裁判所に制裁求める 
仮想通貨取引所コインベースが米証券取引委員会の公文書破棄を問題視し、連邦裁判所に制裁措置を求めた。ゲンスラー前委員長のメッセージが破棄されていたことが監査で判明した。
09:45
Blockstreamら3社、東京で非公開のイベント開催
仮想通貨ビットコインのインフラ開発企業Blockstreamらは東京で非公開のイベントを開催。テーマは「ビットコインとRWAでアジアの金融変革を推進する」である。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧