はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ヴィタリック氏、イーサリアムガス代の改善案を提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

取引手数料の改善案

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリン氏は6日、新たに取引手数料(ガス)の削減につながる提案を行った。「多角的EIP-1559」(イーサリアム改善案)として提示されたのは、ガス代の価格設定に関する二つの選択肢だ。

ブテリン氏は、現行のシステムではEVMの様々なリソース(EVMの使用量やブロックデータ等)の制限の違いを効率的に処理できていないと主張。ガスという「単一の多角的リソース」にまとめられていることが問題だと指摘した。

EVMとは

EVM(イーサリアム仮想マシン)とは、イーサリアムのスマートコントラクトのコントラクトコードを実行するための「翻訳機」として機能するもの。

▶️仮想通貨用語集

そこで、解決策として、各リソースに個別のEIP-1559のターゲットを設けることを提案すると共に、以下の二つの選択肢を提示した。

オプション1(より簡単な方法):実行ガスコストは固定し、現在のEIP-1559を維持する。コールデータやストレージ使用などの「特別な」リソースに対するガス価格は、1単位のリソースを基本料金で割ることで算出する。優先手数料(チップ)システムは現行のまま。

オプション2(より複雑な方法):リソースを使用する際の基本料金の価格設定(1weiなど)を行う。優先手数料はパーセンテージを設定することで示す。

いずれのオプションでも、EVMの「バースト容量」(burst capacity=1〜数ブロックで扱える容量)と「サステイン容量」(sustained capacity=長期的に快適にサポートできる容量)のバランスを考慮し、バースト制限とサステインターゲットを導入することが基本となる。

関連市場の関心集めるイーサリアム改善案「EIP-1559」Deribitアナリストが分析

コミュニティの反応

ブテリン氏の提案に対し、イーサリアムコミュニティからは様々なフィードバックが寄せられている。

  • 合理的な提案だが、かなりのエンジニアリング作業が必要
  • EVMの後方互換性に懸念が残る
  • 過小評価されているトピックを取り上げてくれた

これらの指摘を受けてブテリン氏は、オプション1ではいくつかの操作(コールデータ、シャードデータ、ウィットネスデータの使用、ストレージサイズの拡張)だけが動的であることから、よりリスクが少ないだろうとコメントした。

EIP-1559と手数料削減の努力

EIP-1559は昨年8月のロンドンハードフォークで実装されたイーサリアムの新しい手数料モデル。オークション方式を廃止してネットワーク全体の基本料金を設定するメカニズムを導入した。また、マイナーへの手数料の一部(Base Fee)が焼却(バーン)されることにより、イーサリアム供給量が減少し、価格上昇の材料になると期待されている。

関連:イーサリアム、総バーン量100万ETHの大台超える

イーサリアムのネットワーク手数料の高騰は長らく問題視されているが、ブテリン氏は短期的な対応策として、昨年11月末にも「ロールアップ」によるコスト削減の改善案の提案を行った。

関連:ブテリン氏が新たな改善案、イーサリアムのGas代削減にフォーカス相当に

また、イーサリアムネットワークは、今年前半にPoW(プルーフ・オブ・ワーク)体制からPoSへと移行するETH2.0の実装が予定されており、その最終ステップとなる「The Merge」のテストネット「金継ぎ(Kintsugi)」が昨年12月に稼働開始している。

PoS実装後は「シャーディング」などの機能も充実させていく方針で、手数料の改善につながると期待されている。

関連:イーサリアム財団、「金継ぎ」テストネットをリリース PoS移行に向け前進

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/28 土曜日
14:00
仮想通貨配分を4割まで推奨、米著名金融アドバイザー「従来60-40モデルは時代遅れ」と見解
著名金融アドバイザーのリック・エデルマン氏は最新見解で仮想通貨ポートフォリオ配分を従来の1%から最大40%へ大幅引き上げを推奨。
13:15
米上場Genius Group、ビットコイン買い増し構想 勝訴した際の損害賠償で
NYSE上場のGenius Groupが、訴訟勝利の場合に得られる推定10億ドルの50%をビットコイン購入に充当する計画を発表した。昨年よりビットコイン財務戦略を採用している。
11:26
イーサリアム取引量史上3位、価格低迷でもネットワーク急増
イーサリアムが6月25日に175万件の取引を記録し史上3位を達成。価格は低迷するもネットワーク活動は活発化、従来のアルトシーズン理論に変化の兆しになるか。
10:25
イスラエル当局、仮想通貨報酬によるスパイ容疑で3人逮捕=レポート
イスラエル当局がイラン諜報機関の工作員3人を逮捕。仮想通貨で報酬を受け取り、9000万ドル被害のノビテックス攻撃との時期的関連が注目されている。
09:45
ポリマーケットの評価額10億ドルに達する見込み USDCにも恩恵か=コインベース
分散型予測市場ポリマーケットが2億ドル資金調達しユニコーン企業になる見込みだ。コインベースは、ポリマーケットの台頭はステーブルコインUSDCにも恩恵になると分析している。
08:50
ストラテジー株トークンなど主要銘柄、Gemini EU向株式サービス開始
仮想通貨取引所Geminiが欧州連合でトークン化株式サービスを開始。マイケル・セイラーのストラテジー株を皮切りに、24時間365日取引可能な新金融サービスを提供する。
08:00
ブータン、ビットコイン保有額が13億ドルに到達
ブータンが、仮想通貨ビットコインを13億ドル相当保有していることが注目を集めている。この保有額は同国のGDPの40%に相当する。
07:55
リップル、SEC相手の控訴を取り下げ 5年間の法廷闘争が終結へ
リップル社のガーリングハウスCEOが28日、SEC相手の控訴を取り下げると発表。約5年間続いた法廷闘争が終結し、同社は事業発展に注力する方針を示した。
07:10
米仮想通貨銀行アンカレッジ、USDC等の段階的廃止発表 業界から「利益相反」批判
米仮想通貨カストディ銀行アンカレッジがUSDCとAUSDの段階的廃止を発表、ステーブルコイン安全性評価で業界から自己利益優先との批判を受ける。サークル株価は15%と大幅安。
06:49
韓国カカオペイ株急落、ステーブルコイン規制懸念が背景か=報道
韓国カカオペイ株がステーブルコイン参入期待で急騰後17%下落、投資リスク銘柄指定で売買停止。米サークル株も15%安と波及か。
06:15
ロビンフッド、XRPとソラナのマイクロ先物契約を開始
米デジタル証券大手ロビンフッドがマイクロ先物でXRPとソラナを追加、ビットコイン金曜先物のマイクロ版も提供開始し仮想通貨商品を拡充。
06:00
ビットコイン取引が快適なのは?主要取引所を手数料・板の厚み・ツールの充実度で徹底比較
暗号資産(仮想通貨)ビットコインの売買や送金におすすめの国内取引所について、メリットとデメリットを徹底比較。手数料・スプレッド・送金速度、セキュリティ、積立・レンディング機能などを調査しました
05:55
トランプ大統領発言「ビットコインがドル圧力緩和」仮想通貨産業の雇用創出を評価
トランプ大統領が28日記者会見でビットコインのドル圧力緩和効果を言及、米国の仮想通貨産業構築と雇用創出への前向きな評価を表明。
06/27 金曜日
16:00
ブロックバリュー大西社長が語るAIインフラの未来|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のプラチナスポンサーとしてブース出展を決めた、ブロックバリューの大西基文社長独占インタビュー。「ジャパン・テクノロジーで日本の底力になる」をスローガンに、AIサーバーで日本のWeb3インフラ強化に挑む。
13:40
トランプ政権、7月に複数仮想通貨規制法案成立の見通しか=サックス仮想通貨特命官
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏が7月の重要法案成立の見通しを示唆。GENIUS法でステーブルコイン規制、CLARITY法で仮想通貨定義明確化へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧