新たなテストネット
イーサリアム財団は21日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)移行に向け、最終ステップとなる「The Merge」のテストネット「金継ぎ(Kintsugi)」が稼働開始したことを発表した。
イーサリアム財団は「金継ぎ」テストネット上でコミュニティーがETH2.0移行後の環境に適応する準備をするべきと説明。The Merge後のイーサリアム環境を想定して、バグや問題点の修正を発見する狙いがある。
フィードバックを反映させたソフトウェアの導入後、テストネット上で最終テストを行う予定で、順調に行けば今後全てのテストネットもThe Mergeを経る見込み。テストネットの反映が順調に行けば、イーサリアムのメインネットでもPoS移行に向けた最終調整に入る。
The Mergeとは
既存のメインネット(PoWチェーン)と、20年12月にローンチしたビーコンチェーン(PoSチェーン)を統合する大型アップグレード。イーサリアムPoS移行への最終段階となる。
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ETH2.0移行は2022年前半
なお、当初の予定では既存のPoW(プルーフ・オブ・ワーク)体制からPoSへと移行するETH2.0の実装は2021年内が計画されていた。
しかし、コミュニティ投票などで、最終的に判断は延期されており、16日時点ではイーサリアム財団は2022年の1Q(1月から3月)か2Q(4月から6月)を目指す方針を示した。
21年5月にイーサリアム財団が発表したレポートによれば、ETH2.0移行後の消費電力は既存のイーサリアム・ネットワークに比べ99%以上削減できるという概算も出ている。
関連:ETH2.0移行後は消費電力が99%削減か=イーサリアム財団
長期的には、PoS実装後は、ガス代など手数料とトランザクション時間を改善する「シャーディング」などの機能も実装していく方針だという。
シャーディングとは
ノードを幾つかのグループに分割して、同時並列でトランザクションの検証作業を行う技術。
イーサリアムの送金遅延や手数料増加など「スケーラビティ問題」に対する解決策の一つ。 データベースを水平方向に分割、検証作業を並列化することで処理能力の大幅向上が見込まれる。
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