大統領令、今週発令へ
米財務省は9日、バイデン大統領の暗号資産(仮想通貨)に関する大統領令についてイエレン財務長官の声明を先んじて公開した。
声明の公開日付は米時間9日となっており、これまでの報道通り、米時間水曜日に仮想通貨関連の大統領令の発令がほぼ確定した格好となった。
声明の内容
声明はこれまで、憶測が飛び交い度々関係者から示唆されてきた大統領令に関するもの。ジャネット・イエレン財務長官は大統領令について以下のようにコメントした。
バイデン大統領の歴史的な大統領令はデジタル資産の規制に関する協調的かつ包括的なアプローチを呼びかけるものだ。
これは国家や消費者、そして企業に大きな利益をもたらし得る責任あるイノベーションを支援する。
違法金融のリスクを低下しつつ、消費者および投資家保護を推進しながら金融システムと経済全般への影響を防ぐことを目指す。
声明によれば、大統領令は財務省や複数の政府機関に、連携して「お金と決済システムの将来」に関する調査レポートの制作を義務付ける。また、財務省傘下の金融安定監視委員会(FSOC)に仮想通貨が投じる金融リスクに対処する防止策が置かれているかを査定するよう財務省に命じる。
さらに、仮想通貨犯罪においては国境間での問題も浮上するため、財務省側は「国際的に連携して強固な基準と公平な競争を推進していく」との姿勢も示した。
ステーブルコイン規制も
また、21年5月にバイデン政権が2021年に策定した大統領作業部会(ワーキンググループ)はステーブルコインに関する調査を行なっていると説明。この取り組みには連邦準備理事会(FRB)、通貨監督庁(OCC)そして連邦預金保険公社(FDIC)が参画しており、この取り組みに続き、仮想通貨を利用した違法金融のリスクの特定を進めていく。
さらに、これらの調査を行なっていく過程で消費者保護団体や投資家保護団体、市場参加者など、専門家と連携していくとイエレン長官は強調。違法行為の防止を推進しつつ、より公平で効率的な金融システムに向けて取り組んでいくと語った。
仮想通貨に関する大統領令
執筆時点では、大統領令自体はまだ公表されていないものの、これまで関係筋で示唆されてきた内容と大きな変化はなかった模様。
21年10月から準備が進んでいた大統領令の主な要項は、仮想通貨業界に関する省庁間の調査だった。最近では、CBDC(中銀デジタル通貨)に関する内容も含まれる可能性も想定されていた。