はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「Web3で日本IPを海外へ」YugaラボCEOと経産省板垣氏が対談|WebXカンファレンス 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「日本政府との提携を期待」

Yugaラボ(Yuga Labs)のDaniel Alegre CEOと経産省Web3.0政策推進室 板垣 和夏 課長補佐は25日、株式会社CoinPostが企画・運営を担当するアジア最大級のグローバルWeb3カンファレンスで、Web3による日本IP海外進出の可能性や、Web3普及の課題について対談を行った。

出典:CoinPost

対談の冒頭でAlegre氏は、「日本政府による商業創造や起業家精神への支援アプローチは良い方向に向かっていると思う」とし、日本政府の推進しているWeb3戦略を高く評価。その上で板垣氏に「どのように商業創造や起業家精神を支援しているのか」を質問した。

板垣氏は「現在は、日本で事業が発展するように環境を整備している」と回答。例えば、税金や会計の制度と規制の整備を行なっていると説明した。ほかにも、国内でエンジニアを教育したり、海外の人材を日本に呼び込めるよう努めていると答えている。その上で「日本は、世界のWeb3の中心地になれる可能性を持っている」との見解を示した。

次は板垣氏から「日本の市場や事業環境をどのように見ているか」をAlegre氏に質問。例えば、他の国と比較した場合の日本の印象だ。

Alegre氏は、アジアで働いたり、東京で生活したりした経験から、日本が新しいコンセプトを作ったり、技術をうまく取り入れたりしようとしていることに驚いていると説明。一方で、日本で成功しても、それを世界に展開することに最も大きな課題があるとした。

例えば、Yugaラボの人気NFT(非代替性トークン)コレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」は米国で作られた後、世界中にコミュニティに広まった事例に言及。

そして「これまで日本発のIP(知的財産権)を海外へ輸出するのは日本国内イノベーターやクリエイターの課題だったが、BAYCのようにグローバルなコミュニティ展開を重視するWeb3のアプローチなら課題を解決しうる」と述べた。

Web3の批判への対応

また、板垣氏は、Web3は可能性を秘めているが詐欺利用の可能性などに批判もあると指摘。Alegre氏に、この批判に対する考えや政府と連携する計画についても質問した。

Alegre氏は、長期的な価値を重視していると説明。長期的な視点に基づいて、コミュニティをサポートしていくことが重要だと述べた。「野球のイニングに例えれば、Web3の革新は、まだ1回の前である」との見解を示している

その上で、Alegre氏らにとっては、コミュニティをつなぎとめておくことが重要だと説明。さらに、インターネットの黎明期から普及への過程を事例に、より容易に新しい技術を利用できるようにして、グローバルにプロジェクトを展開することも必要だとしている。

さらに板垣氏は、Web3に有利な規制を推進するためには、政府関係者にWeb3・NFTといった新興技術に対する理解を促す必要があるといった課題は未だ残っていると懸念も述べた。

Alegre氏は、ここでもインターネットの黎明期から普及への過程を事例に、官民協力の役割は非常に重要だった点を示し、日本政府とのパートナーシップを楽しみにしていると語った。なお、具体的な提携内容については明かしていない。

関連国税庁、仮想通貨法人税のルールの一部改正を正式発表

登壇者プロフィール

Alegre氏は、2023年4月にユガラボのCEOに就任した。

前職については2020年4月から、米大手ゲーム企業Activision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)のプレジデント・COOとして、「Call of Duty」や「World of Warcraft」、「Diablo」、「Overwatch」、「Candy Crush」など人気ゲームのリリースを監督。なお、Activision Blizzardの前は、グーグルでグローバルリテール決済部門の幹部を務めていた。

ユガラボは、物語や体験、コミュニティを通じて未来を形成することを目指すWeb3企業。BAYCなどのNFT制作以外にも、現在は「Otherside」というメタバースゲームも手掛けている。

一方、産業の振興や雇用の創出、地域経済の支援などを含む総合的な経済政策を担う「経済産業省」は2022年7月に、大臣官房に「Web3.0政策推進室」を設置。デジタル庁等の関係省庁と協働し、ブロックチェーンを基盤としたWeb3.0に関連する事業環境課題を検討する体制を整えた。

経産省ホームページによると、Web3.0政策推進室は主に、海外での事業環境や、国内での事業環境課題について事業者、投資家、法曹、エンジニア等から情報収集を行い、関係府省庁と協力してWeb3.0に関連する事業環境整備に取り組んでいる。

課長補佐である板垣氏は、ヘルスケア産業政策、ソーシャルイノベーション関連政策、シンガポールVC等での勤務などを経て2017年に経産省へ入省している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/21 金曜日
11:25
米SEC、今年度の仮想通貨含む執行件数が3割減 アトキンス委員長就任後は記録的低水準に=報告
米SECの2025年度執行件数が30%減の56件、金銭的和解額も45%減の8億ドルと記録的低水準に。トランプ政権下でアトキンス委員長が就任し、仮想通貨規制を大幅緩和。前政権の「執行による規制」から明確なルール作りへ方針転換。
11:02
アバランチ財務企業「AVAX One」、最大63億円規模の自社株買いを承認
仮想通貨アバランチの財務企業AVAX Oneは、取締役会が最大で約63億円規模の自社株買いを承認したと発表。また、購入規模を増やしたり、購入期間を延長したりしていく可能性があるとも説明している。
10:30
バイナンスジャパン、PayPayで暗号資産購入が可能に
Binance JapanとPayPayが連携サービスを開始。PayPayマネーから1,000円で暗号資産を購入可能に。入金手数料無料、24時間365日利用可能、PayPayポイントも使える新サービス。
10:20
ビットコイン続落、トレジャリー企業の売り懸念とFOMC利下げ不透明感で市場心理最悪に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは続落基調が止まらず、一時は7か月ぶりとなる8万5000ドル台まで下落。背景には、世界最大のビットコイントレジャリー企業であるストラテジー社が、MSCIやナスダック100といった主要株価指数から除外される可能性がある。
10:05
コインベース、イーサリアム担保ローンを開始 最大約1.57億円まで借入可能
大手仮想通貨取引所コインベースがイーサリアム担保ローンサービスを開始。最大100万ドルのUSDC借入が可能に。Morphoプロトコル活用でBase上で運用。ニューヨーク州を除く米国ユーザーが利用可能。
09:45
著名投資家レイ・ダリオ、総資産の1%をビットコインで保有 量子リスクを懸念
著名投資家レイ・ダリオ氏が総資産の1%を仮想通貨ビットコインで保有していると表明した。量子コンピューターのリスクや金と比較した価値保存手段としての課題を解説している。
08:50
ビットコイン売り圧力は中期保有者が主因、長期大口は保有継続=VanEckレポート
バンエックが19日に公表したレポートで、ビットコインの売り圧力が長期大口投資家ではなく保有期間3〜5年の中期保有者に集中していると分析した。5年以上保有のビットコインは増加傾向を続けている。
08:25
メタプラネット、ビットコイン戦略のための新たな増資を発表
メタプラネットは、B種永久優先株式の発行を開示。調達した資金は主に仮想通貨ビットコインの財務戦略を推進するために使用すると説明した。
08:00
HashPort Wallet、1inchのスワップ技術を統合
HashPort Walletが1inchのスワップ技術を統合。ブリッジ不要でクロスチェーンスワップが可能に。JPYCを含む暗号資産を複数のブロックチェーン間で効率的に取引できる環境が整った。
07:55
21シェアーズ、ドージコイン2倍レバレッジETFをナスダック上場
仮想通貨ETF大手の21シェアーズが20日、ドージコインに2倍のレバレッジをかけた新ETF「TXXD」をナスダックに上場した。ドージコイン財団の公式組織との独占パートナーシップに基づく商品となる。
07:30
ストラテジー社に指数除外リスクか、最大1.3兆円流出の可能性=JPモルガン警告
マイケル・セイラー氏のストラテジー社が主要株価指数から除外される可能性が浮上し、最大88億ドルの資金流出が懸念されている。JPモルガンが警告を発表し、2026年1月15日にMSCIが最終判断を下す予定だ。
06:45
米上場FGネクサス、50億円相当イーサリアムを売却し自社株買いに充当
FGネクサスが1万以上ETHのイーサリアムを売却し自社株買いに充当した。発行済み株式の8%を純資産価値を下回る価格で買い戻し、現在4万5イーサリアムと3700万ドルの現金を保有している。
06:20
ビットコインが8.6万ドル台に急落、古参クジラのBTC大量売却や利下げ見送り懸念などで
仮想通貨ビットコインが6カ月以上ぶりの安値86593ドルまで下落した。予想を上回る米雇用統計で12月の利下げ確率が40%に低下しBTC初期保有者ガンデン氏が13億ドル相当を売却したことが要因に。
05:42
米議会、連邦税のビットコイン納付を認める法案提出 納付金は戦略的BTC準備金として保有
米下院議員が米国民と企業に連邦税のビットコイン納付を認める法案を提出した。全ての納付金は戦略的ビットコイン準備金に振り向けられ、政府の財政基盤を強化する狙いだ。
11/20 木曜日
20:00
Aptosのエコシステム責任者が語るエコシステム戦略|独占インタビュー
Aptosのグローバルリーダーが語る、エコシステムの成長戦略と日本市場への本格参入。DeFi、AI、クリエイターエコノミーなど注目分野や、10億ユーザー規模を見据えた技術開発について聞いた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧