日本DAO協会設立 運営もDAOで
一般社団法人日本DAO協会が、4月1日に設立される。東京・渋谷で設立発表会と会見を行う予定だ。
DAOについては、Web3時代における新しい組織のカタチとして注目されている。また、4月1日にはDAOによる資金調達を可能にするための府令改正が公布される。
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日本DAO協会は、運営費用をおさえた透明性の高い組織運営ができることなどDAOのメリットを挙げつつ、DAOに対する懐疑や、不正事案の発生、トラブルが予想されていると指摘。こうしたことも背景に、日本DAO協会は、自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していく格好だ。
弁護士、行政書士、DAOサービス開発企業、Web3プレーヤー、主婦、学生などの有志が集まり、DAOのルール策定や、健全なDAOの認証などを行っていく。
さらにその上では、協会の運営自体をDAOの形態で行うという「世界初のチャレンジングな試み」を実施し、1年間は実証実験フェーズとなる。同協会は、次のように述べた。
政府のカウンターパートとなる自主規制団体自体をDAOの形態で運営するという世界初のチャレンジングな試みです。最初はトラブル等も予想されるところですが、1年間は実証実験フェーズと定め、ステークホルダーの方々全員でアジャイルに作り上げていくことを志向します。この在り方自体が、日本や世界に対する大きなメッセージとなると思っております。
DAOについて1月には、自民党web3プロジェクトチーム(PT)によるDAOのルール作りに関する提言が、自民党政調審議会で了承されていたところだ。
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自律分散型組織(DAO)とは
自律的に機能する分散型組織を指す。「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。
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今後の活動予定
日本DAO協会は、今後の具体的な活動予定として例えば以下の事項を挙げている。
- DAO運営ガイドラインの作成・運用
- DAOやDAOツールの品質と安全性を評価し認証
- DAOの理解と普及を目指した教育活動
- 業界コミュニティの運営
- 意見集約と政策提言
- 実践と理論の集積・研究
2月には、日本DAO協会のキックオフミーティングが開催され、自民党web3PTより平井卓也議員、平将明議員、川崎ひでと議員も参加した。
この際の資料によれば、現在日本では55団体のDAOの存在を確認することができる。そのうち8割近くが、地方創生や人材育成、クリエイターやスポーツチームのファン創出などコミュニティづくりを重視するものだ。
府令改正後のユースケースとしては、例えば陸上養殖のDAOにより養殖魚の管理レベルを向上させ収益安定化や地域の価値向上などを図ることや、まちづくり会社やファンド、市民が参加する空家古民家DAOなどが挙げられた。
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