はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

合同会社型DAO実現へ前進 金融庁がトークン化社員権の規制緩和案を公表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

合同会社型DAOの社員権トークン

日本では、分散型インターネット、通称Web3の発展に伴い、「DAO(分散型自律組織)」への法的な枠組みの整備が進行中だ。これは、特定プロジェクトに参加するメンバーで構成されるDAOの法的性質、運用ルール、構成員の責任や持分の性質、税務関係などを明確にし、安心してDAOを活用できる環境をオプションとして設ける取り組みである。

この動きの先駆けとなるのが、金融庁が2月1日に公表した「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」だ。この改正案は、「合同会社型DAO社員権トークン」という特定のトークンに対して、通常の合同会社の社員権と同等の扱いを与えることを目指しています。この措置により、トークン化された合同会社の社員権の規制が緩和され、DAOの運営が効率化される見込み。

関連:web3とAI分野が自民党の政策に、自民・政調審議会でホワイトペーパーを了承

合同会社の社員権とは

合同会社は、少人数の出資者による事業運営を想定した日本版LLCとされる制度。手軽な設立費用、省略可能な決算公告や定款認証など、手続きの簡便さから、不動産投資や家族経営法人等で使用される。その社員権は、二項有価証券または「みなし有価証券」とされ、組織内での経営権と利益分配を決定する重要な要素であり、保有量によって組織内の影響力や利益分配が変わる。

金融庁は、本改正案について3月4日(月曜)17時00分(必着)までの間パブリックコメントを募集する。プロセスが終了後、必要な手続きを経て、改正案は公布・施行される予定だ。

関連:「日本でDAOの普及を推進へ」税不備の解消なども、自民党デジタル社会推進本部の提言公開

DAOの法的地位を設ける

DAOは、ブロックチェーン技術やコミュニケーションツールにより実現可能であり、コミュニティ運営の手段として市民権を得つつある。しかし、その法的地位が明確でないことが、現行法の規制が予期せぬ形で適用されるリスクを生み出し、DAOの円滑な組成と運営を阻害する要因となっている。また、対外的な活動においても、法的地位が明確なDAOの方が信頼を得やすく、取引がスムーズに進むという意見もある。

DAOに特化した新法律の制定と運用によって、DAOの法的地位を明確にすることは重要だが、新法律の創設には時間がかかる。そのため、既存の法形式を活用してDAOの法的位置付けを明確にし、その利用を促進するのが現実的なアプローチとされている。

合同会社としてDAOを設立・運営することで、DAOに法人格を付与し、メンバーの有限責任を明確化し、定款自治による柔軟な組織運営を実現し、税務上の取り扱いを明確にすることが可能となる。

この文脈において、自民党のデジタル社会推進本部とweb3プロジェクトチームは昨年末に「DAOルールメイクハッカソン」を開催し、複数の企業・団体・投資家(計21企業・団体)から問題提起と要望を受け、今年1月29日には金融担当大臣に提言を申し入れた。ハッカソンからは、法令上の論点、税・会計上の論点、その他の論点に分類される100を超える問題提起が寄せられた。

関連:「DAOで新しく挑戦する人々を支援するルール作りを」自民党web3PTがハッカソンを総括

継続検討テーマは様々

合同会社型DAOに関する法的枠組みの整備に向けて、今後の議論において検討が続けられるテーマは多岐にわたる。

主な継続検討テーマとしては、社員権トークンの有価証券該当性に関する条件の明確化や、収益分配ありの合同会社型DAOの社員権と匿名性の確保に関する議論がある。

さらに、合同会社以外の法形式の活用可能性や、会計・税務上の取り扱いの明確化に関する検討も進められている。また、スマートコントラクトによる業務執行やトレジャリーによる資金管理、DAOメンバーの変更や匿名性の確保などの運営面での検討テーマも含まれている。

関連:DAO(分散型自律組織)の仕組みや将来性とは|Nansen寄稿

関連:なぜ日本政府は「Web3政策」を推進し始めたのか?重要ポイントと関連ニュースまとめ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/30 月曜日
14:26
『ビットコイン財務戦略の成功は少数企業に限られる』Breedレポート、ストラテジー社の先行事例に注目
仮想通貨VCのBreedがビットコイン財務戦略企業についての記事を発表。弱気相場が到来した場合、株価プレミアムを維持できる企業は少数だとの見解を示した。
12:54
メタプラネット、1,005BTC追加購入 ビットコイン保有量は上場企業5位に
156億円分を追加購入 株式会社メタプラネットは6月30日、ビットコイントレジャリー事業の一環として、1,005BTCを追加購入したと発表した。平均購入価格は1BTCあたり1,…
12:16
暗号資産とは何か?広がりと注目の背景を初心者向けに解説
ビットコインや暗号資産はなぜ今、国家や企業から注目されているのか?世界的な広がりとその背景を、初心者にもわかりやすく解説します。
11:30
仮想通貨にまつわる5つの誤解|“しくみ”と考え方を整理する
仮想通貨に対する5つの誤解を、初心者向けにわかりやすく解説。簡単な答えと詳細な背景で正しい理解をサポートします。
11:21
堅調推移のビットコイン過去最高値に迫る、米株指数上昇で強気ムード継続
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+1.1%の1BTC=108,590ドルに。 過去最高値は、今年5月に記録した112,000ドル。 先…
09:23
米タイム誌『最も影響力のある企業100選』にコインベース、仮想通貨業界の政策牽引で選出
米TIME誌が発表した「最も影響力のある企業100選」に米国の仮想通貨取引所最大手であるコインベースが選出された。株価は先週最高値を更新した。
06/29 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップルによるSEC相手の控訴取り下げやソラナ財務企業の株価暴落など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:28
BTCイールドとは?一株あたりのビットコイン量で企業価値を測る理由
BTCイールドはマイクロストラテジーが提唱し、メタプラネットも採用する“一株あたりのビットコイン保有量”で企業価値を捉える新指標。株式希薄化リスクやメリット、実際の数値をわかりやすく解説します。
11:30
ビットコイン下降チャネル上限届かず、PCE発表控え押し目形成の可能性に注意|bitbankアナリスト寄稿
今週の週次レポート 国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。 目次 ビットコイン・オン…
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メキシコ大富豪のBTC価格上昇予測に高い関心
今週はメキシコ大富豪のビットコイン価格上昇予測、米テキサス州のビットコイン準備金設立法案成立、金融庁の仮想通貨規制審議に関するニュースが最も関心を集めた。
06/28 土曜日
14:00
仮想通貨配分を4割まで推奨、米著名金融アドバイザー「従来60-40モデルは時代遅れ」と見解
著名金融アドバイザーのリック・エデルマン氏は最新見解で仮想通貨ポートフォリオ配分を従来の1%から最大40%へ大幅引き上げを推奨。
13:15
米上場Genius Group、ビットコイン買い増し構想 勝訴した際の損害賠償で
NYSE上場のGenius Groupが、訴訟勝利の場合に得られる推定10億ドルの50%をビットコイン購入に充当する計画を発表した。昨年よりビットコイン財務戦略を採用している。
11:26
イーサリアム取引量史上3位、価格低迷でもネットワーク急増
イーサリアムが6月25日に175万件の取引を記録し史上3位を達成。価格は低迷するもネットワーク活動は活発化、従来のアルトシーズン理論に変化の兆しになるか。
10:25
イスラエル当局、仮想通貨報酬によるスパイ容疑で3人逮捕=レポート
イスラエル当局がイラン諜報機関の工作員3人を逮捕。仮想通貨で報酬を受け取り、9000万ドル被害のノビテックス攻撃との時期的関連が注目されている。
09:45
ポリマーケットの評価額10億ドルに達する見込み USDCにも恩恵か=コインベース
分散型予測市場ポリマーケットが2億ドル資金調達しユニコーン企業になる見込みだ。コインベースは、ポリマーケットの台頭はステーブルコインUSDCにも恩恵になると分析している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧