CoinPostで今最も読まれています

「日本でDAOの普及を推進へ」税不備の解消なども、自民党デジタル社会推進本部の提言公開 自民党政調審議会は提言を了承

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DAOの提言が確定

自民党web3プロジェクトチーム(PT)座長の平将明議員は25日、DAO(自律分散型組織)のルール作りに関する提言が、同日に自民党政調審議会で了承されたことを発表した。

デジタル社会推進本部の名義で作成した提言の内容を公開しており、これから金融庁らの関係省庁へ申し入れを行うと説明。法令や税・会計などに関する不備な点を解消し、日本でDAOの普及を図るとした。

DAOとは

「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違って経営者のような中央管理者が存在せず、参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる組織を指す。

▶️仮想通貨用語集

「DAOルールメイクハッカソン」を開催するなど、web3PTはDAOのルール作りに尽力している。24日にはハッカソンの総括を行っており、提言が近く公開されるとみられていた。

関連「DAOで新しく挑戦する人々を支援するルール作りを」自民党web3PTがハッカソンを総括

政府がDAOのルール作りに尽力する背景には、日本で地方創生や社会課題の解決などのためにDAOが成果を上げ始めていることがある。今回の提言には「我が国における新しい組織のあり方について」という文言をタイトルに入れた。

関連日本暗号資産ビジネス協会が「地方創生DAOの構築に係るガイドライン」を発表

DAOに関する基本的な姿勢は、省令の改正や運用で対応できるものはすぐに実行すること。また、それ以外のことはさらに検討を進め、順次実行に移すことだという。

関連仮想通貨税改正提唱の藤巻健史氏、日本維新の会から繰り上げ当選 参院比例

提言の内容

今回の提言は、上述したハッカソンの振り返りから始まっている。ハッカソンは昨年の11月から12月にかけて合計4回行われており、DAOを活用した事業を実施または計画している21の企業や団体が参加した。参加者から上がった問題や要望は100を超えるという。

そして、これらの問題や要望は以下の3つに大別できると説明した。

  • 法令上の論点
  • 税・会計上の論点
  • その他の論点

この中で、全体の8割を占めるのが法令上の論点と税・会計上の論点。具体的には、以下のような内容である。

  • 法令の整備による法人格の付与
  • 有限責任の担保
  • 匿名性の担保
  • 流通性の向上
  • 税務上の取り扱いの明確化による課税リスク軽減

ハッカソンを行なった結果、デジタル社会推進本部は「DAOに関するルールメイクを検討する際に、あらゆるDAOに適用される包括的・画一的なルールを設定することは困難であり、また適切でもない」との結論に至ったと説明。その上で、まずは合同会社を利用したDAOを実現するためのルール作りの提言を行うとした。

ハッカソンの参加団体からは、法人格を付与する形でDAOを組成・運用したいという要望が多く上がったという。法人格付与を検討する場合、既存の様々な法人形態の中では、合同会社がDAOの実態と比較的親和性が高いと判断。その理由は、合同会社が所有と経営の一致を前提とし、かつ、定款自治が比較的広く認められているからだとした。

上述した「省令の改正や運用で対応できるもの」の例では「合同会社DAOを実現するため、トークンが金融商品取引法上の比較的厳格な業規制及び開示規制の適用にならないように内閣府令を改正する」ことが挙げられている。

デジタル社会推進本部は、提言の結びで以下のように述べた。

今回の合同会社型DAOを中心とした提言は、はじまりである。DAOの可能性を最大限生かすために、我々が取り組まなければならない論点は尽きることがない。

我々は、今回の提言を契機として、DAOに関する取り組みを一段と加速させたい。

関連三井住友海上、新卒採用プロセスにDAO導入 獲得トークン数で貢献度を測る

日本のWeb3政策特集

海外からも注目 日本政府が仮想通貨企業の資金調達に関する規制を緩和へ 日本の仮想通貨税制は本当に変わる?|WebXレポート&インタビュー
CoinPostアプリで優位性を 「暗号資産法人税制のさらなる改正を」金融庁が令和6年度税制改正要望を公開
なぜ日本政府は「Web3政策」を推進し始めたのか?重要ポイントと関連ニュースまとめ 6月1日施行の改正資金決済法で国内ステーブルコイン発行可能に、多国籍企業にメリットも
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア