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スピード調整で高値付近を推移するビットコイン、重要指標と今後の展望|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場

●ビットコインは、2017年以来初の月足MACDゴールデンクロス間近

●直近1ヶ月のBTCショート増加数がロングの8倍を記録

●香港プレミアムなど、中華圏の仮想通貨需要が急拡大する理由

金融市場と仮想通貨

17日の東京株式市場は、前日比7円高の21,124円。

返還以降に一国二制度を敷いてきた香港で、香港の中国化が加速する懸念の強い「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求めたデモの余波が懸念されていたが、香港政府は15日、条例改正の手続きを延期すると発表するなど、事実上の無期限延期を示したことで、香港市場ハンセン指数は反発。これに伴い、アジア株式市場も反発した。

「逃亡犯条例・改正案」は、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例であり、歴史上最大規模のデモを受けての延期発表は、G20の開催を控えて、米中貿易摩擦などの国際問題を抱える中国の習近平政権が軟化した影響もあるとされる。

対立激化する香港の100万人デモ、国際経済や仮想通貨ビットコイン市場への影響は?
「逃亡犯条例」改正案をめぐり、アジア最大の金融センターである香港で過去最大規模の100万人デモに発展、日米中を含む政情不安が懸念されている。混乱が長引けば、株式市場や仮想通貨市場にも影響を及ぼす可能性がある。

ビットコインテクニカル分析

ビットコインは、4時間足の一目雲抜けに加え、先週末にかけて意識されていた「日足三尊」の否定で騰勢を強めると、ショートカバーを伴い大幅上昇。2018年5月以来、約1年ぶりに100万円の心理的節目を突破した。ある意味でビットコイン(BTC)の潜在需要を可視化する、ハッシュレート(採掘速度)が過去最高値を更新したことも上昇相場を後押ししていると言えるだろう。

昨日の5万円幅のスピード調整により、過熱感を示すRSI(相対力指数)はやや落ち着きを取り戻した(②)ものの、短期的には急ピッチで上昇しすぎていることから、本来もっと深く押してもおかしくないため、維持率に余裕を持たせるなど高値圏での急落には十分注意したい。

目下の注目ポイントは、下落時に97.5万円付近(①)を下値支持線とできるかどうかだろう。直近高値の102万円を上抜けた場合は、いよいよ大台の”10,000ドル”を目指すことになる。2018年春の最高値もちょうど108万円付近に位置しており、この付近では強めの売り圧力が予想される。

なお、月足MACD(Moving Average Convergence/Divergence Trading Method)は、2017年以来初となる”ゴールデンクロス”目前となっており、中・長期の上昇を示唆している。

需給面

finexのLS比率では、6/8時点で18,000BTCだったショート枚数が、6/17時点で24,000BTCを超えている。1週間で30%以上増加した計算だ。直近1ヶ月のポジション増減率では、ショート+8000BTCに対し、ロング+1000BTCとなっており、ロングの増加量を上回っていることがわかる。このデータは、先日まで作用していたレジスタンスラインで「一旦売り」だと判断する投資家の増加と、断続的に補給されるSポジションが上昇燃焼となっている現状を示していると言えそうだ。

出典:lschecker

またBitMEXの資金調達率では、急騰の影響で17日の5:00時点でロング支払いが0.18%に達していたが、18日5:00時点では0.01%にまで是正されていることから、こちらもショート優勢とは言い難い。

ビットコイン(BTC)の上昇には複合的な要因が考えられるが、14日にBakktの先物ビットコイン先物取引が、7月22日からユーザー受け入れおよび先物のテスト(UAT)を開始することが判明したことで、機関投資家の参入期待が高まったこともその一つに挙げられる。

また、世界最大の取引所バイナンスでの米国ユーザーへの取引停止措置発表など、主要アルトコインに米国発のネガティブサプライズが出たことで、「アルトドレイン現象」が再発、ビットコインドミナンスは短期間で+2%の上昇を見せた。背景には仮想通貨の有価証券問題などがあるとされるが、好材料に事欠かないバイナンスコイン(BNB)を含め、一時的な下落に留まるとの見方が強い。

出典:coinmarketcap

海外投資家の見解

海外の著名トレーダーのJosh Rager氏は、先週から現在までのビットコインのトレンド分析を行い、その考えをテレグラムとツイッター上で展開した。

ビットコインはかなりの強気相場を継続し、9500-9600ドル間のレジスタンスラインを試すことが予測される。

0.382fib(という値は典型的な利確エリアであり、その価格は9532ドルとなっている。)

またチャートの赤いエリアを見ると、週足で水平にレジスタンスラインが確認できる。

つまり、多くの市場参加者がプルバックを模索しているということだ。

ただ注意点としては、前回、6000ドルでプルバック(戻し)が見られるとの見立てだったが、(実際は)7000ドルを上回る価格で起きている。

Rager氏は「この価格帯では注意が必要だが、強気トレンドが続けば1万ドル以上まで強く押し上げることになるだろう」とも言及。状況判断の難しい局面だとしたものの、強気相場が持続した場合、勢いよく価格が上向きに推移するとの見立てを示した。

中華圏で仮想通貨需要が拡大か

なお、ロイターの報道によれば、「逃亡犯条例」改正案への懸念が強まったことで、香港の富裕層を中心に個人資産を海外に移す動きが始まっているという。

「逃亡犯条例」の改正案は、香港以外の国で罪を犯した容疑者を中国本土など他国の要請に応じてに送還出来るよう定めた条例だ。

アジアを代表する国際金融センターとして繁栄を続けてきた香港では、返還後50年にわたり「1国2制度」を掲げた自治統制が容認されてきた経緯があるが、今回の改正案が施行された場合、香港司法の独立性を失いかねず、中国政権の干渉で香港人の自由が奪われかねないという”深刻な懸念”が強まっている。

事実上、「一国二制度」が崩壊すれば中国の一部分として見られかねず、中国本土の犯罪に関連したとみなされた場合、中国政府に個人資産の凍結や差し押さえられる可能性もあり得るため、これを嫌気した香港の富裕層を中心にシンガポールに資産を移転し始めているようだ。

現在、激化する米中貿易摩擦の影響も特に当事国で懸念されているが、USDTを発行するテザー社は、香港基盤の大手仮想通貨交換所bitfinexとの関係性も強く、中国および香港マネーの避難先として利用されやすいとの指摘もある。

因果関係は定かではないものの、11日と16日にはそれぞれ1.5億ドル、1億ドル相当の大規模なテザー発行も確認され、ビットコイン(BTC)などの潜在需要を示唆している。

急速に需要が高まる香港の仮想通貨交換業者では、他国の取引所よりもビットコインが高値で取引される”香港プレミアム”も確認されており、このような地政学リスク高まるなか、中国や香港の富裕層が資産を海外に移すため、ビットコイン(BTC)やテザー(USDT)に換金して海外送金している可能性も考えられる。

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