はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

金融庁認定業界団体、仮想通貨の申告分離課税・少額非課税などを求める要望書を提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

JVCEA、金融庁へ仮想通貨の申告分離課税、少額非課税、繰越控除を強く要望
国内仮想通貨取引所が苦境に立たされ、新興産業で海外に後れを取る懸念が強まる中、JVCEAは19日、今国会で成立した金商法改正法をもとに、金融庁に対して「税制改正要望書」を提出した。

JVCEA、金融庁へ仮想通貨の申告分離課税、少額非課税、繰越控除を強く要望

奥山氏が会長を務める、一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は19日、今国会で成立した「金商法改正法」をもとに、金融庁に対して「税制改正要望書」を提出した。

申告分離課税の適用を

JVCEAは現行の仮想通貨税制について、改正金商法により、暗号資産(仮想通貨)関連デリバティブ取引は、金融商品取引法上のデリバティブ取引に組み込まれたことから、課税制度についても、他の金商法上のデリバティブ取引と同等に取り扱うことが適当だと指摘。

同じ金商法で規制されている株式等の取引や外国為替証拠金取引(FX)の税率は、20%(所得税15%、住民税5%)とする申告分離課税とされており、一定の場合に確定申告も不要となっているほか、損益通算および3年間の譲渡損失繰越控除が認められていると言及。

株やFXが、租税特別措置法で定められた特例制度であることを前提であるとしながらも、同じように金商法で規制されている有価証券デリバティブ取引が20%税率の申告分離課税に対し、暗号資産は総合課税で最高税率55%(所得税45%、住民税10%)となるのは、税の公平・中立・簡素の原則の中で、特に「中立性」を損ねると指摘した。

また、FXと類似した形態の取引であるほか、金融庁の指導で証拠金倍率を引き下げるなど自助努力を考慮していただき、金融商品と認められた「改正金商法」を契機に、税制に対して申告分離課税とした上で、譲渡所得の損益通算や繰越控除を認めていただくよう強く要望した。

損益通算や繰越控除を

なお、現物の仮想通貨売買において、上場株式などと同様に不正行為や相場操縦などの不公正取引が禁じられる中、その特性を踏まえて、暗号資産およびブロックチェーンという新技術を活用した経済インフラの健全な育成を図る観点から、現物取引の課税上の取り扱いは、デリバティブ取引よりも優遇すべきだとした。デリバティブ取引優遇の場合、現物取引量の減少とともに、投機性が強まることを懸念している。

少額非課税制度を

大多数の国民は、外国通貨の決済利用によって課税関係が生じる仕組みであることを認識することなく、認識した場合でも煩雑さがネックとなり申告しないなど、事実上制度が形骸化していると指摘。

暗号資産の決済利用による決済利用が促進されるほどに税負担の公平性が損なわれるとした。

これを防ぐために、少額非課税制度の導入で、少額決済利用における所得は課税対象から外し、多額の決済利用についての徴税を徹底する仕組みなど「簡易課税方法」の導入が必要だと提起した。

暗号資産投資におけるエンジェル税制

さらに、暗号資産を用いた地域振興プロジェクトやスタートアップのベンチャー企業、クリエイター支援プロジェクトが散見される中、未公開会社への育成投資と同じように新しい時代の産業などを育成する効能が期待されるところであり、未公開株式投資のような各種「エンジェル税制」を要望した。

苦境に立たされる国内取引所

国内の仮想通貨取引所は、不正流出事件などの影響で新規口座開設案内やサービス拡充、CMを自粛するなど新規流入が限定される上、デリバティブ取引でも15→4倍のレバレッジ規制などの影響で出来高が減少。サービスの充実している海外取引所に国内投資家の資金が流出するなど厳しい情勢にある。

このままでは、リスク・リターンが見合わないとして新しい企業の参入機会が遠のくなど、イノベーションの観点からブロックチェーン先進国を筆頭に、他国にも大きく遅れをとる恐れがある。21日の参院選で、「仮想通貨税制を変える」ことを公約として掲げていた藤巻健史氏が僅差で落選する中、JVCEAには規制面の強化だけでなく、業界の発展のため、政府との直談判などの役割も一層求められる。

今年2月には、代表理事に楽天株式会社の三木谷 浩史氏、副代表理事に株式会社サイバーエージェントの藤田晋氏が就任している一般社団法人 新経済連盟が、Fintech協会と共同開催の金融庁研究会の内容を元に、「暗号資産の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣宛てに提出。仮想通貨の技術や投資視点での発展を目指すための政策提言を行っている。

CoinPostの関連記事

仮想通貨に関する「日本の課税制度」4つの問題点|ビットコイン高騰を受け、関心高まる
藤巻健史議員が発足した「仮想通貨の税制を変える会」の活動と現行の課税制度の問題点についてファイナンシャルフィールドが報じ、Yahoo! JAPANに掲載された。ビットコインなど仮想通貨市場の高騰や、JR東日本のSuicaの導入検討でも関心が高まっている。
楽天の三木谷氏が代表理事を務める新経済連盟、「仮想通貨規制に関する要望」を金融担当大臣に提出
新経済連盟が、「暗号資産の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣宛てに提出したことが明らかになった。仮想通貨の技術や投資視点での発展を目指すための政策提言を行なった。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 水曜日
07:25
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行へ、2026年後半に開始予定
INGやBNPパリバなど欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行を計画中。新会社キバリスを設立し2026年後半の発行を目指す。
07:15
バンカメ「資産管理サービスの顧客は仮想通貨投資を検討すべき」
バンク・オブ・アメリカは、資産管理サービスの顧客に対しポートフォリオの最大4%を仮想通貨などのデジタル資産に配分するように推奨していることがわかった。ビットコイン現物ETFも投資対象にする計画だ。
06:45
トム・リーのビットマインが継続的にイーサリアムを押し目買い、3日間で110億円相当
ビットマインが市場下落局面でも3日間に110億円相当のイーサリアムを追加購入した。同社は約373万ETHを保有し総供給量5%保有の目標に向け62%まで進捗。
06:25
米CME、ビットコインの恐怖指数VIXなどの新ベンチマークを導入
米CMEがビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRPを対象とした仮想通貨ベンチマーク指数を導入した。ビットコインのボラティリティを追跡する指数は株式市場のVIXに相当し、機関投資家のリスク管理ツールとなる。
05:55
チェーンリンク初の現物ETFがNYSEで取引開始、グレースケール「GLNK」
仮想通貨チェーンリンクの初の現物ETFが3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始した。グレースケールがGLNKとして上場し運用資産は1700万ドル超となっている。
05:40
米SEC委員長が仮想通貨向け「イノベーション免除」導入へ、資金調達環境の改善を重視
米SECのアトキンス委員長が仮想通貨セクター向けの「イノベーション免除」導入を表明した。新たな法律を待たずにイノベーションを促進する方針で、2005年以降改革されていない開示規制の包括的見直しも発表した。
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
18:00
イーサリアムの買い方|初心者向け取引所比較とリスク・税金まで解説
米国初のビットコインETF承認の影響でBTC価格が過去最高値を更新し、仮想通貨投資による資産運用の注目度が急上昇しています。本記事では初心者向けに高騰するイーサリアム(ETH)の買い方、アルトコイン投資のメリットやデメリット、リスクなどを解説しています。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
12:00
ソラナ(SOL)のおすすめ取引所|将来性・買い方・リスクも総まとめ
トランプ新政権で今後のソラナ(SOL)の価格分析。買い方やおすすめ取引所、投資の注意点を初心者にもわかりやすく解説します。
12:00
金価格に合わせて動く仮想通貨とは?市場の広がりとこれから
金(ゴールド)トークン市場が急成長。パクソス(PAXG)・テザーゴールド(XAUt)の時価総額・取引量、金価格の見通し、国内発行の金連動型仮想通貨ジパングコイン(ZPG)を解説。デジタルゴールド投資の最新動向。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧