
関税収入を利活用か
トランプ政権のデジタル資産担当高官が、関税収入などを活用したビットコイン(BTC)購入の可能性に言及したことが明らかになった。デジタル資産に関する大統領作業部会のエグゼクティブディレクター、ボー・ハインズ氏は14日、ビットコインインフルエンサーのアンソニー・ポンプリアーノ氏との対談で、「関税収入などを活用した創造的な方法でビットコインを取得する選択肢を検討している」と述べた。
ハインズ氏は「これは単なる一つのアイデアに過ぎない」とした上で、「関税以外にも文字通り無数の方法がある」と強調。「すべての選択肢がテーブルの上にある」と述べ、「省庁間作業グループのメンバーがそれぞれの部署で考案する多様なアイデアを検討していく」と付け加えた。
今回の発言に先立ち、3月11日にビットコイン政策研究所が主催した非公開円卓会議で、ハインズ氏は「米国政府が可能な限り多くのビットコインを取得したい」と発言していた。ホワイトハウスはこの発言を認めつつも「納税者に一切の負担をかけない予算中立的な方法で取得する」と説明した経緯がある。
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また、ハインズ氏は今回の対談で、特にシンシア・ルミス上院議員が提案した「ビットコイン法2025」に言及し、「財務省が保有する金(ゴールド)証書の再評価を通じてビットコイン購入資金を捻出する」という構想を「興味深いアイデア」と評価した。現在、これらの金証書の多くは1オンスあたり約43ドルで評価されているが、実際の金価格は3,200ドル以上に達しており、この差額を活用する案だという。
ルミス上院議員が再提案した「ビットコイン法案」は、米国政府に最大100万BTCの購入を指示するものだ。
現在、米国政府は没収を通じて取得した約20万BTCを保有していると推定される。トランプ大統領は先月、「戦略的ビットコイン準備金」および「米国デジタル資産備蓄」を設立する大統領令に署名しており、押収したデジタル資産を売却せず準備金として保持する方針を示した。また、ベセント財務長官も3月に、米国が仮想通貨分野で世界的なリーダーシップを取ることを強く支持し、「準備金のためのビットコイン追加取得の道筋を検討していく」と表明した。
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