はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

トランプ関税政策、債券市場に敗北か──『ビットコインスタンダード』著者が経済的影響を分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国資産の信認問題に

『ビットコインスタンダード』の著者サイファディーン・アモウズ氏は24日、「トランプ氏は債券市場と戦い、債券市場が勝利した」という分析を発表した。アモウズ氏はトランプ米大統領による輸入関税政策の金融市場への影響を厳しく批判し、世界的な不確実性の時代におけるビットコイン(BTC)の経済的特性を浮き彫りにする状況だと指摘している。

アモウズ氏によれば、トランプ政権は債券利回りを引き下げ米国債務を持続可能にする目的で関税を導入しようとしたが、初日こそ株式市場の暴落という「財政的持続可能性のための小さな代償」として提示できたものの、その後債券市場も崩壊。「政府が無謀な関税で国内企業の財務を妨害すれば、通常の市場相関性(株価と米国債価格の逆相関性)は維持されない」と分析した。結局、債券利回りの上昇にパニックを起こした政権は、わずか2日で関税政策の転換を余儀なくされたという。

この急転換について、アモウズ氏は「米国の財政状況は悪く、関税でこれを解決できるという考えは数学的に不可能」と指摘。現在の年間関税収入約800億ドルを10倍にしても財政赤字には小さな影響しか与えず、そもそも関税率が上がれば輸入自体が減少するため収入増加は見込めないと説明した。また、企業が来週や来月の関税を予測できない「第三世界のバナナ共和国」のような体制不安定性が投資を鈍化させ、問題をさらに悪化させていると警告している。

関連:米財務省の国債買い戻し拡大でビットコイン10万ドル復帰の可能性、ヘイズ氏やキヨサキ氏が予測

アモウズ氏は米中の経済状況を比較し、中国は公的債務がGDPの80%、10年債利回りが約1.65%であるのに対し、米国は債務がGDPの120%、利回りが約4.4%と厳しい状況にあると指摘。(利回りが高いほど政府の返済負担は高まる。)

さらに、「中国は米国からの輸入に依存する度合いが低く、中国人一人当たりの米国からの輸入量は、米国人一人当たりの中国からの輸入量の約12分の1にすぎない」と指摘し、トランプ政権が「切り札を握っている」と確信しているが、実際には中国への依存度が高いという矛盾を浮き彫りにしたと分析している。

ウォール・ストリート・ジャーナルの24日の報道によれば、23日に米政府が中国からの輸入品に対する関税引き下げを検討しているとの報道を受け市場は上昇したものの、不安定な経済政策への懸念は簡単には消えず、米国資産は今後「リスクプレミアム」が適用される可能性があるという。また、外国投資家による米国株保有額は2011年以降約5倍に増加し、米国の株式時価総額の3分の1を占めるまでになっており、外国資金への依存度が高まっている点も指摘されている。

出典:WSJ

アモウズ氏はこのような状況を踏まえ、「中国は降伏する必要がなく、降伏したとしても米国の貿易赤字を解消する力はない。貿易赤字は純粋に米国のマネープリンターの産物だからだ」と結論づけ、関税の撤廃と経済学の基本原理である比較優位の理解を政権に促している。

関連:トランプ関税が招く人民元安、ヘイズ氏が「ビットコインの起爆剤に」と予測

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
07:00
JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧