はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

民主党米下院議員が仮想通貨公聴会をボイコット トランプ大統領の利益相反に抗議

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

超党派の取り組みに溝

米民主党のマキシン・ウォーターズ議員をはじめとする複数の民主党議員が6日、ドナルド・トランプ大統領の暗号資産(仮想通貨)関連事業に抗議し、仮想通貨関連法案の公聴会をボイコットするという騒動が起きた。

「アメリカのイノベーションとデジタル資産の未来:21世紀の青写真」と題されたこの公聴会は、下院金融サービス委員会と下院農業委員会の両委員会によって開催され、仮想通貨の市場構造に関する草案を議論するものだった。

ウォーターズ議員は、公聴会が始まるとすぐに立ち上がって異議を唱え、この会議に同意しないと主張。反対の根拠について何度も問われたのち、同氏は「大統領の不正行為と仮想通貨の所有、そしてあらゆる政府機関に対する彼の監督のせいだ」と述べ、複数の民主党議員とともに退席した。

下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長(共和党)は、ウォーターズ議員の行動について「この公聴会に反対することで、二つの委員会が、アメリカ国民にとって極めて重要な対話を行う機会を台無しにしている。」と指摘。同議員が「歴史的に強固で良好な超党派関係を築いてきた関係に党派心を持ち込んだ」と強く非難した。

これは、委員会だけでなく、下院、そして国民全体にとって損失だ。

共和党主導の円卓会議

公聴会の開催は全会一致の同意が必要であるため、公式な合同公聴会を続行することはできなくなった。

ヒル委員長は「公聴会は、議会とアメリカ国民が重要な政策について、共に探索する絶好の機会だ。その政策について賛成であれ反対であれ、公開して議論を行うことで、我々議員がより良い生活を提供するためにどのように努力しているのかを、国民に理解してもらう一助となる」と、公聴会を開催する意義を強調。「この場に残っている我々のほとんどは、委員会が着手した喫緊の課題を傍観して放棄するつもりはない」と宣言した。

公聴会に残った共和党議員と一部の民主党議員は、非公式な円卓会議という形で、会議を続行することを選択。予定されていた証人の元商品先物取引委員会(CFTC)委員長のロスティン・ベーナム氏やコインベースの機関投資家向け商品担当幹部グレッグ・トゥサール氏とともに議論が行われた。

ベーナム氏は、仮想通貨規制において主導的な役割を果たすためには、CFTCに、より多くの権限と資金が必要だと主張。トゥサール氏は、市場構造法案を業界の透明性に向けた「力強い一歩」と形容した。

円卓会議後に発表された声明は以下の通り:

金融サービス委員会の共和党議員と下院農業委員会は、国民を守り、イノベーションを促進し、デジタル資産のリーダーシップを米国に取り戻す永続的な枠組みの構築に真剣に取り組む両党の議員と、引き続き協力していく。

民主党による円卓会議

国会議事堂内の別室では、下院金融サービス委員会の民主党幹部であるウォーターズ議員が主導する円卓会議が開かれた。会議のテーマは「トランプ大統領の仮想通貨関連の汚職と利益相反」。ウォーターズ議員は、別の円卓会議を開催することとなった背景として、共和党がトランプ大統領とその一族の利益相反問題について取り組むことを拒否していると主張し、「手遅れになる前に重要な問題に光を当てる」ことが理由だとしている。

ウォーターズ議員は会議の冒頭で次のように述べた。

共和党がトランプ大統領の不正行為を無視しているだけでなく、一般的アメリカ国民の犠牲の上に私腹を肥やそうとするトランプ大統領とその家族の試みを正当化していることを深く懸念している。仮想通貨ビジネスを通じて、トランプ氏は大統領職を私的な金儲けの場に変えてしまった。

この円卓会議には、元経済政策顧問のチャスティティ・マーフィ氏、ハーバード大学ケネディスクールのデジタル資産政策プロジェクト・ディレクターのティモシー・マッサド氏、仮想通貨規制専門家のマーク・ヘイズ氏らがパネリストとして参加。トランプ大統領とその一族による仮想通貨ビジネスを批判した。

この会議で民主党は、大統領や議員が仮想通貨の取引や発行に関与することを禁止する新たな提案を行なった。

一方、当初の合同公聴会の議論の焦点となるはずだった「より強力な規制の必要性」については、全員が合意した。

関連:「金銭的利益を得ておらず」トランプ大統領、ミームコインでの収益疑惑を完全否定

トランプ大統領の仮想通貨ビジネス

トランプ大統領とその一族は、以下のような複数の仮想通貨関連ベンチャーに深く関与しており、それぞれのビジネスで利益相反の可能性が指摘されている。

  • 公式ミームコイン「TRIMP」の発行と流通:上位保有者対象の晩餐会計画が大統領職を私的な利益に利用していると批判される。
  • 仮想通貨プラットフォームWorld Liberty Financial:ステーブルコイン「USD1」を発行。:アブダビの政府系ファンドがUSD1を使用して、バイナンスへ20億ドルを出資したため、海外政府との不透明な関係として問題視される。
  • ビットコインマイニング事業American Bitcoin: マイニング企業Hut8との合弁会社。「戦略的ビットコイン準備金」の大統領令や規制緩和など国家政策の推進が、直接このビジネスの価値や影響力を高めると指摘される。

関連:アブダビ政府系ファンド、トランプ関連ステーブルコインでバイナンスへ2900億円出資

関連:「トランプ家支援のビットコインマイニング企業American Bitcoin、二社統合モデルでIPO計画

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
16:03
ナッジ、ステーブルコイン決済・還元対応クレカ「HashPortカード」発行開始
HashPortとナッジが日本初となる後払い型クリプトクレジットカード「HashPortカード」を発行開始。ステーブルコインJPYCで決済・還元が可能で、利用額の0.3%をJPYCで還元。年会費無料、カード発行手数料2,500円。
15:44
金融庁が語る暗号資産規制改革の全貌──銀行参入、インサイダー規制、DEX対応の狙い|独占取材
金融庁独占取材。暗号資産規制の金商法移行について、銀行グループ子会社の参入、インサイダー取引規制導入、分散型取引所(DEX)対応の狙いを詳しく聞く。投資家保護と健全なイノベーション両立への取り組みを解説。
13:55
Bitcoin Core、史上初の公開セキュリティ監査をクリア 「重大な脆弱性なし」
ビットコインの基盤ソフトウェアBitcoin Coreが16年の歴史で初となる第三者セキュリティ監査を完了した。Quarkslabによる4ヶ月間の徹底調査で致命的な脆弱性は発見されず、300兆円規模のネットワークの安全性が裏付けられた。
13:30
金融安定理事会、ステーブルコイン監視強化を表明 G20サミット前に警告
金融安定理事会(FSB)のベイリー議長がG20首脳会議を前にステーブルコイン規制強化を表明。市場規模3000億ドル突破を受け、ECBも警戒。2026年作業計画で国際協力推進。
13:05
仮想通貨団体ら、税制改正などをトランプ大統領に要望
ソラナ政策研究所など65以上の仮想通貨団体がトランプ大統領に書簡を提出。税制の改善、規制の明確化、イノベーションや開発者保護の取り組みを求めた。
13:00
Secured Finance CEOが語るJPYC固定金利レンディングの挑戦|独占インタビュー
Secured Finance菊池氏が語るJPYC固定金利レンディングの全貌。日本円を世界の金利ベンチマークにする構想、RWA担保展開、x402対応など最新戦略を独占取材。
11:25
米SEC、今年度の仮想通貨含む執行件数が3割減 アトキンス委員長就任後は記録的低水準に=報告
米SECの2025年度執行件数が30%減の56件、金銭的和解額も45%減の8億ドルと記録的低水準に。トランプ政権下でアトキンス委員長が就任し、仮想通貨規制を大幅緩和。前政権の「執行による規制」から明確なルール作りへ方針転換。
11:02
アバランチ財務企業「AVAX One」、最大63億円規模の自社株買いを承認
仮想通貨アバランチの財務企業AVAX Oneは、取締役会が最大で約63億円規模の自社株買いを承認したと発表。また、購入規模を増やしたり、購入期間を延長したりしていく可能性があるとも説明している。
10:30
バイナンスジャパン、PayPayで暗号資産購入が可能に
Binance JapanとPayPayが連携サービスを開始。PayPayマネーから1,000円で暗号資産を購入可能に。入金手数料無料、24時間365日利用可能、PayPayポイントも使える新サービス。
10:20
ビットコイン続落、トレジャリー企業の売り懸念とFOMC利下げ不透明感で市場心理最悪に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは続落基調が止まらず、一時は7か月ぶりとなる8万5000ドル台まで下落。背景には、世界最大のビットコイントレジャリー企業であるストラテジー社が、MSCIやナスダック100といった主要株価指数から除外される可能性がある。
10:05
コインベース、イーサリアム担保ローンを開始 最大約1.57億円まで借入可能
大手仮想通貨取引所コインベースがイーサリアム担保ローンサービスを開始。最大100万ドルのUSDC借入が可能に。Morphoプロトコル活用でBase上で運用。ニューヨーク州を除く米国ユーザーが利用可能。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧