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韓国当局から盗まれたビットコイン、犯人が自主的に返還 背景は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ハッカーが盗んだ資金を返還

韓国の検察当局は、昨年盗まれた暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)約2,140万ドル(約33億円)相当を回収した。ハッカーが自主的に返還したものとみられる。地元メディアが19日に報じた。

このビットコインは元々、光州地方検察庁が、賭博プラットフォームへの家宅捜索で押収したものだったが、昨年12月に紛失が判明。内部調査の結果、8月にハッキングにより盗まれていた。

これは、捜査官が誤ってフィッシングサイトにアクセスし、復旧用のシードフレーズを入力してしまったことによるものだ。

シードフレーズとは

仮想通貨ウォレットを完全に復元・管理できる秘密の復旧用パスワード一式のこと。

この盗まれた320.8BTCは17日、当局が保管するウォレットに戻ってきた。検察庁は、このビットコインをすぐに国内デジタル資産取引所アップビットのウォレットに移している。

今回、検察が捜査によりビットコインを取り戻したわけではない。しかし、犯人が資産を返却した背景としては当局が換金を難しくしたことが功を奏した可能性もある。

検察は韓国内の取引所に窃盗犯のアドレスからビットコインが振り込まれた場合は凍結させ、海外取引所にも協力を要請していた。これにより犯人が現金化できなくなり、手詰まりになって資産を返したことが考えられる。

また、検察がフィッシングサイト運営者やドメイン登録関連業者などに対しても全方位的な捜査を進めており、こうした動きも犯人の行動を促した可能性も指摘されているところだ。

犯人の身元はいまだ不明である。検察は今後も、犯人の追跡を続け、「事件の全貌を明らかにするために厳正な捜査を続ける」としている。

今回の事件を受けて、韓国では捜査機関が押収した仮想通貨の管理について、全国的な見直しが行われた。先週には、ソウル江南警察署も2021年からコールドウォレットに保管していた22BTCを紛失していたことが明らかになった。

ハッキングで流出した仮想通貨が犯人から返還されることは稀だ。ただ、いくつか事例が存在する。

2024年には、米司法省が押収した仮想通貨が保管されていたウォレットから約30億円相当の資金が盗まれた。犯人は約1.8億円分を除き、残りを24時間以内に政府のウォレットに返金している。

関連:ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還

また、仮想通貨プロジェクト側が犯人に流出資金の一部を報奨金として与える例もある。2022年、仮想通貨マーケットメーカーのウィンターミュートから2,000万Optimism(OP)トークンを盗んだ者は、そのうち1,800万OPを返還した。

ウィンターミュートはこの際、「今回の脆弱性を発見した人物は、ホワイトハットハッカーになることを選択した」「ウィンターミュートは懸賞金を損失として受け入れなければならない」とコメントしており、未返金の300万OPについては、システムの脆弱性を発見した犯人への懸賞金として捉えていた。

関連:サトシの100万BTCも対象に、量子コンピュータが脅かすビットコインをクリプトクアントが分析

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