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2020年米大統領選挙、「仮想通貨推進派」の民主党候補がオンライン上で支持を急拡大

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2020年米大統領選挙、仮想通貨推進派の民主党候補が物申す
2020年米大統領選挙に向けて、ブロックチェーン投票などの先進的政策を掲げる民主党候補が「インターネット上の本命候補者」と称されるほど人気を拡大。イーロン・マスク氏らが支持を表明している。

2020年米大統領選挙、仮想通貨推進派の民主党候補が物申す

2020年11月のアメリカ大統領選挙に向けて、数多くの候補者が名乗りをあげる中、仮想通貨に対する支持を全面に押し出す民主党候補に業界の注目が集まっている。業界でも特に仮想通貨支持派として知られているのは、起業家のAndrew Yang氏である。

熾烈な争いとなった民主党候補の座を巡っては、7月の第二回民主党討論会を勝ち残ったYang氏を含む10名が、9月に行われる第三回討論会で火花を散らす。

大統領選への立候補を表明した当初(2017年11月)には、ほとんど泡沫候補としか見られていなかったYang氏だが、インターネットやソーシャルメディアを駆使した選挙活動を行い、そして人気ポッドキャスト番組への出演からじわじわと支持を集め、ニューヨークタイムズ誌からは、「インターネット上の本命候補者」と名づけられるほどになり、高級EV自動車メーカーテスラCEOのイーロン・マスク氏までもが支持を表明している。

大統領選における仮想通貨へのアプローチ

世界経済情勢が緊迫感を増し、経済や医療問題、移民政策等、複雑化する国内事情を抱える米国で、大統領選挙において注目を集める政策として、仮想通貨に対する議論の優先度は決して高いとは言えない。

そんな中、Yang氏はユーチューブの仮想通貨チャンネル「The Coin Chat」のインタビューで、「経済に対する私のビジョンは、仮想通貨コミュニティの人々と極めて一致している。」と述べ、仮想通貨やブロックチェーン技術に対する支持を明確に表明した。

また、Yang氏は、第4次産業革命と呼ばれる新興技術が社会にもたらすインパクトを重要視しており、自身が推進する経済政策キャンペーンの項目に、「仮想通貨・デジタル資産規制と消費者保護」を明記し、次のように主張している。

仮想通貨とデジタル資産は急速に成長し、大規模な価値と経済活動を代表するに至ったが、この急速な成長は政府の対応能力を上回ってしまっている。

これらの資産を規制するための全国的な枠組みづくりは失敗しており、複数の連邦政府機関が対立する管轄権を主張している。(SEC、CFTC、IRSはそれぞれの定義を設けている。)

同時に、州ごと異なる規制の寄せ集めが作り出され、米国の仮想通貨通貨市場が他の法域、特に中国やヨーロッパ市場と競争することを困難にしている。

さらにYang氏は、「連邦政府は、適切な情報によって投資が推進できるように、仮想通貨/デジタル資産市場がどのように扱われ、規制されるかについて、明確なガイドラインを作成するべき時にきている。」と指摘した。

このようなYang氏の姿勢は、技術系企業や起業家、投資家からも支持を集めているようだ。その中には、ツイッターおよびSquare社の創業者兼CEOのJack Dorsey氏、著名VCのYCombinatorのSam Altman氏、LinkedInCEOのMike Gamson氏などが名を連ねている。

ブロックチェーン投票の意義を主張

さらにYang氏は、ブロックチェーンを利用した投票の近代化を望んでおり、今日、不正を防止しつつ、スマホで投票を行うことは、技術的に可能だと主張している。

「これ(ブロックチェーンを利用した投票)は、真の民主主義に革命をもたらし、すべての米市民を含み、参加者を増やすことになる。スマートフォンを持たない人は従来のシステムを使用でき、(投票するための)列は短くなるだろう。」と、主張している。

さらに、大統領となった暁には、最新技術を活用することで、投票を簡単で安全なものとし、民主制に参加できる市民を増やしたいと強調した。先日、Yang氏の支持者は、Lightning Networkを利用したビットコインによる献金を可能にする政治行動委員会も立ち上げている。

関連2020年米大統領選、初のBTCライトニングによる政治献金募集を開始

「左派ではなく、右派でもなく、前に前進する」とのスローガンを掲げ、独自の政策方針で、民主党だけでなく共和党の支持者層にも、サポーターが広がるYang氏だが、現職の大統領に対峙する民主党候補として勝ち残るには、まだまだ高いハードルがあるようだ。

8月15日に公開された米大手メディアFox Newsの世論調査によると、オバマ前大統領政権で、副大統領を務めたジョー・バイデン候補が31%で1位、2位には、仮想通貨に批判的スタンスで知られるエリザベス・ウォーレン上院議員が20%。ついで、前回の大統領選ではヒラリー・クリントン氏に敗れたバーニー・サンダース氏が10%で3位となっており、Yang氏は支持率3%で5位となっている。

これからの選挙戦で、Yang氏の主張がどれほど支持を得られるのか、注視していきたい。

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