はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

機関投資家向け仮想通貨カストディサービス、米公式機関から初の認可|ビットコインやリップルを含む75種類に対応へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国で公認の仮想通貨カストディサービス誕生
9月13日に世界有数の仮想通貨関連セキュリティ会社BitGoが、サウスダコタ州の銀行部から公式なカストディアンとしての認可を受けたことが明らかになった。BitGo Trustは、今後機関投資家に向け、75種類以上の仮想通貨、トークンに対応し、365日24時間体制でのサポートを備えたカストディサービスを提供すると記述された。
カストディとは
証券投資を行なう投資家の代理人として、有価証券の保管や売買に係る決済、あるいは元利金・配当金の受領や議決権行使などの幅広い業務を提供するサービスの総称のこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

米国で公認の仮想通貨カストディサービス誕生

米時間9月13日に、世界有数の仮想通貨関連セキュリティ会社BitGoが、サウスダコタ州の銀行部(Division of Banking)から公式な管理機関(カストディアン)としての承認を受けたことが明らかになり、今後機関投資家に向け、BitGo Trustを通して、認可された仮想通貨管理(カストディ)サービスを提供していくことが発表されました。

仮想通貨関連会社BitGoは、2013年に業界でも先駆的であったマルチシグホットウォレットの提供を開始し、そのマルチシグ技術は、LINEの提供する仮想通貨取引所BITBOXでも利用され仮想通貨取引所の中で、信頼を着々と高めてきました。

BitGoは、仮想通貨カストディサービスに長い間、関心を寄せており、2018年1月には、当時120億ドル(約1.3兆円)のデジタル資産を管理していたKingdom Trust Companyの買収を試みましたが、その買収の話は流れてしまい、結果的にBitGoは、今年5月に独自の管理機関BitGo Trustを設立することになっています。

同社CEOを務めるMike Belshe氏は、今回のプレスリリースにて以下のようにコメントしました。

仮想通貨市場インフラの充実において管理(カストディ)は最後のピースなのだ。そして、そのギャップこそが機関投資家を市場から遠ざけていた

既存の管理機関(カストディアン)は、仮想通貨の扱いに長けていなく、仮想通貨取引所でカストディサービスを提供する際は、利害の衝突が起き、規制的懸念も残る。

BitGo Trust Companyは認可されているため、高い基準でセキュリティと規制コンプライアンスに適応した唯一のカストディサービスとなるのだ

さらに、プレスリリースにおいて、BitGo Trustが提供するカストディサービスは、以下のような特徴を持つことが明らかになりました。

  • 銀行基準クラスIIIの金庫を使用した100%のコールドストレージ
  • 75種類以上の仮想通貨、トークンに対応
  • 機関基準のポリシー制御
  • 複数ユーザー対応の口座
  • 迅速な手続き
  • 365日24時間体制でのサポート

しかし、サウスダコタ州の規制により、そのカストディサービスの実際の開始は30日後を予定されています。

機関投資家からの関心と現状

TABB Groupのフィンテック部門でシニアアナリストを務めるMonica Summerville氏(以下、Summerville氏)は、機関投資家がカストディサービスに非常に関心を寄せていると語る一方で、現時点では機関投資家自身で管理する以外に適切な解決策が見つかっていないと言及していました。

そして、Summerville氏と業務上の繋がりがある、あるファミリーオフィスでは、ハッキングを回避するため、顧客の仮想通貨がUSBのような小さな端末に保存され、ファンドマネージャーなどによって、バインダーに保管されているのが現状であると記述されました。

この現状を受け、BitGoの最高法務および、コンプライアンス責任者を務めるShahla Ali氏(以下、Ali氏)は、今回の発表で以下のように言及しました。

私達は、カストディサービスが充実していないために、仮想通貨業界への参入を果たせていない非常に多くの市場関係者を見てきた。そして、大規模のファミリーオフィスでも、自身で資産を管理している中、懸念することのない安心できる解決策が求められていることを目の当たりにしたのだ。

私達は、このプラットフォームを通して、規制機関や顧客に、このサービスが、資産を守るための適切な解決策となることを証明したい。

さらに、BitGoだけでなく、仮想通貨取引所Coinbaseや、Gemniも機関投資家へのカストディサービスの提供を開始しており、金融大手のゴールドマンサックスやNorthern Trust、野村HDもカストディサービスに向けて取り組みを開始していることから、今後の機関投資家の参入も期待されています。

CNBC番組にも出演

仮想通貨セキュリティ専門企業BitGoのCEOを務めるMike Belshe氏は、CNBCの経済番組FastMoneyに出演し、本日サウスダコタ州の銀行監督部から機関投資家向けのカストディ(デジタルアセット保管)サービスを提供する信託会社の許可を取得したことやカストディサービスに繋がるウォール街勢力による参入について語りました。

まず、Belshe氏は、

「仮想通貨市場が大きく成長するにつれ、伝統金融業界は近年、少しずつこの業界に関わり始めている」

と述べました。

そして、Belshe氏は、自社のような政府認定のカストディサービス提供業者は機関投資家の参入を招致しやすくなり、仮に2年前にこのようなセキュリティ面の解決方法が出来ていれば、仮想通貨市場の規模は現在より拡大していたはずだと、カストディの重要性を強調しました。

さらに、ゲストのBrian Kelly氏は、数時間前にブルームバーグ紙に報じられたMorgan Stanley銀 のBTCスワップ取引の提供計画について、現在、ビットコイン市場には「新たな資金と買い手が必要だ」と、ウォール街の機関投資家による“促進剤”を認めました。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

2兆円規模の仮想通貨流入予測も:安心保管のカストディサービスが今望まれる理由
安心・保管の「カストディサービス」導入により、およそ200億ドル(2兆200億円)規模の仮想通貨が同事業に流入することが予想されており、米ウォール・ストリートの大御所3社も仮想資産のカストディサービス展開について検討している。
野村HDが海外2社とデジタル資産向けカストディ(保管・管理)サービス提供を目指す
野村ホールディングス株式会社と Ledger、Global Advisors Holdings Limitedが仮想通貨を含むデジタル資産のカストディサービスの提供に向けて、共同研究を進めることを発表しました。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/12 金曜日
16:19
ソラナ公式が「XRP登場」を発表 wXRPが同日ローンチ
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表。ヘックス・トラストもwXRPのソラナローンチを同日発表し、1億ドル超のTVLを確保。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現へ。
15:10
Animoca Brands Japan、ビットコイン分散型金融「Solv Protocol」とMOU締結
アニモカジャパンはSolv ProtocolとMOUを締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT領域で協力を拡大。BTCFi活用による財務戦略の高度化を目指す。
14:57
米CFTC、ポリマーケットなど4社にデータ規制で柔軟対応
米CFTCが予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆2000億円)に達し、急成長が続いている。
13:55
コインベース、予測市場とトークン化株式ローンチ予定=ブルームバーグ
米最大手仮想通貨取引所コインベースが12月17日に予測市場とトークン化株式を発表予定。ジェミニのCFTCライセンス取得やDTCCのトークン化承認など、業界の競争激化と規制進展が加速している。
13:20
テラフォームラボのド・クォン創業者に懲役15年の判決 ステーブルコインUST崩壊背景に
テラフォームラボのド・クォン創業者に米国地裁で懲役15年の判決。2022年のアルゴリズム型ステーブルコインUST崩壊により数兆円の被害をもたらしていた。
13:10
YouTube、クリエイター報酬でペイパルのステーブルコイン支払いに対応
フォーチューン誌によると、ユーチューブが動画プラットフォームのクリエイターに対し、ペイパルのステーブルコインPYUSDでの報酬受け取りを選択できるようにした。現在は米国ユーザーのみに適用される。
11:53
ビットコイン9万ドル割れから反発、売り圧力後退も流入資金は半減
12日の暗号資産市場でビットコイン(BTC)はFOMC後に一時9万ドルを割り込んだが米国時間にかけて反発した。ただアナリストは売り圧力減少による反発と指摘し、ステーブルコイン流入が8月比50%減の760億ドルまで縮小した。新たな流動性回復まで上昇は限定的で、週足9万3000ドル確保が強気継続の条件に。
11:35
コインベース、ソラナ系トークンの直接取引を開始 上場審査不要で即時売買
米仮想通貨取引所大手コインベースが、アプリ内でソラナ系トークンをDEX経由で直接取引できる新機能を発表。従来の上場審査なしで数百万種類のトークンに即座にアクセス可能。1.2億ユーザーに順次展開予定。
11:04
国税庁が調査結果を発表、暗号資産取引の追徴税額46億円に
国税庁が令和6事務年度の調査結果を公表。暗号資産取引に対する追徴税額は46億円で前年比31%増、1件当たり745万円と全体平均の2.5倍に。政府は分離課税導入に向け調整を進めている。
10:02
米上院銀行委員会長、仮想通貨「クラリティ法案」で銀行幹部らと協議
米上院銀行委員長がビットコインなど仮想通貨の市場構造を定める法案で銀行業界と協議し、進展があったと報告した。ステーブルコイン利回りやDeFiが法案の争点となっている。
09:49
米CFTC、仮想通貨取引の引き渡し規則を撤廃 規制緩和へ
米CFTCが仮想通貨の「現物引き渡し」に関する2020年ガイダンスを撤回。ファム委員長代行は「時代遅れで過度に複雑」と指摘し、規制簡素化へ。12月には現物取引承認やパイロットプログラム開始など、トランプ政権下で仮想通貨規制の整備が加速。
09:35
コインベース、ラップドトークン向けにチェーンリンクのクロスチェーン技術を採用
仮想通貨取引所コインベースはチェーンリンクのクロスチェーン技術を採用。ビットコインのcbBTCやイーサリアムのcbETHなどラップドトークンの送金に活用する。
09:25
米決済機関DTCCがトークン化サービス開始へ、SECから許可
米預託信託決済機構DTCCの子会社DTCがSECから無措置書簡を取得し、DTC管理下の実世界資産をトークン化する新サービスの提供が承認された。2026年後半にサービス展開を開始する予定だ。
08:20
ビットコイン、年末サンタ・ラリーの可能性低下 FRB利下げ後=アナリスト分析
FRBが25ベーシスポイントの利下げを実施した後、ビットコインが約9万ドルまで下落した。アナリストは年末のサンタ・ラリーが起こりにくいと分析しており、強気の確信は2026年初頭に先送りされている。
07:35
ステート・ストリートとギャラクシー、トークン化キャッシュ運用ファンドをローンチへ
ステート・ストリートとギャラクシーは、トークン化したキャッシュ運用ファンドのローンチ計画を発表。まずは仮想通貨ソラナのブロックチェーンに対応し、将来的にはステラやイーサリアムなどにも拡大するとした。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧