はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

厳しい仮想通貨規制を見直しか 韓国議員らがイノベーションの重要性を主張

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大型カンファレンスで注目集まる韓国の仮想通貨規制
韓国大型カンファレンスにて、政府の役人やヴィタリック氏などがブロックチェーンの未来を語る。 韓国の仮想通貨規制に関する議論が白熱したほか、ヴィタリック氏が見る展望などが明らかになった。

韓国で進む仮想通貨規制の議論

現状ICOを禁止している韓国政府が、仮想通貨およびブロックチェーン関連の規制を見直す可能性に向かっていることが現地メディアなどの報道で明らかになった。

韓国で今週開催されている大型仮想通貨・ブロックチェーンカンファレンスDeconomyに際して、仮想通貨の規制に関する積極的な議論が、韓国の政治家やイーサリアム創設者のヴィタリック・ブーテリン氏などを中心に行われている。

「Deconomy」では4日、ブロックチェーン業界と政治状況に関するパネルが行われ、韓国内における厳しい仮想通貨規制の見直しやサンドボックスの早期導入などについて意見が交わされた。

同カンファレンスでは、「政府は仮想通貨を厳しく規制しているが一年以上経って国民の多くが守られている今、仮想通貨の規制体制を見直してもいいのではないか。」との発言が行われたほか、韓国議会にて韓国の国益を目的としたイノベーションを前提とした仮想通貨法案を決めることが最優先であるとする意見に、与野党から募った4名のパネリストは同意する場面が見られたという。

韓国政府はこれまでICOなど仮想通貨を利用した資金調達を禁止する法律を施行してきたが、海外でペーパーカンパニーを登記するなどの規制逃れを対象とした取り締まりが難航化していることなどを理由に、まずは党派の垣根を越えて「国家レベルのイノベーションを促進することが重要である」とする見方が強まっているようだ。

ブロックチェーン特区設立の案も

また、仮想通貨の規制に関する意見交換で、仮想通貨規制のためのサンドボックス制度導入が主要議題として挙がった。

韓国では昨年規制サンドボックスに関する法案が可決されている中で、ブロックチェーンに関連したサンドボックスが未だに存在していないことなどを受け、パネリストの一人である済州島知事のWon Hee-ryong氏が済州島をブロックチェーン特区にするべきだと提案する場面が見られた。

同氏は仮想通貨やブロックチェーン技術において韓国が多くの経験と失敗を体験していることは最大のノウハウと力になると説明。業界と政府、そして銀行が連携してガイドラインの策定に取り組める場所が必要であると述べた。

ヴィタリック氏がイーサリアムについて発表

そのほかにも韓国を訪問している仮想通貨イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が、韓国の国会議員などにブロックチェーンに関して解説を行なった

ブロックチェーン技術が一般的に普及していくためにはスケーラビリティ、プライバシー、そしてセキュリティーの強化が必要になるとブテリン氏は説明。

自身が開発したイーサリアムは現在一秒間に処理できる取引数を1万4000TPSまで上げるためにPoSへの移行やSharding技術を最優先に進めているなど、イーサリアム2.0の計画などを韓国の国会議員などを相手に解説したという。

ICOについて

また、イーサリアムの実用例としても注目されたICOの衰退についても言及し、現在見られているICOの資金調達額の減少などは業界成長の一環だと客観的に考察、前向きな捉え方をしていることを明かした。

一見すると停滞しているようにも見えるICOの衰退だが、ブロックチェーン業界がまだ早期の段階にある上で、ICOプロジェクトの品質は確実に向上していると見ているのがその理由だ。どの様な業界でも初期段階では多くのプロジェクトが失敗し、その後長期的に成長していくモデルが確立されていくと説明して今後への期待感を示している。

仮想通貨市場において韓国は米国や日本などに続く大手市場と見られている。「キムチ・プレミアム」と称された韓国取引所で散見された価格のギャップや2018年相次いだ仮想通貨取引所のハッキング事件など、最近の韓国の仮想通貨市場は厳しい状況に置かれていると言えるため、韓国政府が厳しい姿勢を見せるのも頷ける。

一方で仮想通貨やブロックチェーン技術を重要視する企業も少なくなく、韓国の大手携帯メーカーであるサムスンは新型スマートフォン「Galaxy S 10」に仮想通貨ウォレット機能を搭載したほか、政府や役人の一般ブロックチェーンカンファレンスなど、一般市民へのアプローチが見られる、ブロックチェーンに重きを置く国でもある。

仮想通貨への高い関心を示した韓国において、党派を越え新興技術のブロックチェーン技術を促進しつつ、国内の投資家を保護する規制を導入することが韓国政府にとって重要だとの発言は重要な意味を持つだろう。

仮想通貨業界にとって重要な国家の一つである韓国において、今後の規制状況が整備されていくことに期待していきたい。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

韓国最大手仮想通貨取引所Bithumbにハッキング被害、EOSとXRPが流出か|現地監査機関が確認
韓国の大手仮想通貨取引所Bithumbは29日、ハッキング被害を受け自社資金の300万EOS(約14億円)と、2000万XRP(約6億9千万円)が盗まれたことが判明した。現在警察側が調査中。
ブロックチェーンカンファレンス「Deconomy」がソウルで開催、ヴィタリック氏やCZ氏など業界のリーダーが集結|2019年4月4日‐5日
ブロックチェーンカンファレンス「Deconomy」が韓国・ソウルで開催されます。イーサリアム創設者ヴィタリック氏やバイナンスCEOのCZ氏など多くの業界のリーダーが登壇予定です。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧