はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨の確定申告!税金のプロが教える注意点と申告方法まとめ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

前回の記事はこちら
Cryptact代表取締役 斎藤氏とコインタックス 代表取締役 田辺氏が、確定申告について対談。仮想通貨取引における確定申告は、申告しなくてもバレないと思っている方がいるかもしれませんが、それは大きな間違い。本記事では、田辺氏が実際に見た怖い話を紹介しています。 『仮想通貨確定申告怠ると…本当にあった怖い税務調査体験談』

確定申告への具体的な準備、進め方

斎藤

前回の対談では、コインタックス株式会社の田辺社長から、仮想通貨の確定申告でこんな事があったという怖い話をお聞かせいただきました。

ご覧いただいた方は、年明け2月から始まる確定申告で、ちゃんと申告しなければとの思いを強くされているのではないかと思います。とは言え、確定申告をやった事がない方からすれば、何をどうすればいいかの見当がつかず、不安を感じるかもしれません。

そこで、今回は田辺社長に確定申告への具体的な準備、進め方を教えていただきます。田辺社長、今回もよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

田辺社長

斎藤

総務省の「労働調査」を見ると、2018年の数値ですが、サラリーマン(雇用者)は、就業者の約89%を占めています。つまり、大部分の労働者は、給与からの源泉徴収で税金を支払っており、確定申告なんてやった事がない、又はあるにはあるものの、医療費控除、住宅ローン控除、ふるさと納税に伴う寄付金控除といった控除の申告のみ経験という方が多いのではないかと思います。

そんな方にとって仮想通貨取引に伴う申告はハードルが高そうですが、具体的にどういった方が、どういう手続きや流れで確定申告を行うのでしょうか。

まず、原則として、所得税の確定申告を要するのは、一般的な会社員の場合は仮想通貨の年間実現益が20万円以上に該当する人です。その他、仮想通貨取引以外に雑所得があり、仮想通貨取引との合計で雑所得が20万円を上回る場合も、申告が必要です。

また、2ヶ所以上から給与を得ている人や、高額所得者などそもそも確定申告が必要な人も仮想通貨取引による雑所得の申告が必要です。

田辺社長

斎藤

なるほど。また、確定申告を行う場合は、雑所得が少額でも申告に含めなければならないと聞きました。ふるさと納税や住宅ローン控除の利用初年度は確か確定申告が必要で、そうすると、例えば今年初めてふるさと納税を行って、年明けに確定申告を行う人は、仮想通貨取引による所得が仮に10万円だったとしても、その所得を確定申告に含める必要がありますか?

そうですね。確定申告を行う場合、雑所得は少額であっても含めなければなりませんね。他にも医療費控除(原則、医療費が10万円以上)を受けられる方なんかも確定申告が必要です。
しかしながら、ふるさと納税だけであればワンストップ特例制度という、確定申告をしなくても寄附金控除が受けられる便利な仕組みもあります。この場合、確定申告は不要になるので、雑所得が20万円以下であれば課税はされません。

田辺社長

斎藤

なるほど、奥が深いですね。
ちなみに所得税については、20万円超で確定申告が必要という記事は、よく見るのですが、住民税のための申告についてはややばらつきがある印象です。

仮想通貨取引の所得が例えば10万円だった場合でも、住民税の申告を行う必要があるのでしょうか?

雑所得が20万円以下の場合に申告が不要になるのは所得税ですので、住民税の申告は必要です。これは税務署でなく役所に行います。

田辺社長

斎藤

そうすると、思ったより多くの仮想通貨投資家が、確定申告又は住民税の申告が必要になりそうです。そもそも仮想通貨の利益額の計算自体、計算方法が複雑なため、個人が想定している金額と実際の取引から計算した実現損益が異なるケースも多いようですね。これは前回の対談 でも話題になりました。

そうですね。仮想通貨を全部売ってしまっている方は、ご自身の予想とズレは当然ないのですが、まだ保有されている方などは計算方法を正確に理解されている方でないとご自身の想定と違った、というパターンが多いと思います。

田辺社長

斎藤

そうすると、まずやるべきなのは正確な損益計算という事になりますが、具体的にはどうすればいいでしょうか?

まずは、過去行った取引の資料や記録を集めて、クリプタクトのような損益計算ツールで計算するのが一番いいかと思います。
損益計算ツールを使えば、売買だけではなく、ハードフォーク、貸コインなど多様な取引による損益も簡単に計算してくれるので、自分の損益を理解する事ができます。

田辺社長

斎藤

取引や仮想通貨の所得に関する資料としては、取引所からの履歴ファイルなどになるのでしょうか。

その通りです。まずは、各取引所から取引履歴等を入手する必要があります。他にもクリプタクトさんには、全取引を一括でダウンロードできる機能もあるので、よくそれを使っています。
取引履歴をダウンロードできない取引所の履歴や取引所以外の取引は、エクセル等を使うか、クリプタクトさんのカスタムファイルのようなものを使用するのか、いずれにしてもご自身で用意していただく必要があります。

データが準備できたら損益計算を行い、結果を検証します。検証が済めば、仮想通貨取引に関する確定申告の準備は完了です。クリプタクトさんのツールは、計算根拠が明示されていて、損益計算がブラックボックスにならないのもいいところです。

田辺社長

斎藤

では、仮想通貨取引の損益計算の結果、確定申告すべしとなった人は、その後どうすればいいでしょうか?

仮想通貨以外の所得の明細をご用意いただく必要があります。

給与所得者であれば、会社から渡される源泉徴収票などです。他にも生命保険、損害保険や医療費なども所得控除の対象になるので、明細をご用意ください。ふるさと納税をされている方なら寄付先から発行される寄付金受領証明書も必要です。

田辺社長

斎藤

確定申告なので当然その他所得とあわせて申告する必要がありますもんね。書類の用意も大変ですね。書類ができたらその後はどうすればいいですか?

私達のような申告サポートを利用するなら、後はお任せいただければですが、ご自分で申告書類を作成される場合は、国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーを使ってPCで申告書類を作成するのがいいと思います。

仮想通貨取引による所得の入力は、「所得、所得控除等の入力」画面から、雑所得、その他を選択します。

「雑(その他)所得の入力」画面の「上記以外(報酬等)」欄の「入力する」を選択し、立ち上がった「個人年金以外の雑(その他)所得の入力」画面に、損益計算の結果を入力します。

入力項目は、種目、報酬などの支払者の氏名・名称、収入金額、必要経費、源泉徴収税額です。仮想通貨取引は、損益を計算するのは大変なのですが、申告書類に記載する情報は、実はこれだけです。

クリプタクト等の損益計算ツールで計算した実現益を、収入金額に入力します。必要経費は手数料等ですが、損益計算で既に控除されているなら空欄、控除されていない経費があるなら、ここに直接入力します。源泉徴収税額も該当がなければ空欄のままです。

仮想通貨取引に関する作業は以上です。

田辺社長

斎藤

コインタックスさんでは、普段仮想通貨に関する資料は何を添付されていますか?それとも添付不要なのでしょうか。

法的要件ではないのですが、損益計算ツールで作成されるコイン別の損益明細などを計算根拠として申告書類に添付しています。

田辺社長

斎藤

仮想通貨取引以外の所得についてはどうすればいいのでしょうか?

仮想通貨取引以外の所得が給与所得だけであれば、後は源泉徴収票の内容を転記していく作業が大半で、それほど難しいものではありません。

田辺社長

斎藤

それら資料が用意できれば、いきなり税務署に行ってみてもいいのでしょうか。

はい、一番簡単な方法はそれになるかと思います。税務署に行けば職員がどういった入力をする必要があるか丁寧に教えてくれるかと思います。それに沿って入力し、不足しているものがあれば後日あらためて訪問することもできると思います。

田辺社長

斎藤

なるほど。慣れると手続き自体はシンプルに聞こえますね。一方で、取引件数が非常に多かったり、あるいは手続きにやはり不安を感じる方は、やはり税理士さんにお願いしたいケースが多いかと思います。税理士法人GLADZさんと提携されているコインタックスさんでは、どういった料金体系で仮想通貨の確定申告を引き受けていらっしゃるのでしょうか。

弊社にはプランが3つありまして、お客様が使用する取引所の数と利益額に応じて8万円、13万円、18万円と料金に差を設けています。過去の経験に加え、クリプタクトさんが新しい取引所に迅速に対応してくださるおかげで、業界最安級の料金でサービスを提供させていただいております。ただ、あまり利益が出ていない方には少し負担が大きいとのお声を最近いただくので、近日中に利益額が200万円以下の方向けの低額なプランもリリース予定です。期待していてください。

田辺社長

斎藤

それは嬉しい人も多そうですね!おさらいとなりますが、仮想通貨確定申告に向けての主なステップはこちらとなります。

尚、弊社ホームページに仮想通貨確定申告書作成プロセスを、ステップバイステップで纏めますので、是非ご覧ください。

ステップ1:

過去行った取引の資料や記録を集めて、クリプタクトのような損益計算ツールで計算。

ステップ2

ステップ1で20万円以上の利益が出ている、もしくはそもそも確定申告を行う必要のある方は、仮想通貨以外の所得の明細を用意。例えば、会社から渡される源泉徴収票など。保険や医療費、ふるさと納税などもあれば控除に使えるので手元に用意。

ステップ3

税理士にお願いする場合は税理士へ。そうでない方は、国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーにアクセス!PC上で指示に従って、申告書類の作成。

国税庁ホームページ: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm

仮想通貨取引の入力は、「所得・所得控除入力」の画面から、雑所得、その他を選択。

雑(その他)所得の入力画面で、上記以外(報酬等)の「入力する」を選択し、種目、報酬などの支払者の氏名・名称を入力。

収入金額は、損益計算の結果を見て入力。必要経費、源泉徴収税額は該当がなければ空欄でOK。

仮想通貨に係る入力は以上で完了。

仮想通貨取引以外の所得を源泉徴収票に基づき転記。

画面指示に従って、控除項目の入力が終われば、データ入力完了。

PC上の申告書類の数字と損益計算、源泉徴収票をチェックすれば、申告書類の完成です。

どうしてもわからない方は税務署にいけば入力方法など親切に対応してくれるとのこと!

仮想通貨の節税対策ならCryptact 今なら完全無料!
Cryptactへの登録はこちら(無料)

株式会社クリプタクト 代表取締役 斎藤 岳

2007年、ゴールドマン・サックス証券入社。

2010年、ゴールドマン・サックス・インベストメント・パートナーズで、ヘッジファンドマネージャーとして最大800億のポートフォリオの投資・運用を行う。2018年、ブロックチェーンやスマートコントラクトのテクノロジーに可能性を感じ、アミン、増田とともに株式会社クリプタクトを設立。2019年、株式会社クリプタクト代表取締役就任。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧