はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

『仮想通貨確定申告怠ると...本当にあった怖い税務調査体験談』| クリプタクト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

前回の記事はこちら
前回のコラムでは、Cryptact代表取締役 斎藤氏とコインタックス 代表取締役 田辺氏と確定申告について対談。2019年に新たに誕生した取引を含め、早めに損益状況を確認して確定申告に備えましょう。 2019年振り返り 仮想通貨の新種取引やその確定申告。12月中にできる税金対策

1. 確定申告あれこれ

斎藤

さて、今回は仮想通貨の確定申告や税務調査でどんなことがあったのか、引き続き田辺社長に色々伺いたいと思います。今年は、仮想通貨だけでなく、著名人が無申告で芸能活動を休止になるなど、色々ありました。

そうですね。仮想通貨に対しても最近は税務署も力を入れているようで、無申告は非常に危険と言えます。弊社への問い合わせも最近は税務調査への対応が多くなってきています。

いまでも仮想通貨取引における確定申告は、しなくてもバレないと思っている方もおられるかもしれませんが、それは大きな間違いです。税務署は取引履歴や銀行の入出金履歴を容易に入手できるので隠すことは難しいでしょう。

田辺社長

株式会社クリプタクト

株式会社クリプタクトは暗号資産(仮想通貨)投資の自動損益計算サービス、tax@cryptact(無料)を展開。同種のサービスとしては国内最大のユーザー数を誇り、数千種類の仮想通貨に対応。1分単位の時価での正確な損益計算を行い、数十万件以上の取引履歴にも対応したサービスを提供している。

2. 確定申告に絡んだ不幸な事例

斎藤

まさにその辺りについて読者の皆様も興味を持っていると思います。これまで確定申告サポートをされてきた中で、印象として残っている事例など教えてもらえますか。

これは、本当に勿体ない事例だったのですが、2017年の仮想通貨バブルで凄まじい利益を出されていた方がおられました。ただその方は仮想通貨同士の交換は利益になるとは理解しておられず、日本円の出金だけが利益になると勘違いして申告されていました。そのため税務署から連絡が来てペナルティーを払うことになったのですが、その時はちょうど暴落して値が落ちていたので税金払ってしまうともうほとんど残りませんでしたね。

田辺社長

斎藤

う、、それは似たような経験された方も多そうな話ですね。損益をきちんと把握していた方でも、2017年の利益に対応した納税を2018年3月に行う頃には、仮想通貨が暴落してしまっていて、納税資金確保のために仮想通貨を売却したら何も残らなかったと。。

はい、まず仮想通貨投資をするうえで最低限の税金の知識は付けておくべきです。知識がなくとも、クリプタクトさんのような無料で自動計算してくれるサービスがあるのでそこであらかじめ利益額を把握しておくべきでしょう。そして利益が出た方は仮想通貨のまま所有するのはリスクがあります。納税資金分は現金化しておくなどの対策をもっと知っておいて欲しいですね。

田辺社長

斎藤

ちなみに税務申告に係るペナルティーとはどんなものですか?

主に追徴される税金を言いますが、最悪のケースでは、刑事罰に処される可能性もあるので、知らなかったでは済まされません。追徴される税金については、加算税といいますが、大きく加算税は4つに分かれます。

  1. 無申告加算税
  2. 過少申告加算税
  3. 重加算税
  4. 延滞税

これらは申告の有無、悪質性の度合いなどで変わってきます。

一番厳しい重加算税のペナルティーだと本来払う税金に加え40%もの金額が追加されてしまいます。仮想通貨は元々税率が高いので、かなりの痛手となってしまいますね。

田辺社長

斎藤

聞いていて利益が出ていなくてよかった、と思えてきました。それはそれでどうなんだ?という話なのですが。笑

ちなみに、そもそもですが、税務調査というのはどういった経路やきっかけで入るものなのでしょうか。これまで経験されたケースでよくあるものを教えてもらえますか。

突然知らない固定電話から着信があり、出てみると税務署からの税務調査の事前連絡だったというケースが多く、そこから仮想通貨の税務調査で検索し、弊社にお問い合わせいただく方が多いです。電話でなく郵便で書面が届くこともあります。仮想通貨の税金知識がなく、驚かれる方がほとんどですね。

田辺社長

斎藤

めちゃくちゃ怖い電話ですね笑 税務署はどうやってその方の電話番号を取得したり、そもそも狙い撃ちしてくるものなのでしょうか。

詳細は分かりませんが、税務署は入金や引き出しなどの情報を金融機関から収取し、入出金が多額になっている方が狙われている印象があります。仮想通貨取引所からの振り込みが1億円あって確定申告していなければ、それはかなり怪しいですよね。笑 個人情報もそういった経路から税務調査の一環として入手しているのではないでしょうか。

田辺社長

斎藤

なるほど。冒頭の著名人の例でないですが、隠し事は通用しないですね。また損益の認識の仕方を知らないと、きちんと申告するときに現金を用意できていないという悲惨な例があるのも恐ろしいです。他人の不幸話を聞くようで恐縮ですが笑、他にどのような事例がありましたか。

そうですね。XPという通貨をご存じですか?多くのマイニング報酬を得る事ができる通貨で2017年末にすごく盛り上がったコインです。マイニングの税金はマイニング報酬を受け取ったときに課税されるんですね。確かXPは一時0.6円とかとかまで高騰したのですが、お客様でその時期にマイニングされていた方が、知らず知らずの内に1000万近くの利益が上がってしまっていたのです。笑

田辺社長

斎藤

確かにマイニングは報酬を受け取った時点の時価で収入認識してしまいますからね。取引しているわけではないから、気づかないうちに収益認識してしまいそうですね。

そうなんですよ。ただ例にもれずXPもしっかり暴落して2018年には0.001円くらいまで落ちたのでほとんど価値は無くなったのですが、マイニングによる利益だけは残っていた状態だったので急いで年内に売ってもらいました。この売りが年をまたいでいたら、と思うとゾっとしますよね。

(マイニングで1000万の原価で取得したと計算される通貨を30万で売却するとマイナスが970万円出るので、同年度内であれば通算し、30万の利益で抑えることができます。)

田辺社長

斎藤

そうか。マイニング分も年内に売却しておけば、そこで日本円に戻した上での損益が確定するので、税金が払えないという事態は避けられますね。しかし、それに気付いていないと、税務上では想定以上の利益認識されることもありますね。

その通りです。繰り返しですが、自分自身で「税務上の」損益をきっちり把握されることが重要です。自分の想定やイメージ、特に含み損益で判断すると大やけどする原因となります。

田辺社長

斎藤

私たちも繰り返しその点は強調して、無料ですし一度クリプタクトで計算してくださいと言ってきたのですが、なかなか伝わらずに苦慮しておりました。ところで、税務調査というと、交渉できない、とても恐ろしいものに聞こえますが、これまで税務調査に立ち会ってみて、やり取りをしていくうちに指摘された納税額が変わったケース、特に税額を減らすことができたケースなどはありますか。

以前ご依頼いただいたケースでは、メインで使用していた海外取引所での過去の取引履歴を取得することができず、銀行や取引所間の入出金、取引所内の残高の差額から算出した利益額での申告が認められました。最初税務署側が提示した金額は3000万近くだったのですが、1000万近くに減額することが出来ました。

田辺社長

斎藤

なるほど。御社は税理士法人GLADZさんと提携されていますが、こういう調査ではGLADZさんのように仮想通貨に強い税理士の立ち会いで話をしたほうが絶対よさそうですね。

3. 2019年度確定申告に向けて

斎藤

さんざん肝を冷やしたところで、2019年度確定申告に向けてどういったことをすればいいか、アドバイスをお願いします。

はい、確定申告に向けて一度ご自身の利益額等を正しい税金の知識を元に算出するべきでしょう。思ったより計算上の利益が出ている場合、損失が出ている通貨の決済ができていない場合がほとんどです。年内であれば決済し、利益を減らすことが可能です。それでも利益が出ていた場合は、ふるさと納税などしても良いのではないでしょうか。

また、仮想通貨の正しい計算をするのは非常に難しいので、クリプタクトさんのシステムを使うことをオススメしています。他社のシステムを使ったこともありますが、tax@cryptactが圧倒的に使い勝手がいいです。その他にもデータ不足に伴う計算不能状態の通知なども行ってくれるため、仮想通貨の税金知識がなくとも正確な計算を行うことが出来ます。無料で使用できるので、是非年内のうちに取引履歴をアップロードして損益を確認し、確定申告の準備をしておくといいでしょう。

田辺社長

斎藤

次回は、確定申告に向けて具体的にどういった準備をして、どういう手続きをしたらいいのかについて伺いたいと思います。自分でできることも多く、必ずしも税理士に依頼する必要もないようです。これを読めば確定申告の手順を知れるようにしたいと思いますので、次回もよろしくお願いいたします!

コインタックス株式会社

コインタックス株式会社は暗号資産(仮想通貨)投資を行う上で、ハードルとなる税務周りの問題の解決を主に行っている企業。 確定申告サポートから、税務調査や暗号資産の相続に至るまで幅広いサービスを提供している。

仮想通貨の節税対策なら国内最大のCryptact 今なら完全無料!
Cryptactへの登録はこちら(無料)

株式会社クリプタクト 代表取締役 斎藤 岳

2007年、ゴールドマン・サックス証券入社。

2010年、ゴールドマン・サックス・インベストメント・パートナーズで、ヘッジファンドマネージャーとして最大800億のポートフォリオの投資・運用を行う。2018年、ブロックチェーンやスマートコントラクトのテクノロジーに可能性を感じ、アミン、増田とともに株式会社クリプタクトを設立。2019年、株式会社クリプタクト代表取締役就任。

斎藤 岳( @Cryptact_gaku)

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/13 木曜日
18:07
台湾中銀、ビットコインの国家準備資産化の「研究」へ
台湾の立法委員がビットコインを国家準備資産に組み入れる提案を行い、中央銀行が研究姿勢を示した。米国やブータンなど各国で進むビットコイン戦略的保有の動向と、エルサルバドルの事例から見る課題を解説。
17:48
メタプラネット、第3四半期決算でビットコイン評価益206億円を計上
メタプラネットの2025年12月期第3四半期決算発表。BTC保有量30,823枚に到達し目標前倒し達成、インカム事業過去最高売上。純利益135億円計上、1億ドル借入で追加取得へ。優先株活用の新戦略で普通株希薄化回避、2027年21万BTC目標を掲げる。
17:31
ステーブルコインUSDCの運用法|Aaveで年4%前後を狙う始め方
USDCを預けるだけで利息が得られるAaveの仕組みと利回り、始め方を初心者向けに解説。利用率による金利変動やリスク、SBI VCトレードでのUSDC準備まで網羅します。
15:22
CMEグループとFanDuel、仮想通貨や株価指数などの予測市場アプリを12月に開始
FanDuelとCMEグループが12月に予測市場プラットフォーム「FanDuel Predicts」を開始。株価指数、仮想通貨、商品などのイベント契約取引が可能に。2035年に14兆円規模へ成長が予測される予測市場に、ロビンフッドやドラフトキングスなど大手企業も参入。
13:50
レンジ相場続くビットコイン、10万ドルが防衛線に=Glassnode分析
Glassnodeの最新分析によると、ビットコインは9.7万〜11.2万ドルのレンジ相場が継続している。10万ドルが重要な心理的防衛ラインとなっており、これを下回ると急落リスクが高まる可能性がある。
13:43
イーサリアム上のトークン化資産が30兆円突破 他のチェーン合計を上回る
イーサリアム上のトークン化資産が2010億ドル(約30兆円)を突破し、全ブロックチェーンの3分の2を占める。ステーブルコイン27兆円、機関投資家向けファンド、RWA1.8兆円と多様なエコシステムが拡大中。
13:35
Visa、ステーブルコイン決済の試験運用を開始 クリエイターやギグワーカー向け
Visaが米ドル連動型ステーブルコインUSDCを活用した決済サービスの試験運用を開始。クリエイターやギグワーカーに数分以内の即時入金を提供し、国境を越えた決済を迅速化。2026年後半に本格展開予定。
13:25
円建てJPYC、日本国債の新たな購入者に 日銀の穴埋め役として期待も=報道
JPYC株式会社の岡部代表が、JPYCの準備金が日本国債市場で新たな力になる可能性を話した。日銀の購入縮小も背景に、今後ステーブルコイン発行者の存在感が拡大することも考えられる。
13:15
トランプ大統領、米史上最長43日間の政府閉鎖を終了させる予算案に署名 仮想通貨市場への影響は
トランプ米大統領が連邦政府機関の閉鎖を終了させる予算法案に署名し、43日間続いた米史上最長の閉鎖が終結した。下院は222対209で法案を可決。再開により複数の仮想通貨ETFが承認される見通しだ。
11:25
ブラジル大統領、押収仮想通貨の即時売却を合法化する法案を提出 組織犯罪対策強化へ
ブラジルのルラ大統領が犯罪捜査で押収した仮想通貨を裁判結果前に売却できる法案を議会に提出した。中央銀行は今週、仮想通貨事業者への認可制導入を含む新規制も公表している。
10:25
ユーザー資金を凍結できる16ものブロックチェーンを特定、分散化の観点で議論呼ぶ=Bybit
仮想通貨取引所Bybitがユーザー資金の凍結機能を持つブロックチェーンを特定した。ハッキング対策に有効だが、分散化の理念と矛盾するとの指摘もある。
10:15
SBIグループで資産運用|証券・銀行・仮想通貨投資を効率的に
証券・銀行・仮想通貨を1つのエコシステムで管理できるSBIグループ。スマホ1つで株式、投資信託、金ETF、仮想通貨への投資を始められます。手数料優遇、ポイント連携、スムーズな資…
09:45
ヤフー・ファイナンス、ポリマーケットと提携し予測市場ハブを数カ月以内に開設へ
ヤフー・ファイナンスが予測市場プラットフォームのポリマーケットと提携し、新たな予測市場ハブを立ち上げる。経済や市場動向の確率データと分析を組み合わせて投資家を支援。
09:20
ビットワイズ、2026年にICO復活で数十億ドル規模の資金調達を予測 コインベーストークン販売サービス立ち上げを受け
仮想通貨資産運用会社ビットワイズのホーガンCIOが、コインベースのトークンセール・プラットフォーム立ち上げを受けて2026年にICOが資本調達の重要手段として復活すると予測。
08:50
モバイルゲーム大手KLab、ビットコインをトレジャリー資産として購入
モバイルゲーム開発のKLabが約2,000万円のビットコインを購入。国内では今夏以降、Defコンサルティング約50億円、イオレ約160億円など上場企業のトレジャリー戦略が加速。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧